催眠の実際例、本当の悩みは何でしょう?

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本人が自覚していないこともある

初めて見る人はかなり驚く

登りの石段

今回の場合などは、相談者自身が自分が精神的に不安定になったり不眠に陥る、イライラしている原因に気がついていないのではないか、と思われました。

本人はイライラすることが多いのでなんとかしてもらおうと思って来ただけですが、問題の根は表面的ではなくもっと深い場所にありました。

手順通りに催眠をかけて行きます。(詳細は省きます。催眠の技術的な問題、誘導方法については各種書籍やテキストを参照してください)電車のイメージ、エスカレーターや階段などの手法、フラッシュライトを使って催眠をどんどん深化させて行きます。

催眠がかなり深くなったと思われる時点で、私は質問を開始しました。

谷口
谷口

あなたは、なぜ、仕事のことで悩んでいますか?

彼女の友人は傍らで固唾を飲んで見守っています。催眠に被験者がかかっている状況を初めて目撃する人の多くは衝撃を受けます。異質にも映りますし過去に体験がない分だけ驚かれるようです。

かかっているのが自分の知人や親友、家族である場合には現象を否定できませんから尚更、驚きが大きくなるのでしょう。

友人には静かにしておくように念を押してから誘導を進めてゆきます。

依頼者女性
依頼者女性

仕事を・・・。仕事を辞めたい。

谷口
谷口

どうして仕事を辞めたいの?

私がそう問い掛けると、彼女は口ごもっていました。

紆余曲折、なかなか出てこない問題の本質

ここから更に私はこう話しかけます。

谷口
谷口

私はあなたの力になりにきました。なにも恐くはありません。

 

谷口
谷口

身体の力を抜いて・・・。安心して言って下さい。

そう指示するとしばらくの逡巡(しゅんじゅん、迷い)があった後、彼女は、

依頼者女性
依頼者女性

結婚がしたいから。

と答えました。

これは相談のあった時点で予測がついたことですが、私は最初から仕事の相談ではないな、と思っていました。

悩み事に具体的な発言が少ない。

私に「ぜひ会いたい」と求めてきている割には相談内容が曖昧(あいまい)すぎるのです。

見知らぬ誰かと会うのは勇気が必要です。事前のカウンセリングの時点で曖昧さや不自然さがありましたから何らかの他の相談、別の悩み事であるとの推論が成り立ちます。

ただし、結婚の相談ならこれも少々不自然です。何も私に隠す必要はない。

それに結婚の相談なら本来は恋人や友人、家族にするでしょう。

占い師に相談するにしても「結婚のことで悩んでいます。この人でいいのでしょうか?」とか、「この人と結婚できるんでしょうか?」という具体的な質問になるはずです。

相談の内容が「仕事のことで悩んでいる」と彼女が表現し内容がすり替わっていることに、この問題の本質があるはずです。

そこで私は、もう少し突っ込んだ質問を繰り返すことにしました。

谷口
谷口

あなたはなぜ、結婚したいのですか?

依頼者女性
依頼者女性

幸せになりたいから

谷口
谷口

なぜ結婚できないの?なにか問題があるの?

依頼者女性
依頼者女性

結婚しても幸せにならないから。

谷口
谷口

なぜ幸せにならないの? 今付き合っている彼ではダメなの?

依頼者女性
依頼者女性

彼とは結婚できない。

谷口
谷口

なぜ、彼ではダメなの?

依頼者女性
依頼者女性

彼が浮気をしたから。

ここで、やっと問題の糸口が見えてきました。

相談内容の要約

どうやら仕事の相談ではなく恋愛の相談で、それも相手の浮気から結婚を考えていた彼女(被験者、相談者)はそのことを憂いて(うれいて)悩みの無限ループに捕まったようです。

誰かにそれを相談したいと思ったものの、内容が内容なのでストレートには相談できず仕事を辞めることで全てを絶ち切ろうと思ったのでしょう。

ですから、仕事の相談、というのもあながち誤りではありません。

もちろんご本人は嘘をつくという意図もなかったと思います。

谷口
谷口

彼を許すことができませんか? 浮気をした彼とでは、あなたは幸せな結婚はできませんか?

依頼者女性
依頼者女性

できないと思う。

 

谷口
谷口

それはなぜですか?

依頼者女性
依頼者女性

彼が何年も前から浮気をしてたから。

谷口
谷口

あなたは彼と付き合って何年になりますか?

依頼者女性
依頼者女性

8年になります。

谷口
谷口

彼は浮気相手の女性と何年付き合っていたの?

依頼者女性
依頼者女性

10年になると思う。

話を要約すると、彼女には長く付き合ってきて結婚の約束をした男性がいるそうです。

ところが、その男性にもう一人付き合っている女性がいることが発覚しました。

その女性と男性は彼女とつき合い始める前からの関係で、男性の仕事上のパートナーでありパトロン(スポンサー)だそうです。

彼は自営業を開始する際に、もう一人の女性の方から多額の借金があってそれを返済するまでは彼女とは別れられない、と主張しているようです。