2017/12/08改訂
2006/05/01初稿
朝日新聞社「心のプリズム」という書籍
今から40年近く前の書籍の紹介です。元々の記事は朝日新聞に連載されていたコラムのようです。
ですから、記事として新聞紙上に載ったのは1971年でその翌年の1972年に単行本として出版されたもののようですね。
私はたまたま古本屋で発見、初版本を持っていました。残念なのですがその初版本はある人物に貸したまま帰ってこない(要するに持ち逃げ)されたので、ずっと探していました。
私の手元には一部、初版のコピーのみが残されています。
こちらはしばらく後になって九州の書店から通販で購入しました。すでに18版も増刷を重ねた後ですね(笑)。買ってみて驚いたのですが、中身がちょっと違っています。
18版も増刷しているのですから、当時としては大ヒット作品でしょう。3ヶ月に一度、刷ったとしても4年はかかる計算なのですが、確認すると1975年、3年で18版を達成しています。
私が買い直した本でも1975年(昭和50年)ですから、今から42年前の物なんですよ。初版本(や新聞記事)になるとそこから3年ですから45年前になります。
更に記事に引用されている書籍や知識はもっと前になりますから、46年から50年近く前の基礎研究を元に記事や内容が書かれたと思って間違いないと思います。
重版を重ねる過程で編集しているようです。私の読んだナショナルの冷蔵庫に紫外線で投影を行った「サブリミナル実験」については昭和50年度版には記載されていません。
当時の三種の神器と言われた冷蔵庫や家電に科学者が「眼に見えないはずの紫外線」でナショナルのマークを投影する、と。すると一般的な他の電化製品や冷蔵庫より売上が伸びたとの記述がありました。
誌面上ではサブリミナル効果によって購買層、エンドユーザーの信頼度が増す、と。一流メーカーのマークが入っていると実際には目に見えないのに売り上げが伸びるんだと書かれていました。
やはり昭和の47年から50年台という古い時代でも。日本国内の一流家電メーカー(朝日新聞の記述による)の名前を出すことは問題になったのでしょうか?
面白いことに代わりにコカ・コーラーのサブリミナル実験の話がぶっ込んでありますね(笑)。
奇妙な実験が、十五年前、米ニュージャージー州の映画館で行われた。上映中のスクリーンに「コカコーラを飲みなさい」「ポップコーンを食べなさいという字幕が、瞬間的に数十分の一秒から数千分の一秒の間、五秒おきに終始映写された。
ネットにおける都市伝説のようになっている「コカ・コーラのサブリミナル実験」の話を日本ではっきりと新聞記事にしたのが。なんと朝日新聞様です。
その後の数十年で今ではすっかり嫌われ者ですけどね。
1972年の書籍で「15年前の実験」と書かれていますので1957年ですか?
すでにエルビス・プレスリーが出現して人気になっていますね。アメリカではキャデラックに乗って映画館に行ってポップコーンを食べてコカ・コーラを飲むのが定番になっていました。
なかなか興味深い
重版を重ねて改定を行ったものでも、今の時代ならば出版差し止めになりそうな内容もまだ、載っていますね(笑)。当時はお咎め無しでも今なら差別用語になりそうな表現も連発です。
そこに凄い時代格差を感じます。
当時は新興宗教として新聞に描かれた(50年度版に載ってますが、創価学会)団体も40年経った今はすっかり老舗ですね。
確かに初版本とかから削られた記述もありますし、一部内容が異なっていたり真偽の怪しい部分もあります。
なんと言ったって朝日新聞が母体ですから(笑)。意図的なプロパガンダも入っているでしょうし、一部は自分達の都合がいい方向に編集を加えてあると思います。
その部分を割り引いても、この本は読むだけの価値があります。
脳内物質の分泌の話とか、中継物質(GABA ギャバ)に関する記述もすでにありますね。ギャバとは近年になって玄米だとかチョコに含まれると話題になったアレです。
正式名称はガンマ・アミノ酪酸、その40年近く前の時点で「頭が良くなるのではないか?」と考えて製剤化したものの飲んでも効果がないらしい、とわかって取りやめられたとの記述もありますね(笑)。
つまり、その効果を過去(40年も前)に否定された物質とか薬効成分を、今ごろになって製品化してCMで必死に煽っている企業もあるわけで。ということは歴史は繰り返しているだけでしょうか?
当時の本(昭和40年代から50年前後)の資料とか書籍を読んで面白いのは分類とか索引です。巻末についている索引が異様な分厚さがある。
○○という単語がどこにページに使われているかが、すぐにわかります。この「心のプリズム」も索引が分厚く、それこそしつこいくらいに載っています。
面白いのは「催眠 催眠状態 催眠術」という単語は索引だけでも9ヶ所も出て来ます。「暗示」が5ヶ所。自己暗示、潜在意識など催眠に用いられる用語も数多く出て来ます。
今になって読み返すと内容には当時、明らかに政治的な意図を持って書かれたんだろうな、と思う記述もあります。今となっては怪しい記述とか中身の伴っていない部分、事実と異なる部分もあります。
が、今に引き継がれている技術や知識、原型になったものもある。
この本は元々、新聞記事だったものでしょう。当時の新聞記事とかコラムの中に催眠だとか心理学の用語が当たり前のように使われてきたことに驚きを覚えます。
歴史の証明というかこれまでの日本の縮図をみるようですね。
当時の予想とか予測で、当たったというか近いものもありますし、まったくの杞憂(きゆう、思い過ごし)に終わったものもあります。
事の真偽は別として
初版にあったロートエキスとかベラドンナエキスなどの記述も、ばっさり削除されています。
今はゴルフ場になっていますが、戦時中は日本でも国が作らせていました。ロート製薬って社名はその名残り。
ノルマンディー上陸作戦に使われ、成功の原動力となったスコポラミンについての記述もあったんですよ。
元はドイツが自白剤として研究開発したものですが。それが少量であるなら乗り物酔いの薬、三半規管に作用することがわかって製薬化されています。
当時の戦略的常識として長期間、移動して乗り物で揺られると兵士が乗り物酔いやめまいを起こしてしばらく戦えなかったそうで。ノルマンディーからの揚陸作戦はない、あっても迎撃用の戦車部隊や航空戦力、陸上部隊を動かすだけの時間的な余裕があると考えられていました。
当時の常識、戦略を覆す「ドイツの開発、発見した新薬」が上陸作戦を成功させたとも言われています。面白いですね。ドイツが開発した薬を連合軍、アメリカが自分たちのために転用したことになります。
この書籍も、色々な思惑が絡んで改定が重ねられているように思います。配慮ともとれますし、抗議を受けて変えたのかもしれませんし、そこは当事者じゃないとわからない。
少なくともこの頃の朝日新聞は、完全に「赤くは無かった」ように思います(笑)。
多少は良心というか骨のある内容です。かなり検証した上で載せたと思われる記述もありますね。面白いので当時の記事をWEB版の朝日新聞で検索してみると、中身には相反するものもあります。
価値観というか感覚が違う人もいて、上役の言いなりになって飛ばし記事や捏造記事ばかり書いてたわけではないんですね。正反対の内容もあるってことは逆らった記者もいたのでしょう。
この本にも引用とか参考書籍についても明確に書かれていて追跡調査可能なものもある。研究者の名前も具体的に示していますし、実験データ、グラフとか写真も複数を掲載するようにして文章に信憑性を増すための努力を重ねています。
考えてみると、今の新聞記事はどうしてこんなにダメになったんですかね?
沖縄のテーブルサンゴ、ひっかき事件辺りからでしょうか?
文面を見る限り、当時の朝日は今とは違って心理戦に相当強かったんだと思います。
この本に心理学に関する記述は相当にあります。群衆心理を巧みに煽るものや民衆が興味を持つ最先端技術とか生活に密着する記述もある。
バーゲンとか割引で商品に群がる人の心理状況を解説したり、先に紹介した通りコカ・コーラが行ったと言われているサブリミナルに関する記述までありますよ。
現代でも、十分に面白い記事として通用するのではないでしょうか?
見事な完成度で技術です
参考文献も多岐に渡っていますし引用も豊富です。40年前の本とは思えないくらいです。
特定の国家のみを持ち上げる記述にならないよう、アメリカとソビエトとの記述は交互に用いるなどバランスをとっています。一般人にも理解しやすいように専門家の意見と実験写真を添付するなどの工夫も随所に見られます。
最終的な「落とし所」というか持って行きたい方向性は「やや赤」です(笑)。真っ赤というか決めつけで最後の文章を結んではいないようですね。読者が選択できる余地を残しています。
確かに当時から社会主義や共産主義を崇めていた傾向はある。
落とし所とか向っている方向は同じだったのかもしれないですが、今どきの記者の書く内容と比べると完成度が違い過ぎますね(笑)。実に巧みです。
「洗脳を解く方法について」のコーナーで私は「当時の新聞記者にはこんなに硬派な人たちがおり、独自できちんと取材をしていたのかと思うと感動します」と書いたことがあります。
この本を読めばわかります。丁寧に検証し出典を明記し、研究者や学者からコメントを貰ってます。
もっとも私は、別にサヨク系でも朝日信者でも何でもありません。むしろアンチ(笑)。
この当時の新聞記者は(朝日以外も含めて)相当に文章の組み立てや構成力、表現力に長けて(たけて)いたんでしょうね。
考えてみれば当たり前ですか? テレビなどにマスメディアの中心が移動する前の花形産業ですから・・・。戦後の動乱期から高度経済成長に入って行く最中で、もっとも素晴らしい時代であり人材も豊富、研究費や取材費も使えた時代だったのかもしれないですね。
当時は大変だったと思いますよ。今のように携帯電話もメールもデータベースもない時代ですからね。TwitterやLINEで一瞬に情報が集められる今とは違う。取材対象を探すだけでも一苦労でしょう。
この本には日本ばかりかアメリカとかソビエトの科学者の記事や取材も載っています。取材先は当時の最先端分野でしょう。
時代背景に触れておくと、日本はまだ経済大国ではなかったですからね。通信や飛行機の技術も完全ではなかった。現地に行くにも長時間かかりますし、パスポートやビザの申請も難しかったでしょう。
ファックスの普及は1970年代の後半です。まだテレックスの時代でしょうね(笑)。記者たちがアメリカにもソビエトにも出掛けていってますが、よく取材を受けてくれたものです。
その当時であれば、全ては自分の勘と相手に取材を受けてもらえるコネとか、出向いて行って相手にしてもらえるだけのネットワークを持っているかにかかっていたと思います。
この記事の「自分達の主張とか考え方、方向性に」信憑性を増そうと足で稼ぎ、当時の学者とか医者とか研究者から丁寧に話題を拾った手法を「硬派」であり、腹が座っていると思って私は褒めています。
まあ自分たちの望む方向に振ってはいるわけですが(笑)。
昔の資料や文献は面白いですよ
以前のひとりごとにも書いていますが、私はサヨク活動運動には関与しません。
確かに障害者の支援団体や施設に取材(映像の仕事)に行ったり、兄がソフトウエアやホームページ制作の指導(ボランティア)に行ったり、私自身も商品開発や雇用対策に関わったりもしますが、それはただのこだわり。
たまたま、いろんな巡り合わせでそういった方々や団体とも関わるようになったので、大切にしているだけ。
食えない時期に西成のあいりん地区(まあ関西では危ない地域)でバイトしてて、現場で一緒になったサヨ系兄ちゃんとまずい飯(小蝿のたくさん浮いた100円ラーメン)食ったりはしましたが(笑)。
そういった連中から色々レクチャー受けて、裏側の面白い話も聞きました。
ですが、学生運動家とかはどうにも青臭くって嫌いです。
確かに私も、一部は障害者の雇用問題とか映像制作に関わることもあります。
兄も講師(インターネットやデータベースについて)レクチャーに立ったりしていますが、それは単に自分達に出来ることをコツコツとやろうとしているだけであって、何かの会合とかデモとか活動や署名には一切参加しないでしょう(笑)。
何かのイデオロギーのために誰かを叩く趣味はありません。
社会は多様な価値観で出来上がっています。それぞれが思惑も立場も環境も違う。だから導き出される解答もそれぞれに異なる筈です。
少なくとも私は「現時点では」共産主義や社会主義で末長く幸せに暮らしましたとか「財産や資産が全員に等しく分担されています」「働く人の権利が何よりも優先されています」という地域とかコミュニティ、国家の実例がないのでまったく信用していません。
かといって資本主義万歳でもアメリカ大好きでもない。
大切なのは結局、イデオロギーとか思想ではないから・・・。それを用いる「人間」の側の問題です。
権力とはいわば、麻薬なんですよ(笑)。それはどの国でも同じ。
一極集中型にすればどんな国でも腐敗や癒着を生みます。我が子とか一族で利権や権力を「ずっと握って裕福に暮らしたい」との歪みも生みます。
政党の幹部とか党首とか役人とか政治家、国家主席が「世襲制」とか「私腹を肥やす」状態になれば、そりゃ共産主義でも社会主義でもないでしょう(笑)。
それは「ただの独裁」。どんなイデオロギーや思想だろうと関係ありません。世襲制になって2世3世が幹部に居座る共産主義や社会主義なんて聞いたこともないですよ?
中国共産党も朝日新聞も日本の天皇制とか各国の皇族制、貴族や王制を批判していた癖に。さすがに中国共産党の幹部が何世代もに渡って世襲するのはおかしいでしょ?
共産主義は世襲制度そのものを認めていないのですから。新しい王政ですか?
朝日新聞には中国が共産主義を掲げながら血筋や家柄で権力を引き継ぐようになったのなら、それも批判する責任がありますよ。そりゃ新貴族様って言うんです。色が赤くなっただけですね。
これは私のサイトから絶対に削らない記述です
余談ですが、私は旧社会党が大嫌いです。古くからのウチの読者なら知っているでしょう。
このホームページを立ち上げた直後(1997年)に、ひとりごとのコーナーに阪神淡路大震災で後手にまわった(私は現在三ノ宮在住)社会党をやんわり批判する言葉を書きました。
ただのひとりごと。当時の私のサイトの人気コーナーです。
そんなに強烈な批判書いた訳でもない。なのに「バランスのとれたホームページだが、その記述は余計だから削除しなさい!」などと命令口調でメールを送り付けてきた馬鹿がいました。
私は震災で知人も亡くなってる。
それを「社会党の批判に繋がる内容は、個人のホームページでも一切書くな」ってことらしいです。
こいつらねぇ・・・。たぶん同時期に私以外の所にも送り付けていると思いますよ。
文章は非常に手慣れた感じ。それが余計にむかつきました。こういうのをなんて言うか知っていますか? 言論統制、言論弾圧と言います。なーにが社会党(社会主義)だ。
ナチスドイツはマルクスやレーニンの書籍を焚書(ふんしょ、燃やすことです)しています。社会党の政治家が個人のホームページに書かれた内容を検閲して消そうとする行為は正しいと思いますか?
ナチスと変わらない行為を「社会主義を掲げている連中が」ネットでやってたってことです。
それは恥だろ? お前らの。
当時ものすごーく腹が立った。自分達に都合の悪い記述を、全てのホームページ巡回しながら「削除しろ」と迫っていたんだと思いますよ。
だから拉致問題でも隠蔽工作ばかりしたんだと思いますが・・・。
旧社会党の土井たか子が「永遠に小選挙区で当選し続ける」鉄板とまで言われた西宮選挙区、それどころか兵庫県から社会党系がいなくなって。議員が壊滅したのも納得です。おそらくそういった行為に心底、腹が立ったのは私だけではないと思いますよ?
んで、反対にこういった記述を私は「ずっと」載せるようになりました。
何も言って来なかったら削除したでしょうし、自然に他の記事にまぎれて埋没したでしょうね。
ウチに届いたメールは「全て」残されています。システム障害とかパソコンが壊れても大丈夫なように複数のバックアップとってます。開業直後のメールでもいつでも公開できますよ。
朝日新聞も好きではないですが、この本だけはなかなかのものです。お勧めします。若い皆さんは昔の文献とか資料を調べて読んでみると面白いですよ。
それもできれば複数の文献を読んでみてください。当時の人々の不安とか恐れとか悩みとか痛みとか、反対に希望、要望、将来への期待、科学技術の進歩、「心の闇」や社会背景が透けてみえますから。
それがこれからの未来を推測する時にも役に立つのです。
未来予想図は過去を探ること
国際情勢が変化してきて先行きに不安を持つ人達も増えています。
そういった方々とか若い世代からメールをもらうこともあります。2000年の頃には終末思想が蔓延っていて「世界が滅びる前に催眠術を覚えなければ!」などと、笑うに笑えないメールを送り付け、練習会にやってきて電波振りまいた方もいましたが(笑)。
もうあれから17年ほど経ちましたが? 良い終末を過ごされましたか?
残念ですが、今はもう「戦後」ではありません。
これも以前のひとりごとで触れましたが、いまはもう新たな世界再編に向けての前哨戦のまっただ中です。世界中がその波に飲まれようとしている。
ですからその2000年問題で騒いだ人ではないですが。いつ戦争とか核兵器による攻撃や大きなトラブル、震災があるかなんてわからない。
このコーナーを書いた2006年の頃には東日本大震災も起こっていませんから。大きな震災とか災害とか戦争、まして終末を。事前にぴったり予測した実例なんてないんですよ。
ノストラダムスもマヤ予言書もあてにならないでしょ? あれだけの大きな震災があったのに事前に当てた地震学者や占い師がいましたか? スピリチュアルカウンセラーとか前世を覗けるだとかカリスマ預言者を気取っていた新興宗教の教祖にも一人だっていません。
だからこそ、こういった書籍とか過去のデータや情報が重要になってくるのです。
戦争前夜というか、戦前、戦中、戦後にマスコミを通じ「どういった報道がなされたか?」一般民衆や社会が「何を恐れ、何を求めたか?」を知ることが今後の予想の鍵となるでしょうね。
若い人は嫌がるかも知れませんが、図書館に行ったり古い書籍などで探ってみることはとても重要です。そこに過去からの積み重ね、今は知ったり実験したりできない真実とか重要な情報(今風に言えばソース)も含まれているからです。
人々が歴史を学ぶのはそこに真実があるから。
ネット検索だけでは出てこない情報もあるんですよ(笑)。
私は初期の頃の記述は全て自分で各地の図書館を巡ったり、心理学に関する書籍を自腹で買って参考にしていました。電子書籍とかKindleとか無かったですしね。
古本屋も関西にある店は片っ端から回りました。この「心のプリズム」もその中で見つけたものです。
同じ過ちを繰り返さない為に、または戦いを避けたり何らかの具体案、事前に「手を打つ」「個人でも震災や戦争に備える」為にも過去を学ぶ必要があるのです。
どうしても逆らえない社会情勢とか国際情勢もある。その時、世論がどう動き当時の世界とか国家、政治とか国民が何を望んだか、当時には「どういった価値観が」標準だったのかを知る必要があります。
わずらわしくても投票に行って。政党とか政治家とか、何かを選んだり決めたりしないといけない時もあります。そこを放棄したら何か起きた時に文句を言える立場にないですからね。
先に例にあげた「旧社会党」なんぞの関係者ばかりになったら嫌でしょ? 個人が細々とやっているサイトまで検閲して「それは削除しろ」って言い出すような・・・。
そんな連中が震災とか有事になった時には、何やらかすかがわからない。放っておくとろくなことしませんよ。だから何があったかはきちんと学んでおく必要があるのです。
未来とか国の行く末とか、自分の将来に迷う時も昔の文献とか資料を漁ってみてください。そこから何か「良いヒント」が得られるかも知れないですよ?
必ず「複数を」参考として読むこと
朝日新聞や毎日新聞(当時はこの二社が最大手です)のみを読んで納得してしまわないように(笑)。必ず複数の新聞や書籍を読んでください。情報誌とか週刊誌でもOKです。
くだらない流行歌とか、当時のお色気系雑誌でも参考になります。
読売新聞などが急速に大きくなってきたのはかなり後になってからですね。戦前は読売新聞に勢いなどなかったので。
今で言う「キラーコンテンツ」(顧客を取り込む為に重要となる人気のある情報)としてプロ野球(読売巨人軍)を利用し、娯楽やスポーツという新しい分野を開拓して徐々に大きくなった新聞社です。
マスメディアにも変遷(へんせん)があるのです。
できればアメリカ側の書籍や情報、ソビエト側の歴史や背景、日本で「発禁扱いになった本」なども読んでみると面白いですね。
私はこの本だけではなく、他にも参考資料として持っている本もありますよ。特に心理学の話とか実験に関しては1970年代(実際には1940-1960年にかけての基礎研究)のには重要なものがあります。
皮肉なことに薬学とか心理学(催眠も含む)は戦争中に原型が出来たものも多いのです。いわゆる国家プロジェクトとしてのプロパガンダ(心理戦)や兵士の恐怖心を払拭するために用いられた(覚せい剤やヒロポン、酔い止め薬)り、開発されたものも多いからです。
「心のプリズム」の中にも脳内ホルモンの話、その分泌を左右する物質や薬についての記述が出てきます。人間の感情を自在に操れるようになって、核兵器よりも危ういものを開発してしまったのではないか? と悩む科学者の話なども掲載されていますよ。
今の抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI製剤)の開発の基礎は、この時代に作られたんだなぁってことが読んでいるとわかります。
ただ、このホームページで全部を紹介はしていません。
中には危険なものとか誤解や錯覚を生みやすいものもありますからね(笑)。
それに載せた途端に資料の価格が高騰したり、一部の物まねサイトがまた「自分が発見した」かのように振る舞ったり、盗用されるのは困りますから(笑)。
この本も全文をスキャンして載せてあげたい所なんですけどね。残念ながらそれは出来ません。絶版とはいえ、著作権とか版権の問題がありますから。
興味のある方は古本屋を当たるか、国会図書館に行くか、当時の新聞(朝日新聞は縮小版がネットで閲覧できます)を片っ端当たってみてください。
年号(この本は1971年の新聞に掲載された内容から作ったそうです)がわかれば検索は可能です。かなり面倒ではありますが、手間をかけるだけの価値はありますよ。
「能力開発セミナー」なんてのは、この本(40年前の記述)にも存在します(笑)。
本当の意味での自己改革とか勉強を行いたい人は、誰かの受け売りとかホームページに書かれている売り言葉を信用などせずに自分で検証して探してみましょう。
まあ劇的な「能力開発」なるものが存在しているとするなら。とっくに40年後の現在では成功者になっていなければなりません。大きな会社の経営者だったり、ノーベル賞の受賞者だったり、世界に誇れる素晴らしい技術開発や文学作品を残していそうにも思うんですけどね?
少なくとも古いデーターや資料、書籍を漁れば。古い知識の焼き直しをやっただけでカリスマぶっている偽物とか効きもしない商品ってのはわかると思いますよ?
できれば複数のソースを得てそこから勉強しましょう。その上で実体験に根差す「何か?」をプラスすればまた違った道筋とか技術とか発展が得られると思います。
誰にも見えない、完全な予想など難しい震災や終末に怯えてうろたえるよりも。過去からのデータ、多くの書籍や資料から断片を拾い集めて。自分「達」でも想像できる未来に備えましょう。
2006年05月07日 初稿
2017年12月08日 加筆、修正
谷口信行