正しい催眠誘導の方法 / 第二十七章

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自己催眠でも階段はイメージし易い

他者催眠で学んだ方法を使って深化させる(172ページ)

目標のために熱心に自己催眠に取り組むとその「おまけ」として、自意識が遠ざかったり意識がなくなる場合もある、と考えてください。

自己催眠における深化も基本的には他者催眠と同じ方法で構いません。頭に浮かんだイメージを使用します。

よく利用されるのは階段や風船などですが、今回は事前にトレーニングと準備で行った通り、初心者にもわかりやすい階段を使用します。

深化法の手順(76〜85ページ)を参照してください。

正しい催眠誘導の方法 / 第十五章
深化法の手順(76〜85ページ)身体を揺らしながら力を抜いてゆく(76ページ)イメージトレーニング(78ページ)階段をイメージする(79ページ)他にもあるイメージ法(81ページ)電車のイメージを用いる(82ページ)テンポを上げ、駅を加速して...

眠れない時に行うポ方法として「羊の数を数える」などがありますね。

日本人ではあの方法では眠れる人と眠れない人が多いと思います。

知らない人が多いのでしょうが、原型は催眠術だとも言われていまして(笑)。

2つの浮いた風船羊が一匹というカウント方法は英文だと「one sheep, two sheep, three sheep」になるのですが・・・。

この「sleep(スリープ)という言葉、発音がSheep(シープ、羊)と似ているんですよ。

日本語だとまったく通じないでしょうね。

これはそのまま催眠術のカウント、階段を降りる時の「ten sleep」(十段降りたら眠れ)にそっくりです。

日本では羊なんてのは普段の生活にいないですよ(笑)。目にする機会が少ないのです。まだ犬か猫などのほうがわかりやすいでしょう。

sleep(スリープ)とsheep(シープ)がよく似通った言葉で錯覚させやすい。催眠「術」でも眠らせる時は数をカウントしますよ? 階段を思い浮かべる所が風船になったり羊に変化するだけですね。

牧畜や畜産が多い地域なら子供の頃から比較的慣れ親しんでもいます。この知識そのものが、元々は海外から入ってきたものなので。普段の生活にないものをはっきり思い浮かべろ、というのが土台、無理な話なのです。

私が誘導に風船や階段のイメージ、公園のボートなどを用いるのはそれが生活にある物だからです。他者催眠で解説に用いた電車も同じです。被験者(自分自身)にとって思い描きやすいメージを用いて深化させて行きましょう。

今回は階段が下向きに伸びている、といった方法を使います。

自己催眠で深化を行う場合は、他者催眠で用いるよりもスローペースで行ってください。

他者催眠と違い自分のペースで行えます。できる限り明確なイメージをどんなに時間がかかってもいいですから、準備段階で作っておいてください。

階段を下に向かって降ります。階段を降りると催眠に入る、と強く意識するようにします。

「私は階段を十段降りる」

「十段降り終わったら深い催眠に入って、気持ち良くリラックスする」

と、いったイメージを用います。

頭の中で階段を一段ずつ踏み締めるようにしてゆっくりと降りていきます。他者催眠で利用したイメージ(深化法の解説、79ページ参照)も参考にしてください。

何度か自己催眠を行うと頭の中に階段を思い浮かべるだけで「私はこれから自己催眠に入るんだ」といった心の準備ができるようになります。

イメージを固定化することで導入にかかる時間が短縮され、数回の深呼吸で速やかに移行することができるようになります。

自己催眠の場合、私は「一番下の階段を降りると、そこにドアがある」といったイメージをよく使います。

「階段を一番下まで降りいって、そこにあった最後のドアを開ける」

「向こうに入ると深い催眠状態になる」

といったイメージを用いるようにしています。

元になるイメージさえしっかりできていれば「階段を降りる」だけでも深化は起こりますが、私は意識を変化させる「きっかけ」を作るために、そこから更にドアを用いるように指導しています。

ここまでで最初に設定したタイムレコーダーの50%を消化しました。

階段を降り終わって催眠(トランス)状態に入ったら、願望や目的をかなえるために具体的な「暗示」潜在意識への働きかけに入ります。

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