正しい催眠誘導の方法 / 第二十二章

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環境設定とトランスの起こるシステム 正しい催眠誘導の方法

ZONE現象(タキサイキア現象)については別で解説を(140ページ)

女性ランナー極限状態におかれると人間は目や身体を通して得た刺激が視床下部(しょうかしょうぶ)といわれる部分からA10と呼ばれる神経を通って前頭葉に届きます。

この際、脳はドパーミンといわれる脳内物質を大量作り出します。すると、多幸感を感じたり幻覚を見ることになるのです。

これも究めて催眠状態に近いといえます。厳密にいえば違う脳内ホルモン(βエンドルフィン)で深いトランスに至る場合もあるのですが、初期状態ならば、まったく同じといってもいいでしょう。

マラソンやジョギングを止められなくなった方などに「ランナーズハイ」という現象が起こるといわれますが、別名はトレーニングハイとも言います。

私は自主トレもやってました。面白いのはスクワットでもトランスは起こりますよ?

一日に1000回程度のスクワットを行ったのですが。最初はスローペースで50分ほどかかっていたものをスピードアップします。

仕事とか他の要件があったのでトレーニングに割く時間がなったというだけでしたが、限界まで速度を上げることで思わぬ副産物がありました。

30分を切った辺りから意識が無くなるんですね(笑)。それもまったく苦しくも辛くもない。全てがスローモーションのようになります。腕立て伏せでも似たことは起こります。

これはおそらく、危機回避のために備わった人間の能力の余波でしょうね。

死にかけたり大きな事故の遭った人が「走馬灯を見た」といった表現をします。命の危険から回避するための命令をいつもどおりに指示していたのでは間に合わなくなってしまいます。

ですから緊急通報を「別の手段」を使って送ります。

この緊急通報のシステムは基本的には常時、開かれることはありません。ですので本来は自分の意思でも開けないし使えないのです。

常習化してしまうとピンチの時に使えませんから。いわばオオカミ少年のようなもので常日頃から「狼が来た!」との警告を受けると常習化して慣れてしまいます。

事故とか緊急時に非常用の信号、脳内ホルモンを飛ばして「時空を」超えます。

脳から手足への信号にはタイムラグがあって「コチラに猛スピードで突進してくる車や落ちてくる鉄骨」は避けられないのです。命の危険に脳が最後の賭けとして猛毒を送ります。

通常の動作信号、脳からの司令を貨物列車とするならドーパミン緊急司令は超特急、リニアモーターカーのようなものでしょうね。

その猛毒、強烈な脳内ホルモンで「避けんかいボケ!」「死んでまうぞ!」とお尻を蹴っ飛ばすようなものでしょうか?

既(すんで)の所で身をかわしたり、立ち止まる事ができて助かる人がいて。「まるでスローモーションのようだった」「走馬灯をみた」と表現するのでしょう。そのまま死んでしまった人は大量の脳内ホルモンの影響で、痛みを感じていないかも知れないですね。

ZONE現象(タキサイキア現象)が一部の優れたアスリートとか競技者、棋士などにしか現れないのは、彼らが「死のギリギリ」まで自分を追いかけた経験があるからでしょう。

限界ギリギリに追い込んで単純運動でペースを作るとトランスとかゾーンに近い状況を再現できます。私の推測では単に追い込んだだけではなく、呼吸法とリズム、本人の「無意識への働きかけ」がトランス状態の鍵ではないか? と思います。

ですが、ここではそのような特殊な内容は省きます。

出し惜しみしているのではなく、そのような方法はとても危険を伴いますし万人向けではないから。付き添いはあったほうがいいですし、一人で行うことは難しくなるからです。

このテキストを読んだ方が、そっくりそのまま実践して死んでしまったのでは困りますから・・・。またZONE現象(タキサイキア現象)は万能ではなく副作用のようなものもあります。そういったものに触れている専門書は殆どないでしょう。

少なくとも初心者向きの解説ではありません。ですので、またの機会とします。

ZONE(ゾーン)集中力の世界
2018/12/20改訂 2002/08/28初稿 故、ジャック・マイヨール氏に捧ぐ 以前にあるテレビ番組の依頼を受け、収録に行ってきました。 久しぶりの収録です。依頼の内容は「スポーツ選手のメンタルトレーニングと強化」です。...

上記内にもZONEに関する詳しい説明はありません。安全面を考えて新しく書いている小説の中でフィクションとして解説を付け加えています。

自己催眠を初めて行う環境は安心して深化できる、落ち着いた状況を設定しましょう。

せっかくですので次のコーナーで、催眠と睡眠の違いについて軽く触れておきます。

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