正しい催眠誘導の方法 / 第二十五章

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緊張を解すために手のひらを開く

呼吸を整えた後「まず、手のひらを開く」(159ページ)

手のひら先に説明した通り人間は緊張すると「ギュッと手を固く」握っていることはよくあります。

緊張から前全身の筋肉や神経に情報が伝わってしまい、無意識のうちに力が入ってしまいます。

緊張しこわばる反応は、最初などに手とか足、首などに表れ易いのです。先に例として上げたことわざ、「手に汗握る」などは典型ですが、だから慣用句にまでなっています。

ここではそれを逆手にとって、自分から意図的に手の平を開きます。

緩めて軽く手を降ってみる。たったそれだけのことでも、なぜか緊張は急速に弱まるのです。

自分で試してみるとよくわかりますが、手の力を抜いた状態で何かに集中したり熱中することは人間にとって難しい作業になります。

肩凝りなどで悩む人も、どちらかといえば無意識に手とか肩に力が入っており、知らず知らずのうちに手を強く握っていることがあります。

普段から深呼吸をして「手を緩める」習慣を持てば、肩凝りなどの症状を和らげる効果がありますよ。

先ほどと同じ例として座禅などを取り上げると、お坊さんなどが座禅を組む場合は手の平を上に向け、手を軽く開いてから膝の辺りに軽く手をのせています。または丹田(たんでん)の辺りに上向きに組みますよ。

どのような宗派でも、手をギュッと握って座禅を組ませる所はないでしょう。

通常においては緊張を伴う作業や、集中する出来事に遭遇した場合には人は必ずといっていいほど手を握り締めています。力が入って手に汗を掻いている場合も多いものです。

ですから、それを意図的に緩めるためにこの動作を付け加えます。

1.椅子に座って背筋を延ばし、その上で顎を軽く引いて手の平を開きます

2.太股に手の平を「上」に向けて、軽く乗せます

手を握り締めないことで腕全体の力を抜くことができるようになります。

その上で「手を開くと緊張が解けて気持ちがゆったりとする」ように心がけ、意識してみてください。

それらが習慣として身につき、常に姿勢として安定すれば自然と緊張が緩みます。