学ぶ時は偏見を捨ててから
性格的に身勝手な人とか、基本的な考え方が独りよがりな方は、他の誰かの知識とか経験「情報」に敬意を払いませんよ? 全てが無料で教えてもらえると考えますし、簡単に手に入ると思い込みます。
小説や漫画の続編を「無料で今すぐ公開しろ!」って言い張る行為に似ています。
手に入ったからといって感謝もしませんし、対価も支払おうとしません。
結果として嫌気が差しますから周囲からは人がいなくなります。大切な情報が入らなくなったり、優秀な部下は嫌気が差して辞めてしまうでしょうね(笑)。
そういった感覚が身に付いている人だとどんなに素晴らしい知識や防止法、マニュアルを提示しても無駄です。用いる人に理解力や覚悟がないならば何の役にも立たないでしょう。
冒頭の部分で紹介した食肉パッケージへの「ガス充填」とか「専用蛍光灯ライト」の話でも、初期の頃には散々馬鹿にした経営者もいたようですよ(笑)。
「そんなものを多額な費用をかけて導入するだけ馬鹿馬鹿しい」だとか「どうせ高い蛍光灯とかガスが売りたくて都合のいい話をでっち上げているんだろう」とか・・・。作っているメーカーも当初はとても苦労されたようです。
ですが、実際に他が数多く導入して効果があるということがわかったら「何でもっと早く持て来なかったんだ!」と怒鳴られた例もあるらしいです。困ったもんですね。
歴史書でも読んでみてください。三国志にでも日本の武将列伝にでもそのような話は履いて捨てるほどあります。立場を利用して大きな態度をとりたがる人は、自分の耳が痛い話は聞きません。
都合のいい話だけ抜粋します。残念ながら社会においては、そういう人達が経営者だったり「あなたの上役」だったり得意先だったりすることもあるわけです。
腹が立ったり、むかつくことも多々あるかもしれないですが、だからこそ出し抜ける可能性も残るわけで・・・。特殊な知識とか技術は「先に手にして」きちんと把握したほうが勝ちですよ。
理解してくれない人がいることを嘆く必要はない。
それこそがあなたのチャンスなのですから。
知識とか情報を正しく用いることができるのは、冷静な判断力と洞察力、応用力を持つ人です。
マニュアルを眺めてその物まねを行おうとするのではなく、その文章が書かれた経緯や手順の真意を探ろうとすることですね。
コンビニで「店員が挨拶する」というその一点だけでも学ぶべき教訓、利用出来る知識や統計、確かな技術がそこには存在します。
偏見持ってしまうと損ですよ(笑)。特に経営者とかこれからを担う若い世代はそのような感覚に陥らないように注意しましょう。
私がホームページに修正や改訂を加えている理由
あと、勘違いしている方に教えておきますが、マニュアルは常に進化しますよ(笑)。知ってお終いではなく導入したのが「全ての始まり」なんです。
私はそう考えてこのホームページを綴り、時に以前のコーナーを改訂して著書を出し、テキストを何度も修正しながら作っています。
時代背景で徐々に変わるものですから。ずっと同じだと参考にならないので面倒でも何年かに一度、自分で手を入れています。
ウチの場合はサイトが分厚くなってしまい、直すのが大変なんですが・・・。コンビニチェーンと違うのは全ての作業を私一人でやっています。
コンビニやファーストフードのマニュアルが電話帳か辞典のように異様に分厚くなった背景には訴訟対策の意味もあります。
自分たち(本部)が訴えられない、責任を背負って大変にならないようにとの保身の意味もありますので、大切な知識ばかりではなく訴訟よけのために膨大に書き込まれた記述もあります。
どんな優れたマニュアルでも役に立たない記述は削る事になりますし、何かを付け足す、補足説明を入れなければならないこともあります。どうしても変更を加える必要も出てきます。
なので私は、ホームページで情報を追加したり何度も修正を行っています。
何を勘違いしたのか「お前の持ってる知識を何もかも詳しく教えろ!」「コンビニの例のように全てをわかり易く解説してホームページで公開しろ!」と強く言ってきた連中もいますが・・・。
ここではっきりとお断りします。
私が苦労して身に付けた技術や知識、広い意味での「経験という名の財産」です。
もちろん、教えるのはやぶさかではない。そのために指導もテキストの販売も行っているのですから・・・。ただし、やはり筋がいい人とか私が納得できる相手に教えたい。
安易に転売や盗用を企んだり、私に敬意を払おうともしない相手は私にとってのお客様ではありませんよ? 単なる迷惑な強盗犯です。
メールの時点で高圧的だったり、何かを教わる立場であるにも関わらず態度が尊大な人が「私の正当な後継者か?」と問われれば、それはやはり違うような気がします。
パソコンやネットの向こう側には相手がいます。ですから不愉快な内容、高圧的なメールを「相手に送るべきではない」ってことばかりが繰り返し書かれているのが私のサイトでしょうから・・・。
そこを読んでいなかったり理解していない人が。私から何を教わろうというのでしょう?
仲良くなれば詳しく教えるでしょうが、これから要点を訊き出す側がそんな感覚でどうするんですか(笑)。知識や経験はその人個人の財産です。学ぶならば節度を持って望んでください。
それとまず偏見を捨ててから取り組んでください。
先にも述べましたが、最初から心理学とかマーケティング、催眠に対して強い偏見や歪みを持っている場合、正確な分析も技術の習得も行えませんよ。
そういった人は自らの生活や仕事にうまく取り入れることができなくなるのです。
コンビニやファーストフード業界がマニュアルのコピーや再配布を厳しく規制しているのは、それを整えるまでに膨大な時間と費用がかかっているから。
それを「ただで寄越せ!」とか「何でコピーさせないんだ!と怒鳴るのは筋違いです。そのマニュアルを育て、整える過程までを含んで始めて高い価値があるのです。賢明な読者は私のホームページや著書、テキストを読んでその裏に存在する意図や真意を読み取ってください。
コンビニなどに使われている心理学の知識も、歪める事なく学んで理解して欲しいと願っています。
1999年06月19日 初稿
2017年12月09日 加筆、修正
谷口信行