洗脳、というものの概念
ここでもう一度、おさらいを。
「洗脳」とはどういうものだと思っていますか? それを正確に把握してからでないと、私の出番は永遠にありませんよ。おそらくそれは「洗脳」などではないから。
それを教えるために私はリニューアルにおいて「洗脳を解く方法について」を書き直しています。難しい概念とか手順を含みますから、書き上げるのには数ヶ月もかかっているのですが・・・。
何度も書き、何度も消して載せるのをためらった揚げ句に出してしかも途中で修正を重ねた文章です。周囲との兼ね合いとか今後のこともありますから・・・。ウチは催眠のサイトとしてはメジャーになり過ぎたため、カルト宗教とか怪しげなマルチ商法の連中も時折、見に来ているようです。
詳細に情報を載せてしまえば、逆利用というかそういった連中に対策されてしまう可能性があります。
それでも、悩んでいる人や困っている人の力になればと考えて綴られた内容です。できればしっかり読んで把握して欲しいものです。
その文章の中にこういった記述があります。
2.他人の考えに無意識に従ってしまうこと、自分の考えではなく他人の思惑でしか動作しなくなることを「洗脳」と呼びます。
番組とか漫画とか小説とかで気軽に「洗脳」という言葉を使うので一般の人も錯覚しがちですが、本来の意味での洗脳とは「個性、自分の考え、考える能力を奪うもの」です。
好きなテレビ番組やアニメを見て、だんだんそちらに影響を受けて物まねを始めたりフィギュアを買い漁ることとはかなり違いますよ。それはご本人の嗜好であり趣味です。
その全てを否定してしまえば、個性とかパーソナリティが存在しなくなります。
何も考えず相手に言われるがままに高額な壺を買い漁ったり、生活費もないのに多額なローンを組んで教祖なり教団のグッズを集めているのが「洗脳」です。
逆説的ですが、ですから本当に誰かに洗脳されたり、または「洗脳されている過程」である場合には、ご本人がというよりは周囲が異常に気がつく例が多いんですよ。
ご本人はただただ気持ちよくなっていたり、目がうつろなままになっていますので、まともな受け答えもできません。いわばロボット化してしまっている例が多いのです。
洗脳があるレベルまで進んでしまうとテレビ番組を見たり映画を見たりしなくなります。しても笑わなくなったり。目の前で我が子の事故を目撃しても無反応になることが報告されています。
誰かの思考、思想、概念に染まってしまって自分の考えがなくなって盲従するようになることを「洗脳」と呼ぶのであって「俺は洗脳されたんだ!」と自らが考えたり誰かに怒鳴ることとは違います。
また、私は親御さんの決めつけとか強要も嫌います。同じ意味では夫婦間であっても「どちらかが一方的に」何かを決めたり落ち着ける行為は間違いだと思っています。
「趣味のバイクやフィギュアばかり買ってて迷惑だから買わせないようにしよう」とか「勉強(仕事)だけさせよう」といった安易な感覚でメールを送りつけて来る人に、協力することはありませんよ。それは個人の嗜好とか余暇の過ごし方なので、行き過ぎなければ許される範囲でしょう。
それはむしろ、そういった押し付け行為を平然と催眠でやろうと考える人達が「洗脳者側」なのです。
時折届くよく似通ったメール
洗脳された人間がとる異常行動には、似た動作とか同じ行動パターンはあります。
ですから、そのような人からの緊急メールがゼロであるとはいいません。親族や家族、友人や知人、仲間や恋人だけではなく「当のご本人から」異常に気がついてメールを送ってくる可能性もあると思います。
思いますが、送られたメールを見ればそうであるかないかの判断はつきます。私も過去に多少なりとも担当したり関わったケースがありますから・・・。
「私は洗脳されている!」「私は見張られている!」と書かれていて、時には詳細な地図?というか車のナンバー、洗脳者?の名前が次々列挙されていたり、写真が添付されています。
正直に言いますが、そういった文章は私にも読めません。
ご本人は必死に現状を訴えていて、それを誰かに伝えようと「出来るだけ詳細に」書いたつもりなのでしょうが脈絡がなく文面も支離滅裂です。車のナンバーや写真の人物も実在するのかもしれないですが、が実際にそういった行為(洗脳など)に加担しているのかどうかは確認する方法が無いでしょう。
興味深いのはそういったメールが一通ではなく複数届く、ということですね。
北海道、名古屋、北陸、九州などIPアドレスから明らかに違う地域から似たような内容が届くことがあります。たった一人の人がそこまで旅行したりアクセスポイントを次々に変えてメールを送ってきているとは流石に思いにくいですね。
やはり同じような思いに囚われ「自分が洗脳されたのではないか?」と考えてメールを送ってくる人が全国に複数いることを指し示しています。
繰り返しておきますが、洗脳とは「自分の意思を喪失すること」です。ですから自分が「洗脳されたんだ!」と思い込んで私を含むあちこちにメールを送ったり、掲示板に貼り付けたりするならその時点で洗脳には失敗していることになりますよ。
不確実で支離滅裂とはいえ自分の意思で証拠を集め、それをまとめて誰かに提示していることになりますから・・・。逆説的ですが、洗脳被害に遭っている人は私に「助けて」とも言えないんですよ。
そこに明確な事実があれば警察だって動けると思います。
洗脳が怖いのは・・・。ご本人が「洗脳なんてされてない!」と本気で思い込んでいることなのです。
おそらくは脳内ホルモンの分泌バランスの狂い
医療関係者に「便宜上」統合失調症、と呼ばれるものがあります。
私が便宜上、とするのはおそらくは将来的に別の病名に分離、または研究が進んで他に分類されるべき病名だと考えているからです。
患者さんは病名がないと安心しない人がいます。と同時に医者とか医療関係者も病名が無いと安心しないというか不安に思ったり書類やカルテが作れないと思っている人もいます。ですので整理上とか便宜上のために統合失調症という名前もつくのです。
ただのラベル分け。私はその程度に捉えています。正直、多くの心に分け入ったり数多くの症例や被験者と向き合うことが多いと医者や学者が付けた名称とかラベルに意味なんてない、と思い知りますよ。
この病名はしばらく前までは精神分裂病、という名称に日本では翻訳されていたものです。
「お前は分裂病だ!」とか「お前は気違いだ!」というマイナスの表現にたくさん使われることがあったので、精神分裂病という病名は世間的にはあまり良い印象ではなくなっています。
その後継として使われるようになったのが統合失調症ですが、ネット上では糖質などと書かれて揶揄(やゆ)されるので新たな差別用語ともなりかねない危険を孕んで(はらんで)います。
検索してみればわかると思いますが、統合失調症ってね。別に珍しい病気じゃないんですよ。ストレートに言えば新型インフルエンザに罹る確率より高いくらい。最近になって研究が進んだため、アジア系人種(日本人)なら確率は120分の1前後ではないか? とまで言われています。
生涯発病率は約0.85%〜1%ですから「かかったり、発症する確率」は他の病気より高い可能性があります。要するに程度の高い低いがあるだけで、親族や家族、仲間や友人に一人くらいは統合失調症に罹っている人や発症する人が出てもおかしくはないんですよ。
これは私の推論に過ぎませんが、統合失調症も「脳内のホルモンのバランスの異常」とか狂いではないか?と疑っています。
理由は簡単で妄想とか幻覚とか幻聴は「言葉による暗示」つまり、私の行っている催眠誘導でも生じさせることが出来るから。
それも単独でではなく集団催眠においても幻覚を生じさせた経験があり、過去の文献にも同種の記述があります。統合失調症にも周期があって症状が悪くなる時期と軽くなる時期があります。
それが「脳内に何らかのイメージを生じさせる物質があるのではないか?」何かのきっかけで「その放出量が増えたり減ったりが幻覚や幻聴を生じさせているのではないか?」が私の推論の基礎となっています。
脳科学とか統合失調症を研究する学者にも同じ推論(もちろん過程は私とは違いますが)から研究されている方がいますが、また原因の特定には至っていません。
投薬をまず薦めます
おそらくですが統合失調症(昔は精神分裂病とも言った)は、太古の昔からあったんだと思いますよ。私のコミュニティの心理学1や2にもその記述があります。
大宝律令(AD700年6月17日から701年8月3日。施行は翌702年10月)の中にも「気が違う人」(現代でいう心神喪失者)を庇う記述や罪を問わないとの法律があり、それを実際に施行しているのですから・・・。
それはそのまま、当時の社会が「精神」とか「心」について真剣に考えていたことを示します。また、その心を病んだり失った人は罰するべきではないとの優しさとか思いやりを持っていたということであり、優れた先人の知恵でしょう。
現代の調査においても統合失調症の罹病率は120分の1(アメリカではもっと罹病率は高まります)程度なのですから、栄養状態の悪い古代に至ってはもっと多かったのかも知れないですね。
だからこそ、そういった人の取り扱いを明記する必要が当時の施政者にもあったのでしょう。
「洗脳かもしれないから先生と面談を!」と勢い込んでしまう前に、まず病院で診察を受けましょう。できれば投薬を受けてみることです。それで幻覚や幻聴が収まるのならいいことでしょうから。
私は統合失調症についても「脳内のホルモンのバランスの変化、異常ではないか?」と考えていると書きましたよね?
ということは物理的な療法、つまり投薬が効果を与える可能性が高いということです。
医者とか科学者が「便宜上」で名付けただけの統合失調症、という名称だけがネットとか社会で独り歩きしてしまうのは悲しいことですし、嘆かわしいことですね。
そういった症状に苦しむ人を「糖質だ!」とネットであざける人は相当に愚かで悲しい人でしょう。自分自身や自分のご家族、周囲がいつそれを発症するとも限らないのに・・・。現代社会においては統合失調症以外にも精神的な疾患や悩み事を抱える可能性なんてのはいくらでもありますよ。
突発的な事故とか怪我、会社の倒産やリストラ、そういったトラブルをきっかけに鬱病(うつびょう)になってしまうケースだってありますよ。公務員の鬱病での長期休暇が相次いだり、自殺者の増加が社会問題にもなっています。
その数はどんなに少なく見積もっても年間に数万人です。
それが自分にだけ襲いかかってこないとどうして思えるのでしょう? 不思議な感覚です。
そういった症状(幻覚や幻聴、誰かからの命令)に悩んでいる方は投薬をまず受けてみましょう。
私にメールを送ることが出来るなら「自分の意思」を失っていません。ですから、家族や仲間、職場に伝えてお休みをとって病院に行くことも可能なはずですよ。
まずそこから開始してください。相談はその後でもできます。