コンビニは心理学の宝庫です

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心理学の知識は様々な形で利用

原型はアメリカから入ってきています

コンビニには「いつでも営業している」と言う利点があります。ですから時間を気にせずに使える。便利であると同時に、自分の家から近いというメリットもあります。

まとめ買いで重いものを持ち運ぶ必要が無い。

若い人が車に乗らなくなったとか、外に遊びに出なくなったと嘆く人達もいるようですが・・・。一昔前なら買い物をするついでにドライブとかデートとかしたんですよ。歩いていける距離で殆どの品物が揃って要件が終わるのに。遠方にまで足を伸ばしたり高い駐車場代を払う理由がありません。

買いたい時にいつでも訪れることができて、最近は品揃えも豊富です。

酒もタバコも雑誌や漫画もアイスクリームも食べ物もある。ATMすら深夜営業している店舗もあります。ゲームソフトのネット販売、公共料金の支払いやクレジットカード払いも出来るようになりましたね。宅急便も郵便も送れるます。

コンビニエンスストアはスタート時にはアメリカを参考にしたそうですが、そういった日本だけの特徴も数多くあります。本当に便利になりましたね。

初期の頃は何のオプションも付いていませんでしたよ(笑)。

もし「いつでも営業している」「深夜でも開いている」ことのみが長所だったとすれば、当然、個人営業のストアにおいてもそれは可能だったと思われます。

それがなぜ、現在のようにフランチャイズ、つまり「わざわざフランチャイズ料を上部団体の支払ったり、吸い取られる」システムに多くの店鋪が加入せざるを得なくなったのでしょうか?

アメリカなどは冷凍食品を大量に買い込む家庭が多く、郊外型の大型店に車で乗りつけます。

日本においては小分けする必要が出て来ます。車で一気に大量の商品を買い込む形式では日本の風土や社会に馴染まないのです。日本ではそれほど大型の冷凍庫を備え付けている訳ではないですし。

海外(アメリカ)の冷蔵庫は冷凍室が異様に大きかったりします(笑)。

大手スーパーの会長が今から50年前にアメリカに行って現地を視察しています。

自分達の持つ流通のルートを再整備し、「大型スーパー」ではなく「地域に密着し た小売店の一つ」として開業を目指そうと考えたことが、この業界を押し上げる力となり起爆剤となりました。

※この文章が最初に書かれたのは1999年です。コンビニエンスストアの概念を日本に広めた旧ダイエーの中内会長も、そのコンビニの中から宅配便システムを構築したクロネコヤマト会長、小倉昌男氏もすでにお亡くなりになっています。

小倉昌男氏には障害者雇用の団体の会合で取材、撮影させていただきました。慎んでご冥福をお祈りいたします。

コンビニが開業した当時、日本には深夜営業とか年中無休、24時間営業などは皆無でした。幾つか深夜営業を掲げた個人商店や数店で連携してる中小企業があっただけです。

そしてその24時間営業のお店を流通も含めた「心理学、マーケティングの集合体として」捉えてアメリカから持ち帰り、日本の環境にあわせて整備した人達がいた訳ですね。

以前は開いている店がなかった

トラック アイコンコンビニを日本で行おうと思ったのは、元々スーパーなどで商品を搬入するルートや設備(トラックや倉庫)などを活かして別の販売網を持とうと考えたのではないかと推測します。

大形店鋪だと開業の場所が限られる上に多額の資金がかかります。バブル期には大店法の規制などもあって大型店舗を都市部に設けるのは難しいという背景もありました。

地価の上昇も考えれば小型店鋪を複数持ち、一定のルートを辿ることで商品の補充や販売を行うならば十分売り上げは見込めます。

イトーヨーカドーやダイエーグループ(のちにイオンが買収)がコンビニ業界において優位に立ったのは大型店舗への輸送網をすでに持っていたからです。途中から流通システムの強化、個人客の取り込みも兼ねてクロネコヤマトなどの大手運送会社との連携も積極的に行います。

結果としてこの後、小売業は徐々にコンビニ中心に転化してゆきます。

現在ある物流用のコンコースやトラックターミナルに手を加えたり、追加投資するだけで済みますから、まったくノウハウのないスタイルで一から始めるよりは、やはりやり易かったのでしょうね。

当初は24時間営業でもありませんでした。

人件費、防犯の問題も大きかったのですが、流通や補給を24時間体制で行わなければなりませんから。補充や人員が間に合いません。営業時間を無闇に延長した所で、深夜には品物が売り切れになりますし深夜帯のアルバイトの募集はその頃はまだ一般的ではありませんでした。

当時、すでに一部地方都市のなどにおいては、「深夜営業のストア」(コンビニという名称ではなかったようですが)という形式で営業が始まっていました。

とはいっても現在のコンビニなどとは違い、何件かまとめて仕入れ値を安くして純益の確保を考えたり、地場産業としてチェーン展開をしようとしていただけに留まります。

40代〜50代以上の皆さんは昔を思い出して下さい。子供の頃、お正月やお盆に開いている店などありましたか?

事前に食料を買い込んでおかないと買い物をする場所すらなかったのです。

子供達がお年玉をもらってすぐにヨドバシカメラトイザらスになどに押しかけてゲームソフトを購入するなんてのは、夢のような時代だったのです。

今でこそ正月もお盆も土日も開いている店が増えました。ただしそういった状況が整ってきたのは近年になってからであって、日本が最初からそうだった訳ではないんですよ。

現在のように「いつでも買い物ができる」ように社会情勢を変えたのは、コンビニなどの影響があったことは否めませんね。

若い世代の方は覚えておいてください。皆さんがコンビニで24時間買い物ができるのは、それを支える物流やインフラ、休日や寝ている時間に働く人々、動いている設備や工場があるからです。

※皮肉な話ですが、日本では労働力の確保が間に合わなくなっています。2017年の時点でアルバイト賃金の上昇と人員不足のため24時間営業を諦めたり、チェーン店の大幅縮小を決めた外食産業やラーメン屋チェーンが存在しています。

個人商店とは決定的に違っていたもの

折れ線グラフ アイコンアメリカから持ち帰られた「コンビニ」の原型となったシステムには、そういった深夜営業の個人商店とは決定的に違う部分が含まれていました。

それが「心理学」を含む営業マニュアルでありノウハウだったのです。

コンビニ各社における運営は、マニュアルによって決められています。

実はそのマニュアル、持ち出しやコピー厳禁だそうです(笑)。テレビ局やマスコミが取材に行っても断られるほどですよ。このコーナーの初稿が書かれたのは1999年なのですが。それから18年が経過した2017年になっても中身の詳細が公開されたことはありません。

映されるのは外見だけですね。中の詳細とか契約部分は表に出たことがないのです。

フランチャイズ加入の折りにマニュアルを外に持ち出したり公開しないことを誓約させられます。違反するとフランチャイズを取り消されたり巨額の違約金が生じます。

一言でマニュアルといってもかなりの厚みがあるようですよ。電話帳数冊分。どんなに記憶力がいい人でも。あの厚さのマニュアルを全部を暗記するのは不可能だと思います。

その後、コンビニも過当競争の時代に突入しましたので。思ったような売り上げに繋がらずフランチャイズを途中で辞めたいといったトラブルも発生しています。本部の指導とか強引なやり方に反発してですね。何件かは訴訟にもなっているようですが。

それでも今のところ、マニュアルの全文が外に流出した気配はありません。

何でもどこから流出したかわかるように通し番号とか透かし、ウォーターマークが個別で入っているとか。まあこれは人づてに聞いただけなので本当かどうかは知りません。

外から店舗を眺めた場合、おかしいとは思いませんか? それぞれが違うフランチャイズに加入しているのに、見た目には似たような形の店ばかりになります。

いつ行っても妙に明るい店内で24時間営業、本棚が必ず窓際にあり透明なガラスで外から内部が見える構造になっていると思います。

下手すれば「おでんの置き方や置く位置」「出す季節」まで同じ。入り口の自動ドアや明かり取りの窓、商品の陳列棚の造りにしろ、カウンターの高さや雰囲気も似ているとは思いませんか?

壁や床の色も同じ。異なるフランチャイズに加入しようとも、店鋪や内装の雰囲気などは極めて似通っています。違うのはフランチャイズのマークくらいでしょうか?

看板さえかけ変えてしまえば、各社とも殆ど見分けがつきません。

不思議だと思いませんか?

商品の品揃えにも各社、多少派独自の品物もありますが、そんなに大きな違いはありません。

最近になって各社共差別化を計ったり、他とは違う商品を置こうとしています(CD機や金融商品、ゲームソフトの販売など)が、なかなか難しいでしょう。当たった商品とかサービスはお互いがモノマネしたりチェックして導入しますからね(笑)。

店鋪の形や造り、運営方法はかなり似通っています。

それはね、元になっている知識が各社とも同じ物だからです。