プラシーボ効果もプラスしてしまう(129ページ)
実は、ダイエットに水を用いるのにはもう一つ、理由があります。
身体に害がないものを催眠で違った意味を持たせて用いると、一種の「プラシーボ」に近い反応が得られます。
プラシボ、プラセボともいいますが「偽薬効果」として一般には知られているものです。
その効力はかなりのものがあります。
被験者が飲むのは「ただの水」ですが、催眠中は水でも力を持ちます。
プラシーボ、とは直訳すれば偽物(ニセ薬)といった意味ですが、その名の通り偽物の薬の筈なのに効き目を現すことがあるのです。プラシーボについては世界各国の医療機関で検証が行われています。
これについてまさかまったく知らないとか、完全に否定する医療関係者はいないでしょう。
医者から「これは便秘の解消や食欲の抑制に効く薬だ」といって与えられれば、何の薬効もない筈の糖衣錠やビタミン剤であっても、本当に効力を発揮する場合があります。
驚くことにその効力、偽薬が効く確率が4割近くもあるケースがあって。新薬の開発ではプラシーボ効果を上回ることが認可における壁ともなっています。
今回のケースではそれを利用し「普通の水」を与える時に爽快感や満足感を強化した暗示を用いていることになります。
4.複数の指示を用いて目標設定を暗示として行う
「あなたは毎日、きちんとお水を飲み、美味しく食事をします」
「よく噛んで味わえるようになります」
「便秘は解消し、肌荒れが収まって体調は良くなります」
「たくさん食べる必要がなくなり一ヵ月後には3キロの減量に成功します」
最後に目的意識を設定した際に決めた「何ヵ月で何キロ痩せる」という目標を達成するための暗示を行います。
目指す目標は一つなのですが、複数の暗示を「順番に」用い、被験者に不自然さや我慢、苦痛を感じないように誘導していきます。
他の解説書で行われているような、もっと単純な暗示、例えば「一ヵ月で何キロ痩せる!」といった方法でも、効果が得られる場合がありますが、そのような方法では元に戻る可能性も高く、また自己催眠などで自分一人でダイエットにはむかないでしょう。ですので私個人としては推奨はしません。
何ヶ月後に何キロ、という設定をここで入れておきます。その後、ご褒美というか、目標がかなった時に得られる報酬を支払っておきます。
5.ダイエット成功後に得られる未来を教える
「一ヵ月後には憧れていた水着が着れます」
「お気に入りの服がまた着られるようになったことに気がつきます」
「その服を着てデートしたり、街を歩く事を考えるとワクワクします」
「そう思うと食事の前にお水を飲む事が、とても幸せな感じがします」
「浴感で食べ少しも辛くありません」
「だから、あなたの目標に向かってがんばりましょう」
他には
「付合っている彼氏が綺麗になったね、と誉めてくれる」
なども使ったことがあります。それは依頼者の彼氏も一緒に施術に来ていましたのでご協力をお願いしました。
あなたの努力が報われる日があるのだ、といった感覚を最後に強化し、終わりにします。