正しい催眠誘導の方法 / 第三十章

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施術者と被験者双方の安全のために

「便利」であることの危険(185ページ)

人間は一旦、便利だと思うものを手に入れると、なかなか手放しません。それがどんなに危険なものを含んでいてもです。

生活の中に便利なものは沢山あります。車や電気製品、パソコンやスマホ、携帯電話など、数え上げればきりがありません。ただ、その様々な「道具」の中には、同じ数だけの危険が隠れている場合があるのです。

スマホでは盗撮とかデジタル万引きという問題もありますし。自動車やバイクなどは少しスピードを出せば簡単に凶器に変わってしまいます。

一見、安全に思える家電製品のクーラーや冷蔵庫などでもフロンガスなどの問題などが取り沙汰され、将来的にはかなりの危険性をはらんでいるといわれます。フロンガスの使用を禁じたものの、アフリカや中国などの新興国はそれに従おうとしませんよ。

非常に便利な道具である携帯電話やパソコンなども同様です。そこから出る電磁波は人体にかなりの悪影響を及ぼすのでは? ともいわれています。人間は便利さを受容するうち、知らず知らずの内に生じる多少の危険性については目を瞑るようになったのでしょうね。

地球温暖化が原発がと騒いでいる人が夏場にクーラーをかけっぱなしにして風邪を引いたり。節電すればそういった問題にも歯止めはかかるのでしょうが・・・。

便利な道具とか過ごしやすい環境は決して手放さないのに批判だけはします。

便利な道具や知識というのは「それがなければ死んでしまう」というようなものではありません。それがなければ「不便だな」と感じるだけなのです。

ですが、現代社会においてそれを忘れて一昔前の生活に戻ることは不可能になっています。

今になってスマホやネットのない生活、検索やエアコンの存在しない世界に戻れますか?

私は無理だと思います。

※以前はこのコーナに「子供の火遊びや放火、タバコの火の不始末による火災」について述べていました。最近は喫煙者が減ったことと防犯カメラの台数の増加で火災件数は減っているそうです。

振り込め詐欺とかなりすまし被害などでもそうですが・・・。ツールが発達して便利になった分だけそれを悪用して誰かを騙そうとか、金を奪おうとする連中も増えます。

漫画や書籍などの不法配信も増えています。

火災の例のように技術が発達したり、防犯カメラの普及、それをネット接続で監視できるようになったことで減った被害もあるのですが・・・。実際にはイタチごっこで便利になった分だけ被害が一気に拡大することもあります。

ここで私がわざわざ何をいいたいかというと、現代において便利な道具や知識というものはお金を出せば、ある程度までは何でも手に入るようになっている、ということなのです。

催眠なども便利な知識であり技術です。使い方によってはとても便利で有用な「道具」なのですが、実際、正しい利用方法や催眠の持つ本来の意味を曲解し、悪用したり、誤解している例も少なくありません。

危険性を承知の上で、それでも人間は便利さや役立つ道具を手放しません。

どうしても後戻りをすることが出来ないのです。だからこそ人間は進化をとげ、繁栄している訳でもあります。

催眠もご多分に漏れません。催眠を学びたくさんの人を催眠誘導してきた私だからこそいえることですが、残念ながら、催眠にも同じ危険性はあります。

以前に起こった宗教団体が引き起こした事件などは、皆さんもまだ覚えているでしょう。

マインドコントロールなどという言葉が盛んに使われ、催眠も一緒に考えられることが多かったのですが、そういった例は催眠や心理学の技術の悪用の典型的な例といえます。

残念なことながら、世の中にはたくさんの悪用例があります。便利なコミュニケーションの道具であるインターネットですら悪用を考える愚かな人はいます。

おかげで一般の利用者とか、真面目に使おうと考える人は多大な迷惑を被ります。

私が更新したホームページとかこのテキストも丸写ししたり自分が書いたかのように偽る例があって。初期の頃から盗用と嫌がらせに何年も苦しみました。父親が亡くなった時にまでそういった行為を繰り返します。

人の心理に付け入り、悪意を持って利用しようと考える宗教、商売、営利団体が多く存在することは社会の現実です。これを完全に取り締まることは不可能に近く、予防したり防止するためには正しい知識を持った人の育成しかないのです。

正しい知識を持ち、正しい利用方法を知る人達が大勢いることで、悪意を持つ人達の企みは見破られます。

むやみに怖がったり、崇めたりすると、悪意を持った人達の思う壷です。正しい知識の浸透こそが、犯罪を未然に防ぐために必要なことなのです。

賢明な読者ならすでにお気づきとは思いますが、ここで触れる禁止暗示とは、一部、悪用を考えようとする愚かな人達の姿とも重なります。こういった人達と同じような人間にならないよう注意が必要です。

最後に「禁止暗示」に触れる前にこのことを説明したのは、正しい知識を得ることでたくさんの人が危険を避けることができるからです。

怖がったり、嘘だと言い張って変に遠ざけた所で、いったん流出し始めた知識や便利な道具は決してなくなりはしません。

目を逸らさずに知っておく必要はありますよ。それを無視して放置した結果が洗脳騒動でいなくなったり、親族や家族が誰も知らないままに一人で亡くなっている人になります。

どんなに便利な道具でも使い方によっては周囲に人達や、場合によっては自分自身をも傷つけてしまう場合があります。

100均で売ってるライターや包丁一本でも人は傷つけられます。だからこそ、きちんと勉強する必要があるのです。

「禁止暗示」とは、相手の人格や環境を守るものです。それと同時に、施術者本人と依頼者を無用なトラブルからも救ってくれるものです。それを学んでおくことは洗脳者から家族や友人を守ることにも繋がります。

とても大切なことですから、しっかりと覚えてください。