実は男性も女性も基本は単純なのに複雑
これを読んだ男性の方の感想はおそらく「うわ! 面倒くせえ!」でしょうね(笑)。
ところが、おそらく女性側からすれば「わかる、わかる!」になると思います。
これはね。男女の特質とか性質の違いで、お互い別に悪気はないんですよ。
男性側は心のどこかで「自分を特別扱いして欲しい」と願っていますし、一番になりたいとも思っています。闘争心の欠片(かけら)もないようにみえる男性にも譲れない一線はあり、それを乗り越えてくる相手とは戦ったり言い争いにもなります。
よわっちくて女々しい旦那さんでもね。自身の好きな趣味、例えばフィギュアとか好きなアニメとか車やバイクの話になると譲らないとか、手放すことに頑強に抵抗する人もいますよ。
何も言わず黙って引き下がる人は稀で、仕方なく引いても内心では強い反発心を持つでしょう。納得は絶対にしていません。それが男性なんですよ。
男性がもっとも嫌うのは「○○さんの旦那さんはもう課長になったのにアンタは何よ!」のような比較です。
男性は「アンタは特別よ!」「きっと一番になれるわよ!」と言って上手にけっ飛ばせば勝手に走り出す馬のようなものです。その特質とか性格を掴んでいれば操るのはそんなに難しくはないでしょう。
ところが、これが女性にとっては難しいのです。
男性と女性で特性が違います。
女性の心理を読んで「こっちのほうが似合ってるけど、君の意見を尊重するよ」などと、男性が女性に聞き出せないように、女性側も「あんたが一番よ!」などと持ち上げたり励まして特別扱いするのは苦手です。
「あんたになんて無理よ!」
「何、夢みたいなこと言ってんの!」
「そんなもの捨ててよ!」(漫画、アニメやDVD、フィギュアなど)
と、うっかり言ってしまう女性も多いと思いますよ。
それが女性としての資質で、女性がより現実的と言われる由縁です。
男性の夢とか理想像「一番になるための願望」に乗っかって励ますのにはかなり勇気が必要です。
調子に乗った男性が何かを追い求めてしまえば飛んでもないリスクを背負いますし、結果として大きな失敗をする可能性もありますので・・・。
女性にとって目に見える確実なものを掴むほうが重要視されるのです。今の仕事から逸脱して、大きな夢とか架空の話を語れば語るほど、女性とは大きな隔たりが出来るでしょう。
一時期は良くても長続きしません。若い頃ならともかく年齢が上昇すれば乗らないでしょうね。女性から見ればその姿は、自分の家庭や家族を守るための「長」(おさ、リーダー)が、その勤めを放棄して現実から遠ざかっているようにも見えますから。
女性は同化が基本です。ですがその同化にも特徴があって「より高いもの」「より高いグループ」との同化を目指しがちです。
ですから「同級生の夫のグループ」とか「近所の旦那さんで成功しているグループ」に居たいと願います。どうしても近隣の他者、身近な者と比較します。
ウチの旦那が他と比べて劣っている、と思うと愚痴もこぼすのです。
プライドが傷つく理由、男女の違い
同じ社内とか職場で出世はして欲しい。今ある現状を大きく壊すのではなく守りながら他と「同じもの」それもできれば「上位のもの」を手に入れて欲しい。
女性がそう考えて他の男性と比較することが、大げんかの原因となったりします。
女性は自分で一番になろうとはあまり思っていません。いませんが、「一番のグループ」に近ければいいなとか、同じであればいいな、との感覚は持っています。
知ってみれば単純な構造なのですが、知らなければ男女ともまったく気がつきません。お互いが正しいと思っており引けなくなるのです。
それは男性と女性でその部分に大きな隔たりがあり、喜びとする部分が完全に違うからですね。
男性は戦場でも先陣争いをやっていますが、これも世界各国で共通のものです。
自分が先頭である、一番に攻め込む事で手柄として認められるという感覚は人間社会に古くからずっとあり、慣習ともなっています。
これは人間だけではなくてね。野生動物の多くもそういった性質なんですよ。ライオンなどは普段、オスは狩りにすら参加せずに無駄飯を食っていますが、群れが危機に陥った時や外敵が現れた場合には先頭を切り、死ぬまで戦います。
それが自分の勤めだと思っているというか、種として刷り込まれているからでしょうね。
ですので、男性にはそれ(一番であること)を喜びとする傾向はあります。
出世競争で遅れた、と詰られたり誰かと比較されることは「先陣争い」に破れたと身内から大声で詰られたのと同じ意味になりますので、プライドが大きく傷つくのです。
余談ですがバイセクシャルとかオカマの人が異性(ご本人達は同性だと思ってる)に受け入れられるのは、そこに女性との精神的な差異が少ないからでしょうね。
厳密には違うでしょう。オカマの人が街で大げんかしてる時には「オラ!オラ!オラ!」と男の声で怒鳴りまくったりします。
私は過去にそういった人が、男に馬乗りになってガンガンぶん殴っているのも目撃していますから(笑)。その姿は闘争本能丸出しでどっからみたって男です。ですが普段は非常に女性的であったり、女性の心情を見事に再現したり、汲み取ったりします。
そういった特殊な人以外、男には女性の気持ちとか立場がわかりません。男の側は善かれと思って必死に解答を示しています。
できることなら明確に答えたいと願って真剣に答えているのですが、「明確に答えよう」との思いが真剣であればあるほどピント外れで、女の人をイライラさせてしまうケースもあります。
無意識にやってる天才がいます
女性側は誰かと比較することで夫や彼氏を叱咤激励しているつもりなんですが、男性側からすれば自分への嘲りや非難のようにも感じられるのです。
女性からすれば当たり前のことを言っているつもりなので「なんであんたはグジグジしてるのよ!」「なんで本当のことを言ったら怒るの!」という争いになります。
なぜか変に異性にモテる人はね。そういった言動は行いません。上手な対応を無意識に行います。
瞬間的に表情とか感情が読めるんでしょうね。相手がどういった相づちを打って欲しいのかを過去の経験とか皮膚感覚で読み取り、先回りして事を荒立てないようにします。
複雑な形をしたジグソーパズルを。見た瞬間に一発ではめ込むようなものですね。
男性側なら自分は聞き上手になります。「自分から先に」はっきりとした方向性とか解答はあえて示さない。「うんうん」「そうか」「大変だったね」と当たり障りのない会話をしながら徐々に同調(した振り)をして女性側の本音を聞き出します。
相手の意思の確認作業が終わるまでは、自分から具体的な提案とか提示はしないのです。
上手な女性なら男性を褒めます。それも具体的に「○○の部分」が素敵だとか最高だったと言います。話がよくわからないとか違うと思っていても、強い抵抗や反発はしません。
ある部分ではわざと無知を装います。知っていても知らないフリをして男性に恥を掻かせません。特に人前ではそう振る舞います。
「あの部分は見ていて凄かった」「カッコよかった」などと、男性のセンスとか他の男性とは違う部分、仕事の内容とか趣味の部分を褒めるのです。
それは「あなたは私にとって特別な人なのよ」ということを強調すると同時に周囲に「この人は他の人よりも優れているの」とその女性が認めていることになります。
これが結構効きます(笑)。男性の自尊心をくすぐるんでしょうね。
自然にそういった対応がとりにくい女性からすると、むかつく言動なのかも知れませんが(笑)。属に言うぶりっこ、女性が言う「可愛い子ちゃんぶっている」とか「カマトトぶる」というのは、こういう女性のことを言うのでしょうね。
カマトトとは遊女や芸子が「蒲鉾(かまぼこ)」を食べた時に「このカマはトト(魚)で出来ているの?」と無知を装ったのを指します。そういった言葉が昔からあるということは、その手の方法が男性に有効なやり方だ、と言うことです。
そういった対応を行っておくと、別れたあとでしばらく時間が経過すると「ああ、あの子はいい感じだったなぁ」「また会いたいなぁ」という印象になるのです。
一緒にいる時に心地よかったから・・・。
おわかり戴けましたか?