通りがかりの人に催眠はかかるのか?

2017/11/30改訂
1998/11/23初稿

個人では実現できない実験、検証

この企画は1998年の11月23日にテレビ番組の企画(TBS系列、ワンダフル)で行った物です。

この記述は撮影日記としてトップページに置いていました。リニューアル(2017年11月)に合わせて加筆修正してあります。

いくら仕事で催眠やカウンセリングをやっているとはいえ、いきなり通りがかりの人に一方的に勝手に催眠をかける訳にもいきません(笑)。

普段はやってませんから誤解しないで下さいね。

この実験は番組やテレビ局の依頼、周囲の協力があってこそ、なし得た実験です。

そういった内容については、以前から興味はあったんですけどね。はっきり言えば私は誘導に成功する自信もありました。

なぜなら当時の私はすでにあちこちに出かけては難しい誘導に成功していたからです。武者修行のように全国各地に出かけていました(笑)。向こうっ気が強く、技術に自惚れがあった私はどんな場所に出かけるのも厭わず、難しい施術とか誘導の依頼があるとむしろファイトが沸いたものです。

繁華街のイベントとかキャバクラ店、やカラオケがガンガン鳴っているお店で何度も成功しました。

とはいえ、公共の放送局でカメラがまわっている状態、まったく事前の準備がない状況で通り掛かりに催眠誘導を行った経験はない。

収録は一発勝負ですからね。どんなに「過去には成功した!」と言い張ってもその場で失敗すれば評価されないのです。

幸いにも「催眠の番組を撮りたい」という連絡をある局から貰いました。私以外にも何人か先生を呼んだらしいのですが、希望に合う先生がいなかったのか内容が難しいのできっぱり断られたらしい(笑)。

※この辺りについては著作「催眠術師のひとりごと」で詳しく書いています。1999年6月に大阪の出版社から刊行していましたが、経営者が変わっています。

前の経営者が「一円も」私に印税や原稿料を支払ってくれなかったので現在は廃刊にしています(笑)。

新作を幾つか書いているので旧冊子やテキストも電子書籍化するつもりです。

著書でも書きましたが連絡を貰ったのは電子メールです。当時、催眠のホームページは珍しかったんですよ。絶対数が不足している上に文章で解説をやってるページは殆ど無かった。

で、私のホームページに書かれている1コーナーの内容に目を付け「この先生だったら呼んでみても面白いんじゃないか?」と思ったAD(企画当初は駆け出しでしたが、今はどうなっているでしょうね?)がいた訳です。

業界の裏側とか事情は知っていたんですが

連絡を受けた時、多少迷ったんですけどね。私は以前の仕事でマスコミ関係者と何度も会ってますし打ち合わせもやっています。

週刊誌や地方局、芸能事務所にも知り合いが多かったせいで色々と裏側を知っています。

どちらかというと仕事を依頼する側で。スポンサー側に近い形で過去に関わりを持ったことがありました。ですから、あまりテレビ局とか番組に良い印象を持っていませんでした。

また、催眠などは内容が特殊ですからね、やはりどうしても現象の一部分だけを捉えて興味本意な内容になりがちなのです。依頼や相談の看板を掲げる手前、テレビ番組から依頼を受けたからといってすぐに嬉しそうに飛びつく訳にもいかないですしね。

ただ、その番組は深夜番組なのにお色気禁止でした(笑)。ヌードどころか水着もあまりなかった。

釈由美子さんなどを輩出した「ワンダフル」って番組でした。TBS系列で1997年9月29日から2002年9月26日まで放送されていた生放送の深夜番組で深夜なのに週5日の帯番組。

当時としてはかなり珍しかったんですよ。エッチな内容ばかりやってる深夜番組とは一線を画します。深夜の情報番組というかワンギャルという女の子達が中心メンバーでした。

これがね。関西ではネット局の関係で流れてなかったんです。関西ローカルの独自番組が強くて。自分では一度も見たことのない番組から出演依頼が来たわけで。

迷いはしましたが、取りあえず電話して話を伺ってみることにしました。

当時(1997年から1998年にかけて)はネットの黎明期です。パソコン通信などからなるいわゆる掲示板のシステムからやっと個人がホームページを持てる時代に入ったばかり。

今のようにブロードバンドとかWi-Fi、常時接続などは夢の世界です。私も電話回線でやってました。アナログモデムを繋いでアクセスポイントに電話をかけてやっと更新やメールの受信が出来た時代です。

インターネットで「ネットサーフィン」などという言葉が出来たのもこの頃ですが、料金の問題もあってかネットを時間を気にせず使うことが出来たのはテレビ局くらいでしょうね。

スマホで気軽に接続できる今とはかなり違います。

ともかく電話料金が高かった。ネットカフェも存在しません。ウチはMacでホームページを作って更新していましたが、Windowsのシェアが低かった時代でAdobeがIllustratorやPhotoshopを開発して印刷用に提供していた時代ですね。

パソコンやソフトはどれも高くて買うのにとても苦労しました。

解説書も少なかった。プロバイダ費用もかかります。大手プロバイダがやってるサービスとかレンタルサーバーは高すぎて。聞いたこともない無名のサーバーを当時としては格安で借りました。個人でそこまでやってる人は珍ししかったんですよ。

ですが私の行ってる仕事、つまり「催眠」という特殊な事情がホームページの開設に踏み切らせました。偏見や錯覚も多く、地域情報誌とか雑誌、新聞などには一切広告が載せられませんでしたので。

ミニコミ誌はおろか、電話帳にすら載せることができなかったので。

結局は「腕試し」に行った(笑)

これは自分の著書でも書いた過去の内容とも重複してしまいますが・・・。

私は「腕試し」に行ったんですよ。

ホームページの絶対数、催眠に関する情報をきちんと載せているサイトがかなり少なかったので、遠方でもテレビ番組が目を付けたんでしょうね。

電話してみると交通費も出演料は「出ない」と言われた(笑)。

悪い予感がぴったり的中。要するに自腹ですよ。

東京キー局の周辺で片っ端から声をかけてみたものの、適当な先生がいないので、安く使えそうな人を郊外(当時の私の住まいは大阪)から呼び寄せようと考えたのでしょう。

仕事を休んで伺うのに交通費も「自分で負担しろ」と言われ、舐められたもんだと思いました。

それでも交渉はしました。私は元々セールスや販売業、接客業をメインでやってきた人間ですから・・・。交渉事は慣れたモンです。

仕事において怒ったり切れたりすればお終い。

営業の世界ならそこそこ名前も売ったし実績もあったのですが、この世界(催眠やカウンセリング、インターネット、テレビ業界)では新参者でしたからね。

どこかで名前を売る必要も誰かに知ってもらう必要もあった。

それ以上に興味があったのは「自分の持っている技術がどのレベルにあるのか?」です。

催眠術の世界大会って聞かないでしょ? 全国大会ってのもない。心理学や催眠が特殊なのはわかるのですが、腕試しやったりする場所や他の誰かと比較する術がない。

1997年にもすでに私以外の催眠術師? なるものが数人はいて、連中もホームページは持っていましたが、聞いたことのない称号とか会員の数だとか自慢話ばかりが羅列されています。

私の頭にあったのは番組を利用した腕試しです。自分の磨いた技術がどこまで通用するのかどこかで試して見たかった。公共の電波とかテレビ番組なら誤魔化しは効かないが実力の実証にはなる。それには一度、どこかの収録に参加してみるしかありません。

後でADの方に聞いたんですが、テスト(腕試し)がある、というと大方の先生が「失礼な!」と怒ったり「そんな必要はない!」と断って帰っていったそうです。

私だけが「いいですよ。どこに行ってもそんなモンです。まず私の腕を試してみて、納得がいったら依頼して下さい。駄目なら駄目でいいですよ」と平気だったので、やたら印象に残ったそうで(笑)。

「交通費だけは出して下さい。仕事休んで行きますからね」とも言ったんですけどね。

担当ADはそこの部分は覚えてないようでした。

職人には独特の感性、感覚や経験、「勘」がある

ある意味、これは嘘ではありません。

その後もあちこちの番組に出ました。取材も講演(公演も含む)も受けた。あちこちの場所にいってプレッシャー受けながら実演をやるとかかりやすい人を見分ける方法も出て来ます。

私の経験上で言えばかかる人はみればわかります。

面白いのはね、飲みに行ったり遊びに行って催眠を行う場合にも、私は催眠にかかりにくそうな人は無意識に避けてしまうのです。

私は実演ではかかり易い人ばかり上手に選びます(笑)。自分の気分がノッてる時は、そういった勘がまったく外れません。よく人(特に催眠を聞き齧ったりやってた人、他の先生と収録したスタッフ)に驚かれたのですが、私からすればそんなに違和感はなかったのですよ。

勘といえば勘の部分があるのは否めませんが、これまでの経験とか、誘導の回数による裏打ちがありますからそんなに外れない物なんですよ。

これまでに誘導に成功した例、失敗した例、当時の体調や自分の感覚などで気になったものは全てパターンとして書き起こして分類し、データーとして残してあります。

二、三日寝てない状況など流石に体調が悪く集中力が続かなくなります。ホームページの更新作業やメールへの受け答えなどで時間がないこともあるのです。風邪をひいて高熱があったり、体調不良で入院する直前などはやっぱり読み違える場合もあります。

また無理な内容を急にやれといわれて気分がノッていない時とか、異様に緊張している時はうまくいきません。

経験と共に多少、自身の体調が悪くとも誤魔化す方法やそれでも失敗しない方法も見つけましたけどね(笑)。

やっぱり一種の職人芸の部分がありますから。職人は職人らしく経験や知識、技術に則って製品を仕上げ納めようとします。ところがその職人の意見とか経験をまってく受け入れてくれない方々もいる。

そういった場合は無理です。催眠においても「絶対に除けない」手順はあります。クライアント(依頼者やスポンサー)だからと無理難題ばかりが並べばうまくはいきません。やはり現場が誤解していると実演は難しくなります。

ただし、ある程度の部分まで私に任せてもらえるならかなりの確率でわかります。

「通りがかりの人でも(かかるかどうかは)見ればわかるんです」

お会いした当日、ディレクターやプロデューサーは私がそういった瞬間に「ホーウ!」といったきり、絶句していました(笑)。

そんなことを言ったのは私一人だったからでしょう。

後でわかったのですが、その番組は今までに何度も催眠の放送をやってるんですよ。過去に何人も催眠をやってる人の面接を行ったのに、その全ての人が「現場でいきなり催眠をかけるなど絶対に不可能です」といって帰ったんですよ。

そこには著名な催眠術師?とか、当時、他の番組で有名だった方も含まれます。

なのに私だけが更に踏み込んで「かかる人は見りゃわかるんだ!」といい切るんですから、おかしな話でしょう?

頭がおかしな奴が来たとでも思ったんじゃないですかね?

テレビ局には様々な売り込みがあります。どうしてもテレビに出たいとか有名になりたいとかお金儲けがちらつく場合は誇大広告もありますよ。売り込む側からすれば必死ですでので出来もしないことを出来ると言い張って、出演機会を得ようとする例はあります。

私にしても賭けは賭けです。やれば成功する自信はありましたが、今までにそのようなこと(通り掛かりの人にいきなるかける)をやった経験はありませんでした。

面白いからやってみたかった

あれば犯罪ですよ(笑)。あれは番組収録だから可能になったのです。そこまで言わなきゃ誰も使わないんですよ。

ただしスポンサーに飲みに連れ歩かれての実演ならある。大阪京橋のガラの悪いキャバクラでガンガン音楽が鳴っている店で。女の子にも店員にもお客さんにもかけることに成功して。

喝采浴びて、おひねりまで戴いて帰ったことがあります。

私は当時、無名の新人だったのですから。技術がなきゃ馬鹿にされますよ。

テレビ番組が失敗を恐れるなら、すでにどこかで実績にある先生を用いるでしょう。

今になって色々振り返ってみると当時は異様でした。どこに行って誘導やっても殆どに成功していました。神戸のにぎやかなバーとか大阪の北新地の高級クラブとかショーパブとか、騒がしい場所うるさい場所、私がテキストに「催眠誘導は静かな場所、環境を整備しましょう!」と書いた正反対の場所で、わざわざ誘導を行い次々に成功していたのですから・・・。

明石で飲んでいる時に女性に「催眠をかけてくれ」と頼まれました。隣にいたヤクザにインチキだと脅かされて、その人にかけたこともあーる。

ネットで知り合って一緒に飲みに行ってた友人(お医者さんです)が先にヤクザに因縁つけられてしまったので・・・。関東から来た人で事情を知らなかったのでしょうが、場所は姫路です。

尼崎、西成などと並んで関西なら多少は危険な土地柄ですね。

友人には詳しく説明しませんでしたが、助けるために実演せざるを得なかった(笑)。

その時も見事に成功したんですよ。失敗するとは思っていなかった。

異常に感じるかもしれないですが、当時の私としては普通の感覚でした。

現場で何人に催眠がかかり、何人に深層誘導に成功するかは実際にやってみないとわからない。そう思っている先生も多いでしょうし、確かに事前誘導や予備催眠なしに成功するのは至難の技です。

かかりが浅くて被験者(この場合は出演者)のリアクションが弱い場合、向こう(番組側)からすれば、催眠にかかったことにはなりません。

「瞬間催眠はある!」「私には短時間で誘導ができる!」などとと言い張る自称、日本一の催眠術の大家、大先生はいっぱいいらっしゃるようですが、表に出て路上で誰かを捕まえ、カメラをまわしている状況で私と同じことを行った人は今のところいませんね。

単発の企画から番組内にレギュラーコーナー持った方も見つかりません。

私のようにフリーランスで所属事務所なし、生放送(スタジオで生放送、一発勝負でも成功しています)だと尚更、難しいでしょうね。

近年になって吉本興業の芸人さんから「私だって催眠術が出来る!」ってなぜかこちらを見下ろしたメールが届いたこともあるのですが(笑)。なぜ、テレビ番組に出て実演をしないのでしょう?

私より遥かに恵まれた立場にいて大手芸能プロダクションの後ろ盾があるんでしょうに? メールを送る暇があるならぜひ、そちらでご活躍を。

イベント会場で成功してガンガン、有名になってください。

実績のない会社とか個人に依頼する理由は?

通常そこまでの深さ、つまり、被験者にはっきりとした反応や行動を示すような催眠の場合にはかなりの時間を要します。

巷にあるたいていの指導書にもそう書かれていますよ。私自身、テキストやビデオではそう解説することもある。乗り越える方法は様々にありますが初心者向きでないことは確かですね。

番組は視聴率のアップにためにインパクトのある映像を欲しがっていました。今までとは異なる情報や技術を求めているのですから、やはりハッキリとした反応が求められます。

これも著書でも書きましたが、打ち合わせ(という名の面接)に行って見れば他にもね、すでに何人か催眠「術」の先生が呼ばれていました。

何人も呼んで面接は行っていたようです。私は全国区ではまったくの無名でした。その有名な人達と比べれば、当然、知名度や信頼では遥かに落ちるでしょう。

ですから、私はこれまで誰も成功していない内容にあえて挑戦したんですよ。

知名度をあげたいとか番組に出たいとか以前に、ともかく自分の技術に自惚れがあったんです(笑)。

確かに通りで見ず知らずの人、赤の他人にかけたことはないですがキャバクラとかお祭り会場だって知り合いなんていやしませんよ。私は四国育ちで高校まで関西にはいませんから。

得意先とかスポンサー絡みで失敗が許されない場所での実演をやったことがあります。仕事として専業にする前に噂聞きつけて訪れてくるんですよね。

おかしな自信が満ち溢れていて疑ったことがなかったのは。それまでにも厳しい環境で仕事したり生活したことがあったからかもしれないです。

食えない時代はありとあらゆるアルバイトや仕事をやってます。

4畳半一間に二段ベッドで8人が寝てるとかね(笑)。住み込みでタコ部屋も同然の肉体労働の飯場とかね。親が離婚してからは生活が楽だったことのほうが少なかった。

学生時代から飯もろくに食えない状態で我慢したり、新聞配達しながら身体を鍛え上げてた時期があったので、精神力はそこそこ鍛えられたと思います。

幾ら私は凄腕です、などと自分で煽った所で実証しなければ誰も信じません。自信があるならば他の人達が一度もやってない事に挑戦し、大勢の目の前で成功しなければ意味などなくなってしまいます。

誤解している人がいますが、普通に事前催眠をやって普通に催眠誘導を行うならそんな人幾らでもいますよ(笑)。誰かがすでにやった事をなぞったり、物まねするのは誰にだってできます。

事前催眠(予備催眠)の概念を最初に番組に持ち込み周囲に理解させた先生は偉いし凄いですが、それを知って、同じ方法を用いれば「私もテレビに出られる」程度に捉える人は、安易であると同時に非常に愚かだと私は思います。

だったらその先生にずっと依頼すればいいのです。

その先生が「出ない」とか引き受けなくなったのなら、それはそれでまた理由があると思いますよ?

実績重視で過去に取引や出演経験のない素人を使いたがらないのがテレビ局ですよ? なのに新人とか、過去に取引のない相手を選ぶとすればそこには何らかの必然、理由が存在しないといけません。

その方と「まったく同じ手法」をなぞるなら単なる劣化版ですね。

結局、コロンブスの卵と同じ(笑)。誰かのやった方法を見た後で「あれくらいなら俺にだってできる!」と言い出しても意味がない。誰も凄いとは思わないでしょう?

当然「過去に行われた方法」「同じ内容」でいいのなら、失敗の少ない実績のある先生に依頼します。他にはない何か特殊な才能や特異な部分を持っていないと、わざわざ新しい人間に依頼する必要などどこにもないんですよ。

誰しもが半信半疑でスタート

皆、半信半疑だったんでしょうね。担当ディレクターなどは「谷口さんが失敗したら失敗したで、そのまま放送しちゃっていいですか?」と聞いてきました。

「構いませんよ」と返事をしています。

望む所でした(笑)。当時は失うものなんてありませんから。

この仕事を始めて独立開業時には交際していた彼女とも揉めて別れた後です。付き合っていた女性ですら信用してはくれず、こんな仕事で食ってくのは絶対に無理だと言い放ってました。

生活が安定しないと判断したようであっさり別の男に鞍替えしました。まあこの女性は番組に出るようになった途端に、他人のフリしてメールを送りつけてくるのですが・・・。独特の言い回しや物言いというのは変わらないものなんですね。

ネットで仕事してるとこういうこともあるのかとガッカリしました。

当時は事務所を持っていてもお客さんが来ない。パソコンの使い方を解説書を読みながらやっと覚えた程度の頃です。

自身で運営しているホームページですら薄っぺらい内容で、頼るものとか、縋るものもまったくなかったんですよ。

あったのは根拠のない自惚れと自信だけです。どこかで思い切った勝負はやってみるしかない。

技術を高め、練習だけは誰よりもやったとの自負があった。苦しいし辛いし怖い思いもしましたが、それでも自分が習い覚え、賭けてみようと思った技術や経験に嘘や偽りや誤りなど無いとの強烈な自負だけが私を支えていました。

他の先生は実演のテストや環境設定の難しさ、プレッシャーに負けて逃げ出してしましたが、当時の私がその程度で引き下がる訳がないでしょう。

担当ディレクターとか番組側は失敗したら、おちゃらけの企画に摺り替えるつもりだったんでしょう(笑)。ルパン三世みたいな「真っ赤なシャツを着て来てくれ」などと言われて、現場でもめたくらいですから・・・。

流石にそれは勘弁してもらいましたが。

まあ、最初は仕方ないでしょう。お互いがお互いをまったく知らない状態なんですから。手探りでどこか接点とか折り合いをつけるしかありません。

私も疑心暗鬼で彼らを信用していません。彼らは彼らで私を信用はしていなかったでしょう。なんせ、お互いがまだ知り合ったばかりで一度も収録を行っていませんので。

海のものか山のモノかもわからないのです。

取りあえずその場は「大丈夫です。私にはできます」とだけ言い切って帰りました。

事前催眠や予備催眠は必要なのか?

この記述も懐かしいですね(笑)。今の若い世代には事前催眠(先生によっては予備催眠とも言います)という言葉すら忘れ去られつつあるでしょう。

特にテレビ局の現場などでは知らない人も増えたと思います。

現場でディレクターになっている世代は、すでに私よりもかなりの歳下でしょう。ですから知らなくても無理はない。

今から十数年も前にはそういった「催眠術を使った番組」も結構あったんです。

話を戻しますが、事前催眠や予備催眠が「絶対に必要か?」と言うとそうともいえません。

ショー催眠を行おう、イベントに参加しよう、収録で催眠を行おうと考える者にとって「事前催眠がいる」と思い込んでいる人は多数に上ります。過去には「事前催眠がないならばインチキだ!」と自らの著書でいい切る人も有名な先生には存在していたくらいです。

実際にはね、事前催眠がなくてもかかる場合は多いのですよ。ただし施術とか手順がちょっと難しくなるだけです(笑)。複雑な内容や入り組んだ指示は確かに難しくなるでしょう。

ですが、簡単な指示や暗示に関しては、延々と事前に時間を割く必要はないと思います。

反対に事前に催眠の時間をとり過ぎて失敗したこともある(笑)。この後に出演した番組(学校へ行こう!)などでは被験者に長々と説明したり反応を読むテストを繰り返したため、かえってかかりが悪くなったり、怖がられてディレクターに注意されたことまでありますよ。

「先生、説明すればするほど怖くなってる!」って。

これには参りました。

そういった経験をしてから、私は撮影や収録においても延々と時間を割きません。被験性は事前に割く時間の多さで極端にかわる物ではない、と思っているからです。

初心者によくある勘違いですが。被験者と長く話せば納得するとか相手が安心したり信頼(ラポール)が形成する、と考えるのは誤りです。

言葉とタイミングを選べば短時間でもかかる人はかかるんですよ。

ただし、誘導を行う時間は少ないよりもあった方がいいに決まっています。事前に多くの時間が準備として割けるならばそれにこしたことはありません。より複雑な反応や複雑な指示、何かをきっかけ(音、映像、タイミング)に動くようなやり方は、事前の埋め込み作業である程度まで結果が決まってしまいますから・・・。

残念ですが、一般の方が考える程テレビ番組ってそんなに時間も予算もないんです。深夜番組は特にそうですね。低予算なのに失敗して、撮り直しとかお蔵入りもできる限りは避けたいところです。

催眠を取り上げた番組において被験者を集団で集め、スタジオで決まった相手に催眠をかけるのは、それがもっとも失敗の少ない方法で効率がいいからです。

通常であれば現地で通り掛かりの人、しかもまったくの初対面で素人に催眠をかけ面白い映像を撮ろうなど、正気の沙汰ではありませんよ。どの先生も断ってくるのが当たり前です(笑)。

でもね、私はやってみたかったんですよね。自分の実力や技術がどの程度の物なのか、どうしても知りたかったから・・・。

なぜ、できたのか、成功したのか?

んなものは、考えたってわかる訳がない(笑)。

とりあえず、度胸だけは座っていた。気力と体力だけは充実していた頃ですね。当時なら刃物を向けられてもへっちゃらだったでしょう。

成功するとの自信、技術や知識への自惚れだけがあった。他のものなんてありゃしませんよ。当時、出演が決まって慌ててスーツを新調したくらいですから。

靴すら新しいものは持ってなかった。生活もギリギリだったんですよ。当初のギャラでは完全に赤字でした。

先にも少し触れましたが、開業当初、飲みに行った店で実演を行っていたらたまたま、隣に座っていたいわゆる「危なそうな職業の人」にからまれた経験は何度かありました。

その頃は大阪に住んでいましたからね(笑)。金はないのですがスポンサーになってくれた人が面白がって連れ歩いたのです。すると「兄ちゃん、インチキくさい事やっとるのー。ワシにかけて見んかい!」とやられる訳です。

もちろん赤の他人ですが誰かへの実演を見て向こうから絡んできます。

そりゃ、凄いプレッシャーですよ(笑)。

中には有名な組の関係者もいらっしゃいました。

「できません!」は通りません。「気分が乗らないから」も「今日は体調が悪い」も通りません。選択肢に存在しないのです。「今、ここで、すぐ、ワシに!」かけなければタダではおかんぞ、って雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。

恐いですよね?

それでも逃げた事なんてなかった。逃げなかったからこそ、お金も貰いましたし酒も驕ってもらったし名前も売れました。「何かトラブルがあったら頼ってこい!」と名刺も貰ったことがあります。

もちろん頼ったことは一度もないですけどね(笑)。

ああいった世界の人が出す名刺というのは一般社会とは意味が異なるので。よほど気に入られないと出してこないそうです。

これは相手が誰でも同じです。催眠術師(カウンセラー)が、相手によって態度を変えてはいけない。背景や肩書き、地位や金に頼ってはならない。これは私の決めた絶対的なルールです。

頼った瞬間に技術者として下手になったり、精神的に弱くなりますから。

誘導に成功した途端、相手が手の平を返すように態度が軟化して「この兄ーちゃんは本物やー! ビール奢ったれ!」といわれ、冷や汗をかきながら一緒に飲んだこともあります。

テレビ局の関係者とかも、こういった人達とあまり変わりないでしょう。数字を獲ったり、凄い現象を目の当たりにするとコロッと態度は変わります。

言っておきますが、今はもうそういった強引な実演はやりませんよ(笑)。実演中に周囲から絡まれても関わらないようにしています。

他の仕事とか生活でも失敗が許されない状況での挑戦は結構あったんです。別に催眠だけじゃなくて。顔が顔面神経痛で痙攣したり、頭が円形脱毛症にかかったこともあります。

家族や仕事仲間、恋人にもこれまで一度も告げたことはなかったですが・・・。常に平然としているように見えたと思いますよ? それがプライドってものでしょう。

売り上げが足りない、前年度実績に届かない、得意先が金持って逃げた、家族や親族の借金背負った、ココには書けないほどの驚くような大きなトラブルがあった等々、数え上げれば切りがない(笑)。

事故や怪我、親族の子供がいじめにあっただの、バブル期に飲食店の経営に携わっていた頃には私自身が脅迫にあったり、身柄攫われて殺されかかったなんてのもありました。

だーれも助けてくれなかったし、自分で切り抜けるしかなかった。

それに比べればこんなの楽勝ですよ。

ええい、いったれ!

確かに撮影にプレッシャーはあり成功するかどうかはわかりませんでしたが、別にそれでディレクターに殺される訳ではないでしょ?

少なくとも以前に経験した色々な事より気は楽かもしれません。

今になって振り返って私が(番組も含め)様々な場面において誘導に成功したのは、技術以前に単純に「度胸」や気力の問題でしょうね。

ほんの少しでも怖がったり嫌がると態度や表情ににじみます。

ロケの場所は渋谷になりました。

直前までロケの場所すらも教えてくれませんでしたよ。何か仕込むとでも疑われたのでしょうか? ロケバスに乗って、いきなり現地に行ってそのまま撮影です。

おまけにタイトルは「ゲリラ催眠」(笑)。

今なら放送禁止でしょう。テロなどの騒動が起きる以前でしたからまだ通ったのでしょうね。

オープニングを近くの公園で撮った後、渋谷の雑踏の中でロケのスタートです。バスを降りてすぐにカップルなどを掴まえ、その場で催眠をかけます。

事前の打ち合わせではロケバスの中に被験者を連れてきて、バスの中で催眠をかける約束だったんですけどね(笑)。渋谷は込み合いますからロケバスが道に横付けできなかった。バスのサイズも大きいですし、あいにくと警察が路駐の取り締まりやってました。

やり始めてわかったのは、「こりゃー、時間が足らんわ」です。

渋谷ってね、車の通りが多いから一箇所にずっと車止められません。不可能なんですよ。おまけにその日はたまたまクリントン(アメリカの大統領)が来日してまして、異様な警備体勢になっていました。

そのクリントンを呼んで会談をやったのがよりによって出演しているTBSです。ディレクターや関係者としても、そういった時期に警察とのトラブルは避けたい所でしょう。

車を一箇所に止めてられませんから、被験者を掴まえてもロケバスまで連れて行けない。時間がかかるのです。すぐにそれに気が付きました。

咄嗟(とっさ)に私はこう考えました。

「立ったままでやろう!」

無茶苦茶ですよ(笑)。普通は椅子くらいは用意する。最初はロケバスに連れ込んでの誘導、事前催眠やテストを行う予定でした。

無理に無理を重ねるとはこのことですね。ただでさえ難しいシュチェーションなのに、雑踏の中で立ったままで催眠誘導を行い、おまけに警備の警察官の目を盗んで撮影をやって騒ぎにならないうちに撮影してとっとと撤収しようって事です。

「ええい、いったれ!」

面倒くさいから。一々、考えてる暇なんてない。まあ私も営業やセールス、接客業の出身ですから現場ってのは色々あるものなんですよ。予定通りにスケジュールが進まないとか突発事故、相手の都合に振り回されるなんてことはよくあることです。

その場その場で考えて柔軟にやらないとできることなんてない。対人関係とか仕事ってのは生き物ですから。この状態ではできません、と突っ撥ねて帰ったとしても得るものなんてないでしょう?

どんな状況下でも「やってやれないことは無いだろ」ってのは成功した後だから言えるんですけどね。

私は殆どの職業の人の催眠かけた経験があるんですよね。先にあげた「危ない職業」の方だけではなく、格闘家、自衛官、警察官、検察官、裁判官、医者、タレントに自営業、学生に水商売、一部上場の会社社長はもちろん、女性、男性、年令を問わず、幅広く、誘導を行った経験があります。

歌手もありますしねー。あと経験がないのは、アナウンサーくらいかな?

立ったままで催眠をかけるってのをやったのは、さすがにこの時が最初です。

それでも催眠にはかかる

深化するんですよね(笑)その状況でも。誰もが「不可能だ!」と思う事が可能になった一瞬です。

その後、「それでも成功する」とわかってから、当たり前のように外でロケやったり講演(公演も含む)でかけるようになりました。

雪山で遭難しそうな状態でも夏場で汗がダラダラ流れる現場でも成功した。

皆が息を飲むのがわかり面白かった。私は多少、緊張はしてましたが、これは催眠をかける際にはいつも感じる程度のプレッシャーでしたね。

それも一組ではなく、全部で8組ほどの誘導に成功しました。

私にすれば掴まえたカップルの内のどちらかに催眠誘導に成功すればいいんです。成功の比率から考えれば、まだ気が楽だったんですが・・・。

そういった舞台裏にはスタッフは気がつきません。

催眠を解説する本においては「催眠誘導に成功し、深層催眠に移行するのは全体の15~20%に過ぎない」と書かれている物が殆どです。その言葉を信じるならば、催眠の成功率は良くて三割程度ですから、それから考えれば異様な確率の高さになります。

10組くらいを掴まえて、8組がかかるとすれば幾ら何でもおかしいと思うでしょ?

撮影中、ディレクターはホクホク顔をしていました。たぶん、珍しい映像が撮れたと経験的にわかったからでしょう。私も含め催眠が通り掛かりの人にかかるかどうか、良い映像が撮れるかどうかは、事前にはまったく確証がなかったんですから・・・。

一部種明かしをしますとね、私が直接被験者を見てかける相手を選んでいる所にミソがあります。

忙しいからといって、AD(アシスタントディレクター)に任せて無作為に被験者を集めると、成功率はガタッと落ちます。

急速催眠などに用いる特別な方法も用いていますが、被験者をどう選ぶか? が重要なポイントになります。被験者選びはどうしても自分でやらなければなりません。

経験が物を言う。一旦、表情変化や反応さえ起こればこっちのモンです。

番組を見ていない方もいらっしゃるでしょうからここで解説すると、何を聞かれても「ガッテンダ!」と返事をするようになったり、「アッ!」と言われて足下を指差されると犬のウンチを踏んでしまったように感じたり、彼女に手を振られると、本当は前に進みたいのにどんどん後ろに下がってしまうような暗示を行いました。

台本にあったものもありますけどね。現場でアドリブで決めたものもあります。

放送されなかったものにも面白い物があったんですけどね。シェーってポーズをとったり、カトちゃんペって相手に指をくっつけたり。

大胆にばっさりカットされていました(笑)。散々苦労したのに。

テレビカメラがあればかかる、のではない

結果だけから考えれば、通りがかりの人にいきなり何の説明もせずに催眠誘導を行っても「催眠にはかかる」と言えます。

流石にある程度、最低限の条件は必要になりますよ。よほど寒いとか風がビュービュー吹いているとか雨が降っているなどでは難しいでしょう。

ま、それでも過去に何度も成功はしているのですが・・・。

後になってウチのサイトにメールを送り付けてくる人で「あれは、テレビカメラがあったから催眠にかかったんだ!」と言い貼る愚かな人もいました。

それだけの理由で全ての人がしっかり催眠にかかるならば、他の先生が出演を断ったりしませんよ(笑)。カメラさえ背負っていれば、催眠術師には燦然(さんぜん)と後光が差すのでしょうから。

便利な話ですね。そういった主張をする人はマスコミを異様に崇拝、信奉していてカメラさえあったら、「相手がどんな事でもしてくれる」と本気で思い込んでいるのでしょう。

出演を断って帰った先生には催眠の世界ではかなり有名(だった)人も含まれます。求められている内容が難しいから引き受けない。

知名度があればそれが普通でしょうね。

催眠を使って自分が有名になりたくて仕方ない人がいっぱいいますよ? あちこちのホームページや掲示板をみればわかると思います。立派な煽り文句や素晴らしい? 肩書き、妙なリンクや所属団体が、所狭しと並べてあるホームページやブログがあるでしょ?

そういった人をこっそり遠くから眺めてみたり、面談してみると笑いますよ。たいていは派手なのは看板だけで中身はありませんから。会話すらきちんとできない人もたくさんいます。

自身では「催眠の実力者」だと誇りますが、会えば薄っぺらな人で「催眠が、催眠の、催眠で」と九官鳥のように同じ言葉ばかり繰り返す人もいます。

練習者や被験者に対し、催眠の話しかできない人はやはり二流でしょう(笑)。大学の教授や学校の先生でも同じです。

つまらない講義や授業になるのは「人物としての面白み、深み」がなくて話に「広がり」がないから。専門職で自分が関係することは深く知っていて当たり前ですが、それ以外にも人柄とか話術とか経験を含む「その人の厚み」が、とても重要になるのです。

雰囲気や表情、時には経験や年齢までを含めて、相手には印象として伝わります。

このサイトのセールスの話においても触れていますが、営業や販売、仕事において「出来る人」は上手に雑談を挟みます。

いわば自分の得意分野の話は小出しにして無関係な話が並ぶのです。たわいのない世間話をはさみながら徐々に自分のフィールド、得意な分野へと話を誘導し最後に決着を図ります。

相手の興味を反らさないためには起承転結(きしょうてんけつ)が話の流れには必要で、途中でどう話が転がっても「結びの部分」までを上手に行える人が話術巧者(わじゅつこうしゃ)と呼ばれます。

イタリアに催眠術強盗がいました(笑)

つまり、目的地にたどり着くために「あえて遠回り」をしたり違う道筋も辿るものです。

それが上手になった人が「話を端折る」(はしょる)つまり、時間や面談を短くする方法も見つけるものでしょう。

凄腕のように煽るホームページがいっぱいあります。なのに、何年も前に行った私と同程度のことがやれる人は殆どいないのはなぜですか?

誰でもやれるならば、もっと早く他局でもやるでしょうね。視聴率は獲れたのですから。学校へ行こうのコーナーなどは当時のレコードを記録しています。

もっとも多額の費用をかけて撮影した他のコーナーよりも低予算で数字が良すぎたためか、他のコーナーの出演者やディレクターから睨まれちゃって(笑)。よく悪口言われたもんです。

収録には直接参加してないまでも同じ番組を作ってる筈のスタッフや関係者)から「ヤラセだ」と決めつけられたり。タレントさん経由でその話を聞かされた時は凹みました。良い収録をしようと睡眠時間を削ってまで訪れてていても。利害関係が絡むとそんなものですよ。

私の行った方法を理解できる人は少数だと思います。わかるのは本物のプロだけでしょう。ちょっと見にはよくある手順に見えても、私には経験で培った技術や応用があります。

身体への触れ方、手の動かし方、話し掛け方やカウントのタイミング、間の取り方などにコツがあるんですよ。私としてもこれまで延々、遠回りや基本通りの手順も行ってきています。

アレンジとかショートカットだけやってきたのではないのです。その過程の中で端折るべき手順とか見逃すべきではない被験者の反応を調べ感覚として覚えています。

これは悪い例の一つですけどね。これから催眠を勉強する方のヒントの一つになれば幸いです。

イタリアに「催眠術強盗」と呼ばれた人がいました。レジの女の子に話しかけ「あなたは私にレジにあるお金を全て渡してしまう」と言って二十数件の犯行を重ねたそうです。

そんな馬鹿な!? って話でしょう。実話なんですよね、これが・・・。当時、新聞やテレビで大きく取り上げられましたから。

その強盗が捕まった理由がまたおもしろいんですが、たまたま、非番で店に買い物に来ていた警察官が、レジで何やらやっている男を見て不信に思い話し掛け、犯行が発覚して逮捕に至ったのです。

かかってる本人以外、影響ありませんからね(笑)。周囲から見てると不思議な光景だったでしょう。レジの前で堂々と現金を受け取って、そのまま立ち去ろうとする客がいるんですから。

目撃してそれに気が付いた警官も凄いですけど。

私は直接、現場を見てみたかったですね。そこには私が知らないテクニックや技術、心理誘導があったかもしれないですから。

その男も、そこまでの技術があるのならそれをもっと違う方向に活かせばいいのに・・・。もったいない話ですね。

瞬間催眠なんて無いって? 催眠には事前催眠が必ずいる? 誰がそう決めたのですか?

僕が出来ないから他の人もできない筈だって? なぜそうだと決めつけられるのですか?

ロシア(旧ソヴィエト)にも伝説的な催眠術師が居たのですが、その方はパスポートや旅券の代わりにその辺にある紙切れや葉っぱで、係員に暗示をかけてゲートを楽々と突破してみせたそうです(笑)。

人にはわからない能力や、まだ解明されていない技術は確かに存在するんですよ。催眠もその一つなのかも知れないですね。

催眠の利用方法や応用方法は様々に模索されていますが、それでも全てが解き明かされたわけではありません。

依頼されてもやりませんが、実現はしています

イタリア人に関してはその後の警察の取り調べではっきりしていますが、レジの女の子は全員、強盗とは初対面でした。

事前に会った事実はないんですよ。これをどう説明します?

このコーナーを読んだ方、催眠について多少は知っている方にお聞きします。事前催眠、予備催眠って必要ですか?

被害にあったお店も犯人の自供があるまで、なぜ、お金がなくなっているのかわからなかったそうです。

面白いのはイタリアだけではなく、海外では時折、この手の犯罪者が出る事ですね(笑)

私にもできるかもしれませんね。経験を積んだ今となっては、こういった人達が使った技法もだいたい推測できますから。

流石にこれはテレビ番組でもやりませんけどね。やれば犯罪になってしまう。私が思いついた手法は特殊だと思いますので。どこにも同種の記述は存在しません。

これについては架空世界、今後、自身の小説などで公開することにします。

番組から依頼されても受けませんよ。これを読んで依頼してこないように。おそらく見せれば最初こそ「スッゲー」と言われますけど、後々、面倒にしかならないでしょう。

「アイツはやるに違いない!」って? 「実演が大好きだから」って?

今でも誤解が多いんですから。勘弁して下さい。

もし、いつもそれをやってるなら私はもっとお金持ちでしょう(笑)。

私は「急速催眠や瞬間催眠はあるのではないか?」と思います。

催眠に関しては基礎知識になっているデータには古いものが多く、過去の遺物になっている物が数多くあります。特に「催眠の大家」などといわれる昔の人の本には弊害も多いですね(笑)。

ユングとかフロイトの話が大本ですが、彼ら自身もヨーロッパの田舎町でジプシーから習ったトランスの話が中心となってます。

百年以上も前の技術ですね。宗教儀式や占いに近く、そのままでは使えないでしょう。そこから知識を漁れば当然その著者と同じ結論にしか辿り着きません。

根っこが同じなのに違う実は成りませんよ。

イタリアで催眠術強盗になった人も高名な催眠術の大家などではありませんでした。強盗を働いたのなら、おそらくは金にも困っていたってことでしょう。例に出したロシアの催眠術師、あるいはアメリカに出現した催眠誘導の天才(彼はまったく言葉を使わず、握手だけで多数の催眠を行ったとされます)も、むしろ出自は低く貧しい出の者が多かったのです。

ヒトラーも過去には催眠や心理誘導を学んだとされています。彼は自信のない小男で失敗が多く、診療所に通っていて催眠に出会ったとも言われています。カウンセリングや催眠の施術も受けましたが、自身でも心理学や催眠を勉強もしたと言われています。

催眠においては大学で催眠や心理学を専攻したり、多くの専門書を読んだ人よりも、人と触れ合う機会が多く感受性の豊かな人間、過去に貧しさや苦しさに喘いだり耐えたことのある者のほうが誘導が巧いという特徴があります。

不思議な話でしょ?

彼らは名前と肩書き、「過去の遺物」で誘導に成功していたのではないんです。

本当の意味で誘導に必要なもの、大切なものは何?

だから「テレビ番組でカメラクルーを大勢連れていれば催眠に成功する!」は間違いです。

ラポールや権威づけを錯覚しやたらと威張り散らせば催眠には成功する、と思い込んでいる「大先生」に会うたびに私は閉口します。

それではあまりに意識が低い。ビジネスマンならわかるはずです。名刺にズラズラと経歴や肩書きを並べれば契約は全て成功しますか?

だったら東芝やSHARPは潰れなかったと思うんですが・・・。(2017年の記述です)

肩書きや地位、学閥をひけらかせばセールスの売り上げが飛躍的に伸びますか? 視聴率ならどうでしょう? 有名タレントを用いさえすれば安泰? CMに使えば商品は確実に売れますか?

であるならば、つまらない世界ですね。下克上やベンチャーは絶対に起こらないですから。

私はこう思います。

そういった見え透いた圧力、程度の低い権威づけ、名刺に並べられた肩書でも確かに「人間に対する多少の効果」はあります。ですがそれだけで相手を操ろうなどと考えるのはナンセンスです。

人間は言葉で感動するのです。人間だけが文字とか言葉という文化を持っています。文字の羅列、記号に過ぎない表記でも人の心を激しく揺さぶり動かすことができる。

犬やサルにはない。芸術の分野も文字の文化の延長線上にあるのでしょう。文字や図形、絵を描いて表現できる動物は、今のところ人類以外には存在していません。

それこそが人間の持つ能力であり、感受性であり表現力です。

時代を超えてゆく概念もある。イデオロギーもそうですし宗教や音楽もそう。他人を動かすのは「高圧的な態度」ではなく、受け取る側の心を動かす思い、作り手や伝え手が「願いを込める作業」だと考えています。

その内容、願い、思い、「感動」が、後世に伝わってゆく瞬間があります。

催眠に限らずどんな世界でも同じですが、車や物、肩書きや金、まして「マニュアル」だけで相手を縛り操ろうとする人は自然に物事の本質を見失います。

ふんぞり返って催眠がかかるなら、私も楽なんですけどね。

肩書きや経歴に頼れば、重要な相手の反応は見逃します。重要な情報が、相手の表情や雰囲気に現れるのはほんの一瞬なんですよ。

反応を見逃さないトレーニングを行い、経験を積むならば私の言うことは必ず理解できる筈です。

撮影終了後のスタッフの一言

ホームページをやってるとね、よく著作を出している先生やテレビに出ている先生と比べられました。

「あんたは間違っている!」って内容が初期の頃からよく届いたんですよ。おそらくですが、私のこともその先生? のことも知らない一般の人が、勝手に比較して悪口を書き綴ってくるのです。

彼の出演している番組を見たか、著書の何冊かを読んだだけでしょ? 現場の背景とかご本人の苦労とかまったく知りもしない。

不思議な感覚もしましたね。「あんたに催眠とか私の技術や経験の何がわかる?」との思いもあった。それでも当時は凹んだり腹が立った記憶はあります。

私の腕は本当にそういった「先生達」と比べて劣るのかどうか、やはり興味がありました。

自分では劣っているつもりは無い。それなりに勉強と練習を重ねます。難しいケースにも取り組みますし経験も増えます。ですが、他人にはそれがわかりません。

テレビ番組に出ていることが全てで正義だ、と思い込む人が社会にはまだまだ多いのが実情です。有名な占い師が言ってることは全て信用するとか、変なタレントもどきのおっさんが「前世が、スピリチュアルが」としつこく言っています。

前世など、私はこのホームページでも真っ向から否定している側です。

そういった連中が一言、番組で悪口を言った瞬間に真面目に働いている人が中傷されたり、苦労して開発した製品の売り上げがガタ落ちしたりもするんですよ。

私の考えや自分で得た知識、経験が果たして間違っているのかどうか? また、私の腕や能力は本当に「たいした技術ではないのかどうか?」を私は自分をあえて難しい状況の中において実証して見たかっただけですね。

いわば武者修行時代に近いですね。鼻っ柱が強かったんでしょう。

(これは著書にも書きましたが)この撮影に同行して戴いたカメラクルー、音声さん、カメラマン、照明さんが撮影終了後に私に一言、こう言って下さいました。

雪山でスキーロケに行った帰り道なんですけどね。物見遊山も兼ねてか裏方さんで照明とか音声さんの大御所、古くは初代引田天功のロケに参加したことのある方々が乗り合わせていました。

私はまったく知らなかったのですが、初代の引田天功さんは。移動中のロケバスの中でもずっと催眠術をかけて深化するように心がけていたそうで。被験者につきっきりだったそうです。

番組で放送されるのはほんの一部であって私は子供の頃にそれを見て錯覚しました。

「この人は一瞬で誰でも催眠術にかけられるんだ」と。

だから雪山ロケにもノコノコ出かけて行って。上から滑り降りてくるスキー客を捕まえて実演に臨んだわけなんですけどね(笑)。大御所陣は「まさか、成功するとは思わなかった」と言ってました。

その方々が最後に言った言葉です。

「今日は先生に、プロの仕事を見せて戴きました」

私はこの一言を誇りに思います。この言葉を聞かせて戴いただけで撮影に参加して良かったと思います。たぶん、何年経ってもこの言葉を忘れたりはしないでしょう。

今後の励みにします。

収録でお世話になった皆さんには、この場を借りてお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

※このコーナーの初稿は1998年に番組出演した時に書いた内容です。2017年のサーバー移転の際に読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1998年11月23日 初稿

2017年11月30日 加筆、修正

谷口信行

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