正しい催眠誘導の方法 / 第十三章

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意識を集中させて視線を誘導する

凝視法の手順(64〜67ページ)

凝視法を行う時の語りかけ方と参考例(64ページ)

左向き凝視法を行うにあたり必要な手順を参考写真を用いて解説します。今回は「指のくっつき反応テスト」の後で行うと捉え、椅子を用いての誘導を行います。

1. 被験者を椅子に座らせ、深呼吸させます

誘導に用いる椅子はどんな物でも構いませんが、できれば最初のうちは少しクッションが固い物をご用意ください。

柔らかい椅子だと被験者の反応を見逃す可能性が出てきます。被験者の微妙な動きをクッションが吸収してしまい、他の動きと見分けがつかなくなるのです。

「指のくっつき反応テスト」で行ったように、被験者に施術者の手の動きに合わせて深呼吸をさせてください。自分も呼吸を合わせ「ミラーリング」を心がけてください。

椅子に座って指先をみる

2. 背筋を伸ばし、視線を一点に集中させます

被験者の背筋を伸ばさせ、視線を施術者の指先に集中させます。

催眠誘導において大切なことは、被験者の意識を集中させてこちらが主導権を握って「誘導」を行うことです。誘い、導く(みちびく)と書いて誘導で催眠は「術」とは言わず催眠誘導が正式な名称です。

意識の集中が起こらないと筋反射はおろか、視野の狭窄(せばまること)も起こりませんし、意識の喪失や自意識から遠ざかることもありません。

施術側の言葉「指示や暗示」を集中して聞かせることがポイントになります。

催眠「術」(催眠誘導)が頭のいい人のほうがかかりやすいと言われる理由です。その理由を曲解した一部の施術者が「馬鹿だからかからない」などと言い出したのが間違いです。

言葉で誘導を行うのでイメージが想起しやすい、頭の回転が早く集中力が高い、感受性が豊かな人のほうが「催眠がかけやすい」というのが真相です。

かからない人を馬鹿にしたり、かからない奴が悪いと決めつける施術者は3流ですよ。