販売に応用してみると!?

2017/12/08改訂
1997/10/01初稿

私の必殺技、比較販売法(三点法)の秘密

トップページの「私の正体」の中にも書きましたが、私は元々セールスなどを専門に行ってきた側です。

それ以外にも各地で接客業や飲食店の経営にも携わってきました。

行った場所も多種多様ですよ。北陸、東北、東京、中部、関西一円、九州、沖縄まで詳しいのは一通り仕事で滞在していたから。何年も住んでた所もありますし、数週間とか数日の例もある。

中国もイタリアもシンガポールやマレーシアにも行ってます。不思議なことに全て仕事です。観光では一度も行った事がないですね。

日本全国、どこの地域にもかなり詳しいですよ。出張でよく行ったから。

私のホームページの記述が様々な分野や多岐に渡るのは、過去に行った仕事が様々でカバン一つでどこにでも平気で出かけて行ったので。カプセルホテルやビジネスホテルにも詳しいですし、野宿やキャンプも得意だったりして(笑)。

今の仕事になってからも出張は多いので尚更、全国に詳しくなりました。

私自身の性格は元々、無口でお客さんと話をする事がとても苦痛でしたね。私と直接会ったり講演会や練習会、収録で会った人には信じられないかも知れないですね。

男子高に近い学校を卒業したせいで女性が苦手だった時期もあります。クラスに女の子は2人しかいなかった。地方のいわゆる工業高校やヤンキー高校風の学校でしたので。元はキリスト教系の学校なんですが不登校の子供とか学校からドロップアウトして退学になった生徒の受け入れをやってました。

キリスト教系の概念で悩める子羊を助けるために受け入れ枠を広げたんでしょう。地方の私学としては珍しく当時から週休二日制でした。でないと学校に出てこないから(笑)。

両親も離婚してましたしね。女性と疎遠で母親とも不仲が続いていましたので何を話していいかわからない。関西で始めて営業の仕事をやった時、無口で「いかつい」(関西弁で怖いとか、ヤンキー風って意味です)兄ちゃんが営業に来たと揶揄されるくらい、相手としゃべれなかったんですよ。

今はそんな時期があったというのが嘘のように、立板に水でかなり流ちょうに話しますが(笑)。講演会や練習会、収録などでは一切の原稿無しで2,3時間は軽く話せます。

私にしても最初から会話が巧かった訳ではありません。自分自身が何百人も前にして数時間の講演を原稿無しでこなしたり、番組出演等を行うなどとはまったく思ってもみませんでした。

あがり症だったので人前に出ることが嫌いだったんですよ。学生の頃は発表会とか人前に出る機会があるとよく逃げ出したものでした。

最近はネットやスマホの普及もあってか対人恐怖症であったり、誰かとコミュニケーションをとるのが苦手な人が増えています。

心配ないですよ(笑)。私が良い実例です。治せるというか慣れる方法はいくらでもありますし。何事も必要に迫られれば自動的に巧くなったり出来るようになるものです。

色々な職種を経験して、様々な体験を積んで色々な人と話をする機会を得るうちに段々会話も巧くなって行きました。知識の幅が増えると同時に売り上げも急激に上昇して社会的な評価とか販売としての実績も身に付くようになりました。

途中からは相手先の心を先に読み、その人の感情の先回りすることで販売や接客を行ってきました。

おかげさまで、「売り上げ」で悩んだことはあまりありません。どういった職種、立場にあっても売り上げだけは順調で「あんたはどういった方法を使っているのか?」とよく聞かれたものでした。

普段は偉そうな百貨店、デパートの売り場関係者とか上司が顔を見に来たりね(笑)。

そうなってくれば現金なもので、苦手だった筈の接客業が好きになったり(笑)。自分なりに顧客や得意先の観察を重ね、人間の心理反応やマーケティングの勉強を徹底してやりました。

デパートには個性派ぞろい!?

すると更に売り上げは上昇しました。私が辞めて十数年(今はもっと経過してます)にも経つのに、まだ記録が塗り替えられない仕事や職種があるようです。

ネット通販が主体の時代になってきていますから。もうそのままで難しいのかも知れないですね。

販売業だけではなく水商売や視聴率(笑)でも記録持ってたりします。

ありがたいことに、あちこちから「戻ってこい」とは言われましたよ? 幸いなことに今は兄と一緒に自営業(有限会社)やっていますので、そのつもりはありません。

私が学んできたことのすべてをお話しする訳にはいきません。私の飯のタネ(笑)ですから。ただし、少しだけならここでお話ししようかと思います。

一時、私はデパートの外商部の方などと一緒に販売を行っていた時期があります。

簡単にだけ説明しておきますと、デパートの中にはよくお買い物をしてくれるお金持ちとか上得意客をリストにしてあり専門に斡旋する部門があります。いわゆる外商部という奴ですね。

上得意客に良い商品とか珍しい物が入った時には優先的に持って行きます。外商部が主催して上得意客だけを招くイベントや催し物も定期的に複数開催されています。

お客さん側も目は肥えています。いわゆる「売られ慣れ」している訳です。

大手デパート各社が外商部を使って毎日のように何かを持ち込む訳ですから競争は激化 しています。半端な知識とか付け焼き刃の商品、勢いだけの売り込みでは相手にされない。

宝石や絵画などに至っては販売員よりもよほど詳しいとか、徹底して勉強されている方もいます。

好きこそ物の上手なれ、という諺(ことわざ)もあります。好きな商品については皆、知識を漁るのです。自分が欲しいものだからこそ詳しくなる。

そういった顧客に商品を売るのは至難の技です。

デパートの中は個性派ぞろいです。それぞれが特有の販売方法や顧客を持ち売り上げを競っています。名物おばちゃんとか有名な販売員、特殊な才能を発揮する人もいます。

私が見ていて「面白いな」と感じたり「凄い!」と感じた販売員の話を紹介しておきます。

広島の方ですが、私や周囲の販売員が「ボソボソおじさん」と名付けていた方がいます。

こういっては何ですが、商売のやり方については割といいかげんな人です。ショーケース(売り場にあるガラスケースのことです)に鍵をかけて、長時間飯を喰いに行ったり・・・。

休憩なども気軽に取っています。売り場から離れることが多いんですよ(笑)。誰かに盗られたらどうするんだろう? とこっちが心配するくらい。

飄々としてるというか、とても熱心に販売をやってる方には思えません。確かにショーケースには商品(どちらかというと高額品)が並んでいますが、売り場に誰も残っていないのでは売れる筈がない。

そのブースだけ空っぽで時折、完全に販売員がいないのです。

なのに、売り上げだけは突出していました。イベントとか催しの後には、売り上げベストテンみたいな一覧がデパート側から配られます。メーカーごとの売り上げや販売員ごとの実績が一目瞭然なんですよ。売り上げ伝票が残りますから・・・。

その方は自分で商品を仕入れて売り場に並べる(いわゆるメーカーさん、プロパーという奴です)方法なのでデパートの社員ではありません。自営業の方ですから売り上げがないと完全な赤字になります。

知らない人が多いでしょうが、イベントの際に使うショーケースなどもレンタルなので経費がかかります。デパートの指定業者からお金を払って借り入れる形式になっていますので、売り上げが無ければメーカーの丸被りでデパートは一切の費用を持ってはくれないのです。

なのに、現場であまり熱心に売っているようには見えない。不思議でしょ?

(おかしいな〜)というのが正直な感想でした。

常識では考えられない、おかしな売れ方?

それはまだ、私が宝飾品を売り始めて間の無い頃です。先輩とか他の販売員から技術を学ぼうと色々な部分を参考にしていました。

その「奇妙な販売員」(?)を横からよく見ているとある特徴を発見しました。

その方の扱っていた商品は高額商品でした。その高額商品がガツン!ガツン!と時折売れてゆくんですよ。

まさにガツンッ!という表現がピッタリですね。時にはウン百万円という品物があっさり売れて行きます。長時間話し込んで売れた、というよりも立ち話のついでに高額商品が売れてゆくのです。

おどろくでしょ? 私も最初はビックリしました。

通常は外商部が行うようなイベントで高額商品を勧める場合、係員が側にべったりつきます。商談が進みそうになったら「まあ、お茶でもどうぞ」と壁際にセットされたイスとテーブルに座るように勧めるのが一般的です。

高額な商品はトレーに乗せて後から係員がテーブルに持ってゆくんですよ。特別扱いですから(笑)。

ところが、その人の場合は「立ったまま」で売れてる。それも決着まで数分です。

誰でも「おいおい、なんでだよぉ〜?」と思うでしょ?

そのブースでは2、30万の商品はあまり売れていません。よく商品の売れるメーカーのショーケースの前には人だかりができます。ですが、その方の販売するショーケースの前にはなぜか人はあまり集まっていません。

たった一人か二人(殆どは一人)のお客さんが「ボソボソおじさん」と立ち話してて、そのお客さんがなぜか財布を取りだし、カードや現金で薦められた高額商品をあっという間に買って立ち去ってゆくのです。

これは正直、驚きでした。

(闇取引か!)

って思いましたよ。

中には300万円なんて商品もあったのです。同じ売り場で同じ催しに参加していますから。後で売上表を見て詳細がわかります。それもどうも常連客といった雰囲気ではありませんでした。

始めて会った客にどうやったらそんな高額商品を売ることができるのだろう? が当時の私の印象です。

一個や二個が売れたのであれば交通事故のようなものです。販売員としては羨ましくも何ともない。偶然であるとも言えるでしょう。ですが、その男性の凄かった所はその後もコンスタントに安定した売り上げを誇っていた所ですね。

まだ若造ではありましたけどね。販売に多少なりとも自負を持っていた私は、自分の自信がガラガラと音をたてて崩れて行くような感じがしました。

その異様な光景に、普通の方法では追いつけないくらいの開きを感じてしまったのです。

相手の興味を惹き付けて行く方法

実は、相手の心を惹き付けて行くには幾つかの方法があります。

今は私も専門(心理学や催眠)ですので、詳しいですけどね(笑)。当時はそういった知識や経験が無かった。ですからとても驚いたのです。

心理学には相手(顧客)を魅了して引きつけてゆくための特別な方法もあるのです。

その人(販売員)を注意深く眺めていると、ある一定の法則や方法を使っていることがわかりました。

「この商品はね・・・」

最初の話しかけの部分、いわゆる「導入」の部分では廻りにも聞こえるくらいの声で話しているのに、いざ「落とす」(商品の購入を決定させる)部分になると、すぐ隣にいてもなーんにも聞こえません。声のトーンとか声量が小さくなってしまってご本人達(その販売員と顧客)以外にはまったく聞こえないのです。

(クーッ! 話の内容が聞きてぇ!)

と当時の私は思った物です(笑)。

そのやり方が、周囲がその販売員を「ボソボソおじさん」と名付けた由縁です。

その「ボソボソおじさん」が商品をショーケースから取り出して見せ始めた当初は、商品を目線より低く見せています。話が盛り上がってくると手の高さとか立ち位置とかが違っています。

説明をしながら宝石の位置や高さ、「顧客に話しかける位置」が微妙に変化しているのです。

不思議なのは、その動作を行っている最中、販売員(ボソボソおじさん)はお客さんの「目」や顔をまったく見ていません。

自分の薦める商品だけをジッと見ながら身振り手振り、商品の上げ下げをゆっくりと繰り返し、相手の目を殆ど見ない状態で説明を繰り返していたのです。

通常において、「視線」は相手に自分の意思を伝えるのにとても重要な役割を果たします。

「何か」を薦めたり、何かを相手にやってもらいたいとこちらが望む場合、無意識に相手に視線を合わせ、相手に同意を求めてしまいます。

微笑みとか頷きとか相手の反応を得ようとし、相手をどうしても見つめてしまいがちになります。

言葉や態度、視線の位置や身体の反応(腕組み、首をかしげる、まゆを潜める、笑う)などで、相手の意思や感情を読み取ろうとします。

プロの販売員であればそのように教えられますし、それが販売においては当り前となっています。

この販売員の方は相手の反応を「無視」することで逆に相手を自分のペースに巻き込み、自分の販売方法に「引きずり込む」ことに成功していたのです。

それに気付いた時、私は「スッゲ〜、おっさん!」と素直に感心したものでした。

まだ私が20代後半の頃です。

催眠にも共通する所「声のトーンと大きさ」

私がそのような内容や癖に気がついたのは、(専業ではないにしても)催眠や心理学に興味を持ち、いつも他人を観察する習慣が身についていたせいでしょう。

すでに催眠術は得意でしたかね? 売り場でとか飲み会でよく実演やってました。外商員にもその話をして盛り上がったりなんかして。

この「ボソボソおじさん」は、おそらく私とは異なるパターンでそういった手法にたどり着いています。

心理学や催眠などには興味や知識はないと思います。大学で専門で勉強されたとか習ったとかいうことはありません。

間違いなく実地ですよ(笑)。現場でご自身で試行錯誤を繰り返すうちに自然に身に付いたものでしょう。

勉強しようとか意図的にやろうとしたのではなく、顧客に「どうやったら商品説明を聞いてもらえるのか?」「商品が売れるのか?」を考え、自分で各地をまわって実演するうちに徐々に独自のスタイルとして確立されたものだと思います。

その経験こそがその人(販売員)の全てであり、高い価値なんですよ。

心理学とかマーケティングや統計学はどちらかと言えば後付けです。まず何らかの現象とか実際の数値の動き、販売実績がある。

その「現象」を説明したり、誰かが後で利用する為にそういった学問や知識も必要となるのです。

ですので、そういった勉強をまったくしていない人でも天才肌の職人とか、凄い販売員も巷にはたくさんいますよ? 学者や専門家を名乗る人達より実践、現場にいる連中のほうが手強いので。

生活かかってますからね。どこかで聞き齧った付け焼き刃の知識とか安易な物まね、マニュアル本とは違います。その人は実地で身に付けた技術を自在に使いこなしている訳ですから・・・。

「ボソボソおじさん」おそるべし!ですね。

もう一つ、販売に際して重要なファクター(要因)があって、それは「声」の大きさとトーンです。

催眠中でもそうなのですが、人間の意識が集中しはじめると「聴覚」は異様に高まります。

ほんの些細な音とか遠方で囁く観客の声も大きくなります。場合によっては閉鎖された空間(部屋)から遠く離れた場所で聞き取り実験を行っても受け取れる場合があります。

超感覚実験ともいいますが視覚や触覚よりも聴覚が高まる例は多いのです。長くなりますからここでの詳しい解説は避けますが、これは人間の脳内の構造が影響しているのではないか?と思います。

一度意識を集中させることに成功すれば本人の注意がそれるまで、あとはずーっと小声でも構わないのです。

人間の耳だけが一定に「音」を拾わない

補聴器などを作る際に一番苦労するのが、拾い上げる音が一律に大きくなってしまうことです。人間の耳、すなわち脳の構造は素晴しい機能を持っています。

それは音を取捨選択(しゅしゃせんたく)する能力なのです。

人間の脳、「耳」の処理能力は抜群で、電車の中やパチンコ店の騒音、人ごみの雑踏の中などで友人などと話す場合、必要のない音を「自動的にカット」します。

実際には「必要のない音が聞こえなくなる」のではありません。物理的には振動として届いていますが、精神的に「特定の音、騒音を」人間は選別して無視出来るのです(笑)。

道端に転がってる石ころと同じですね。見えていても無意味だし価値がない。あっても何も無いのと同じになる。透明人間は透けて見えますが、石ころは視角とか意識の中で背景と同化してしまいますから見えないのと同じ扱いになります。

人間は必要のない雑音や、自分とは関係のない話し声を「意識しない事で」カットすることができるのです。周囲の音と自分の聞き分けたい音を見分け、分類して必要な情報だけ拾い出します。

つまり、周囲の音がかなりうるさくてもフィルタリングし、その人の声やトーンに合わせる(意識を集中する、波長を合わせる)ことで、自動的に聞き分ける機能を持っているのです。

これを機械的に再現することは究めて難しいとされています。

補聴器の難しい所は均一に音を大きくしてしまうことですね。確かにイコライザーとかミキサーの機能をつければ不快な音とかデシベルによって取捨選択は可能です。

ところが、そういった機能を持たせると装置が巨大になってしまう。小型の耳穴収納タイプとか耳かけ式だとなかなか実現が難しかったようですね。

必要のない音は「記録しない」(意識せずに聞こえていないようにする)ことで、総合的なデータ量が減らせます。精神的な疲弊を減らし、必要なデータだけ抜き書きできるのです。

情報を減らした後で、必要な部分だけを記憶して行きます。

小声がポイント!

賢明な読者の方はもうおわかりだと思いますが、相手の注意を惹き付け、「心」をわしづかみ(?)にするには小声で話すことがポイントになります。

これも一般の方が陥りやすい過ちですが、大声で話せば話すほど実際には心と身体の距離は開くのです。大声を張り上げて恫喝すれば、それで聴衆やお客さんが納得する訳ではありません。

自分の意思を明確に相手に伝えなければと焦ったり、ともかく高圧的に声を張り上げ、身振り手振りを大げさにして話す人がいますが、現実にはそれは逆効果です。

いわゆるアジ・テーションとかヒトラーが戦前に行ったような街頭演説では意味がありますよ?

マイクの設備が弱かったり、周囲に雑音が多くて聞き取りにくい状況の場合、大声が必要となる場合もあります。

大きな身振り手振りが男らしさの象徴だと考えられていた時代もあり、そういった古い時代に書かれた文献や知識を元に書かれた心理学? の本にはそのような行為を推奨するものすらあります。

確かに身振り手振りを大げさにすることで得られる視覚効果もあります。

が、こと販売とか少人数を相手にする場合には不必要です。

日本の政治家が街頭演説や応援演説で「咽を枯らして」いるのは、ご本人が「興奮して」声を張り上げてしまうせいもありますが、拡声器やマイクを通した声では迫力や印象が伝わらず、対抗馬に選挙や演説で負けてしまう例があるからですね。

彼らはそれを体感的に知っているので肉声を使いたがります。自分の声で聴衆に直接的に訴えかける必要があると思っているのでどうしても声を荒げます。

政策の中身とか話の内容だけで済むなら、拡声器どころかカセットテープを繰り返して流すだけで済みます。ところが、それではなかなか一般大衆の反応が得られない。肉声と録音では印象が異なってくる。ですのでスケジュールが大変なのに無理をしてでも、自身が出張ってきて大声を出します。

恋人と親密な内容を話す時、また、友人や家族、会社の同僚と話す際、内緒の話は声のトーンを下げ、周囲に聞こえないように話しますよね?

これは周囲にバリヤーを張り巡らせるようなもので、意識を集中しないと廻りに聞こえない空間を意図的に作り上げているのです。意識して周囲とは孤立した環境を作り出していることになります。

相手との距離を縮めて特定の相手とだけ情報を交換、意思の疎通を確認することで、お互いの信頼感や親密感、心の距離を近づける効果があります。(※パーソナルスペース参照

「大きい声」と「普通の声」「小さい声」や身振り手振りと「特別な情報」(例えば、奥さんにだけこっそり値引きします、など)を折り交えて話をすることで、相手との「心の距離」を一気に縮めることができます。

これを時々、無意識に行っている女性(ホステスさん)や男性もいますが、上手な人を見ると私は思わず「うまい!」と唸ってしまいます。

声の抑揚(よくよう)とか強弱、小声は使い方によっては素晴らしい効果を発揮するからです。

ただし、殆どは経験で徐々に身に付いた方です。知識として蓄えた上で考えて実践している人は少数ででしょうね。やってみればわかりますが意外に難しいんですよ。

これを無意識でサラッと行える人はある種の天才でしょうね。

だから「やれ!」って言われてもねー?

どんな現象にも「後付けであれば」解説はできます。他人の販売方法とか誰かが行った手法を外から眺めて批判したり勝手に評価するのは簡単。

ただし、それを知識として知っているというのと、それから実践して「実際の売り上げにつなげる」というのでは天と地ほどの違いがあります。

私も色々と試してみたのですが、なかなかうまく行きませんでした。知識として理解することと実際に行うのとでは違ってくるのです。

これまでに自分が行ってきた販売手法とは手順が違い過ぎるからでしょうね(笑)。

「ボソボソおじさん」のやり方は、やはり特異であり異質な方法ではありますから・・・。

言っておきますがその時点でも私の売り上げが低かった訳ではない。むしろ、同年代の販売員からは突出していた側です。

私はそれまで顧客の視線を「追う」ことで表情を読み、販売の実績を作ってきていました。

その私がそういった販売方法に手を出すってことはですね、これまでに勉強してきたことや慣れた手法を一切、全部捨てなければならなくなります。

これには参りました。

私としては相手の「視線」が追えないことは、とても緊張と不安を伴う行為になります。

私は「顧客の表情を読む」のは下手ではないんです。下手ではないからこそ、これまで様々な仕事でうまくやってこれたのですから(笑)。

この手法で行おうというのは相手の視線を「まったく読まない、見ないで操る」ようなものです。やはり難しいでしょう。目を瞑って車やバイクの運転をやるような感覚ですね。

まして相手は物ではなく人です。「ボソボソおじさん」のように最初から最後まで殆ど相手と目を合わせないなど、神業というか一種の奇蹟のように感じます。

私自身はそれに対する違和感が取り除けませんでした。

何度か試してみましたが、結果、一か八かのような賭けのような販売になってしまいました(笑)。

大きいのも当てましたがムラがあり過ぎます。結局は安定しない。常に大きいのばかり狙うと他がおろそかになりますので、かえって販売実績は伸びませんでした。

私なりのオリジナルへ発展

「こんなことができるか〜ぃ!」

ってのが、色々挑戦してみての感想でした。

やはり「餅は餅屋」といいますか、芸術や音楽のようなものです。他人の技術をそっくりそのまま、物まねするのは難しいですね。その人を見ているとまるでマジックのようです。

「私、買うわ!」と、たまたま通り掛かっただけの顧客が決然と言って、財布を取り出すシーンは何度みても唖然(あぜん)となります。

私と同じく販売員であったり、接客業出身者であればわかる筈です。高額商品を買って顧客が「お金を支払う」という行為は、やはり凄いプレッシャーなんですよ。

ハードルは高い。

高額な商品を購入する場合には支払いを行うお客さんも緊張しますが、商品を「売っている側」も緊張するのです。

その場に立ち合い、高額な商品を「一瞬で」即決、販売する姿はやはり感動というか新鮮な驚きがあります。

後で考えてみれば、私個人の全体の売り上げとか販売数では決して「ボソボソおじさん」に負けていなかったのですが・・・。

やっぱりインパクトの問題ですね。新しいものとか不思議な手法を見れば注目しますし、意識もします。プロの販売員が他人の販売方法を見て驚く、というのはやはり少ない。憧れがあったのです。

できればあやかりたいと思って、かなり勉強しました。

ただ、当時私が所属していたメーカー(宝飾品の会社)は、主力商品が30万から50万くらいまででした。当然、その「ボソボソおじさん」とはお客さんの年齢層や商品層、価格帯が異なります。

一日に一発限りで「高額品を1個だけ売ってしまえ!」という販売方法は通じず、どちらかというとコンスタントにある程度の個数をまとめなければなりません。

もっと金額の安い商品(千円均一など)ならば、大声を張り上げてお客さんを集め、販売することもできますが、この価格帯の商品はあまり大声を張り上げることもできないのです。勢いがあって景気はいいのですが、商品が安っぽく感じてしまいますから・・・。

デパートから叱られるんですよ(笑)。

一発勝負ではダメで大声張り上げて叩き売り風にするのもダメ。個数は売らなければならないが、決して安物を売っているのではない。数十万はお客さんからすれば大金です。

その相反するものを両立するのが難しい。

そこで私は自分なりに知恵を絞り、「ボソボソおじさん」とはまた違った販売方法を思いついたのでした。

逆転の発想、視線を「外して」利用する

私が考えたのはその「ボソボソおじさん」方式と、従来からある接客マニュアルに催眠や心理学の応用と取り混ぜたミックス法です。

視線を「読む」ことと同時に、途中で「視線を外す」ことの重要さに感づいた私は、まず視線を伏せたままで集客する方法を思いついたのでした。

買い物にいった際、店員が寄ってきて圧迫感を感じた方もいらっしゃるでしょう。特にブティックや百貨店などで店員に積極的に話しかけられると「嬉しい」と思う人もいますが、その反面「自分の思った通りに選べない」と感じる方もいらっしゃると思います。

情報の氾濫する現代において、欲しい商品を「選ぶ」ために専門家のアドバイスならとても大切ですが、「押し付け」や「無理売り」されることはどんな人でも「嫌いではないか?」と思います。

今は昔と違いますからね。販売員に視線をバチッと合わせられ「いかがですか?」と勧められると、確かに気の弱い方は逃れにくくなりますが、それで一々商品を買っていたら破産ですよ(笑)。

今までの販売(少し前)においてはそれでもよかったのです。

現在は生活が多様化しています。自分の望む商品を、自分のスタイルに合わせた形で求めに行く方が増えました。ですから、店員や販売員の薦めるままにその商品を購入する方はかなり減ったのではないかと思います。

商品を「無理に購入させられた!」と感じた方は次からそのお店には買い物に行きません。今の時代はクーリングオフもあります。無理やり売ったらその時は良くても後日、返品されてしまいます。

強引な商法を繰り返すのは難しくなっているんですよ。そういったやり方で商売を行うのなら売りっ放しで即座に店舗や会社ごと撤収しないと顧客から訴えられるでしょう。

特に若い世代は流行などには敏感でしょう。販売員にいくら「お薦めですよ」といわれても興味が無いとか趣味じゃない、好みにあわないものは買わないでしょう(笑)。

ネットで情報を検索してから出かける人も多い。今じゃスマホがある。通信料が定額制になったので現場で検索も可能ですよ? 一昔前のように電話ボックス探して回線繋いだり、わざわざ電気屋に行ってインターネットに繋がってるパソコンを探す手間さえいらないのです。

価格や値引き率、流行についても知っている。インスタ覗いただけでも流行り物や人気の商品はわかりますから。いいねが多いものやアップされているものが多いものを参考にすればいいだけです。

なのに強引に「いかがですか?」と店員が後ろとついてきたり、ショーケースの前で店員が連発すること自体が、時代遅れでナンセンスですよ。

私が販売に際してとった方法は、ショーケースの前で立ち止まる人がいてもすぐには話しかけません。一拍時間を置いてから近づきますが「いかがですか?」も絶対に言いませんよ(笑)。

決して相手の目を見ず、近寄ってから低く優しめの声で話しかけるようにしたのでした。

面白いことに立ち去る人が減りました。視線が合ってないからです。圧迫感がありません。私と視線が合うまではあまり緊張せず、落ち着いて商品を眺めることができます。

無理やり売ろうとか、逃さないようにしようではなく「泳がせる手法」に転換したわけですね。

そういったやり方だと商品を「強引に押し付けられる心配がなさそうだ」と相手は感じるので、顧客は自分に主導権があるように感じて緊張や警戒心を解きます。

それが「少しは立ち止まって商品を眺めてみよう」といった感覚に近付くのです。

※他にも話しかけ方や言葉遣いに必要な手順があります。絶対に行ってはならない話しかけ方もありますよ? ここでは一部のみ紹介しています。

一時期、私の書いたこのコーナーを丸パクリして自分が思いついたかのように番組に持ち込んだ男がいました。また物まねや盗用が増えたら嫌なので、ここでは詳細を避けます。

心理学における「視線」の利用方法

これは意外な盲点でした。

通常であれば「相手の目を見て話せ!」とは、セールスや営業で教わる初歩の初歩でしょう。どんな売り上げを誇る諸先輩も、よほどひねくれた人でない限り「相手から目を逸らせ!」とは教えないと思います。

心理学の世界では「視線を逸らす」ことは不思議でも何でもないんですけどね。当時は知りませんでした。

販売や営業の世界のように「接客の際には相手の顔を見る」ことは当り前ではありません。

むしろ、相手から視線をどう逸らすか、どういった会話、どういったタイミングで相手に視線を合わせるかが重要なポイントになってきます。

意外に思う方もいるかもしれないですが、会話中に相手が自分から目を逸らしてしまうと「こちらに何か落度があったのではないか?」という不安感を与えます。

会話や態度に「何か気にいらないことでもあったのではないか?」と受け取ってしまい、相手が非常にうろたえることもあるのです。フッとした瞬間とか、会話の間にできる空間、つまり「空気とか時間」に人間は強く影響を受けるのです。

販売を行おうと思う人の場合、相手の視線が先に逃げるとやはり緊張します。相手の関心がなくなったようにも感じますから・・・。

ですから、相手の注意を惹き付けよう、視線をもう一度、自分に合わさせようと考え必死に説明を行う例があります。これはむしろ逆効果で、必死に説明を行えば行うほど不信感が増します。

顧客側からすると「何が何でも売りたいんだな〜」といった先入観に繋がり易いのです。

余談ですが、あなたが片思いで誰かを口説こうとする場合にもそういった心理は強く発揮されます。押しつけがましい人は敬遠されがちなんですよ。

反対に言えば、あなたが「会話中に」視線を逸らした途端、極度ににうろたえる人は、あなたに好意を寄せている可能性があるということです。

政治家の世界でも飲食店などの場合でも、このような方法(視線の合わせ方、外し方)で相手より精神的に優位に立つことに利用されます。

心理学の応用である「視線の逸らし方、合わせ方」で、相手に自分の言い分を飲ませる、売り上げを上げることに利用されているケースはあります。それを知識として知った上で利用しているか、無意識にそういった手法を用いているかの違いだけでしょうね。

先にも少しだけ触れましたが、中には天才というか勉強もしないのにそういった行動を自然に行い、上手に利用している人もいます。

そういった人の多くは「モテる人」が多い筈です(笑)。

パーソナルスペースのコーナーなどにも書きましたが、よく観察してみればわかりますよ。視線と相手への触れ方、会話の内容、パーソナルスペースへの立ち入り方、離れ方は全て催眠誘導の基本にも通じるものです。

相手の「間(ま)」に入るのが巧いんです。と同時に出るのも巧い。警戒心を抱かせたり圧迫感を与えないように親近感を増す方法を知っている人ということになりますね。

これはいつも落ち着きがなく、ソワソワしていて相手の顔が直接見れない、勇気がなく他人の顔を見るのが恐い、という人とはまったく違います。

意図的に「視線を逸らす」相手の視線を読んで行動する、などは使い方によっては強力な武器となるのです。

売らなきゃ、意味はない!?

私の考えた新手法で、確かに集客には成功しましたが人を集めるだけではお話しになりません。

売らないと・・・(笑)。当り前といえば当り前ですが。

そこから発展させた手法で「三点法」というものがあります。

すべて触れるのは不可能なので、簡単に要点だけ説明します。

よく似た商品を三種類、選び出します。

完全に異なる商品を選び出してはなりません。似通った部分があったり同じジャンルであったり同じ価格帯、同じ種別(例えば、ネックレスならネックレス、ブローチならブローチ)で統一します。

その後、商品を見ながら顧客に解説を加えます。この商品はここが良いんだけれどここの部分が悪い、とか、ここの作りは良いがここの色が悪い、とかいった具合です。

お気付きになりますか?

三点の商品を選び出した時点で、どれかを選ばせる方式になっているのです。

お客さんへの話しかけ方の例としたら「もし、この中の商品から選ぶとしたらどれがいいですか?」ですが、それは裏を返せば「この中のどれかを選んでください」とやんわりと押し付けていることになるのです。

言い方は柔らかなんですけどね。「もし」(英語ならIF)で始める問い掛けですが、その時点で何らかの選択を迫っていることになり、架空とはいえ一種の疑似体験(この場合は入手、購入)になります。

その商品が嫌いな人とか購入の可能性の低い人は、その時点で手にはとりません(笑)。はっきりと断ってきますよ。興味が無いとか、どれも「嫌い」といった解答になるのです。

販売員(私)からすれば、「ん〜、あえて選ぶとしたらコレかなぁ?」と言ってくれればとてもラッキー。その時点で一歩踏み出せたことになりますから。

また商品の数、選択肢を広くとりすぎると顧客は乗ってきません(笑)。顧客は迷うだけで何も決められなくなります。ですからある程度は絞り込む必要があるのです。

ですので、だいたいは三つにしています。

奇数のほうがいいんですよ(笑)。これは後に解説した合コンの秘訣「モテる男(女)の必須条件 2」にも繋がっていますが。

比較対象を絞り込んでその商品の利点と欠点を繰り返し話します。粘り強く話すことで商品の良さとか、独自性、割引率などを強調して徐々に方向性を整えて行きます。

女性の方で「アクセサリーなどまったく欲しくない」と思っている人は少ないでしょう。タダならば欲しがりますよ(笑)。誰かからのプレゼントなら喜んで受けます。高額な商品を自分で買ったり、支払いが生じるからこそ断ろうと考えます。

ですから、誰かからのプレゼントで「この中から一点選んでください」と言えば女性は迷いに迷います。支払いが自分の負担ではなくて。一点だけなら自分のモノになると思うと。かえってなかなか決められなくなるんですよ。

要するにアクセサリーは好きだけど支払いが嫌いだったり、自分で買うのが嫌なだけです。生活とか他に欲しいものもあるでしょうから。優先順位として「自分が欲しくない商品はできるだけ我慢しよう」があります。

さりげなく商品に触らせるとか「こっちとこっちならどっちがお好みですか?」と勧めることで、徐々に購買意欲を煽ってゆきます。

わざと商品の欠点から話す

三点法を使って商品に説明を加え、長所と短所を比べます。そして選択(または欠点の指摘)は必ず、相手にさせるようにします。

販売員はそれに反論を述べません。ここが大事なポイント。安易に反論すると顧客側に「私の意見に逆らった」というような印象を与えるからです。

ご本人に自然に(間違いなどに)気付いて戴くために、次の商品を取り出し、それの長所を並べることで(前の商品の)欠点を打ち消して行きます。

顧客の意見を真正面から否定するとか指摘するのではなく、ご自身の頭の中で比較してもらって自然に気がつく流れを演出するんですよ。

私は販売の際、基本的に最初から最後まで「いかがですか?」とか「お似合いですよ」とは言いません(笑)。宝飾品や宝石の販売員としてはかなり異色かもしれないですね。

本当に過去に一度も言ったことがないんですよ。面白いでしょ?

商品は必ず、ご本人に選んでもらいます。

かわりに、商品の長所とかアフターサービスについて(サイズ直し、返品、交換等)については、それこそくどいくらいに丁寧に説明していました。

自社商品を強引に薦める販売員は二流以下です。少なくとも私はそう思っています。

私自身はそのような販売員からは絶対に買いません(笑)。基本的に自社の商品や売りたい商品を悪く言う社員、販売員などいないからです。

生活とか仕事のために「どうしても売りたい」んだから。

「こちらの意思を無視して」特定の商品を勧める場合には、何らかの意図が働いています。自分が成績や利益を気にして売りたいだけで、お客さんの意向など無視している可能性が高くなります。

自社の製品を褒めすぎると嫌われますよ。むしろ他社とか前の商品との比較を口にするほうが良い。それも「欠点を貶す(けなす)」のではなく、比較した時に「商品の長所を褒める」のです。

比較販売法を用いる時に他社の悪口は言ってはいけない。また強引に自社の商品を褒めちぎってはいけない。そういう行為を繰り返すとお客さんが減ります。

日本語では手前みそという表現もあります。自家製の味噌を褒めちぎってもお客さんはありがたがらないものですよ(笑)。訪れただけのお客さん、ユーザーからすれば好きでもない商品を無理やりに押し付けられているような感覚に陥るからです。

どの店員、営業マンも売りたいのはやまやまなんですから・・・。褒めちゃダメですよ。そこはグッと我慢してください。魂胆が見え透いてしまいます。

販売員の本心は「皆同じ」ですが、それを悟られないように一工夫する必要があるのです。

商品の欠点を先に述べ、(もしくは相手に話させ)後から「別の商品を」用いてその欠点を打ち消します。そして、商品は必ず相手に選択させ、手に取らせるように心がけます。

この商品にはこういった欠点(例えば色が薄い、傷がある、型が古い)はあるけれど、反対にこういった長所(石が大きい、入手が困難だ、型落ちな分だけ値引きが可能だ)があると相手に繰り返し説明すること。それが大切です。

隠し事をしない。売りたい商品だけを褒めちぎらない。誤りや欠点がある場合にはそれを正直に話し、自分としては「なぜこの商品がお勧めなのか?」を話します。

そういった対応が顧客に「この人は誠実な人だ」とか、「商品に自信があるのね」といった先入観を植え付けることになります。

恋愛でも手順は同じ(笑)

大切なので、絶対に手順を間違えないように・・・。「欠点を指摘した後に長所を持ち出す」ことです。

ここが重要なポイントです。

長所を話した後で欠点を話すと印象は最悪です(笑)。販売における心理学の基本中の基本。よくよく注意しましょう。何度も延べていますが、最初から最後まで何かを褒めちぎる人に対し、人は不信感を持ちます。

そういったやり方が、相手に全て諂う(へつらう)人、「おせじばかり言う人」もしくは「何か魂胆のある人」といった印象を受けるからです。

褒め方にも叱り方にもコツはあります。

人にはコンプレックスが存在します。

誰しもプライドは高いんですよ(笑)。例外はありません。どちらかというと、プライドの高い人ほど本当は根強いコンプレックスも存在します。

ですから、異性に「君の全てがカッコいいよ」とか「綺麗だよ」などという漠然とした褒め言葉を使い、最初から最後まで褒め言葉を並べたててしまうと、たいていは嫌われます。

勘違いしている人は直したほうがいいですよ。「君の全てが好きだ!」「全部がチャーミングだ!」なんて繰り返すと失敗します。それでは何も伝わらない。

どちらかと言うと誰にでもそのようなことを言っているといったイメージを相手は持ち易く、言われた本人が傷つくからです。かえって不信感や不快感を持たれ易いでしょうね(笑)。

第一印象がよほど誠実な人だと思われていないと、そのような言葉は言ってはなりません。それは本心から出た言葉でも褒め言葉とはならず、反対に逆効果になる場合があるのです。

人はそこまで簡単に他人の言葉を受け入れはしませんよ。

誰にでも大なり小なりコンプレックスは存在します。ですのでよほど自惚れている人でない限り、そのまま言葉通りには受け取らないのです。「私には何の欠点もない」「完璧な人間だ!」などと思っている人は珍しいので「全てを褒める」やり方では表現として足りないでしょう。

それよりはむしろ「君の性格のこういったところが素敵だ!」とか「目が綺麗でチャーミングだ!」とか「プロポーションが最高だ!」など個別に攻めるべきでしょうね。

そして、その「褒め言葉の数」を徐々に増やすことです。

性格や外見、持ち物のセンス、学識や話し方や「歯並び」(欧米では結構多い褒め言葉)が美しいなど、具体的な所を指摘して「だから僕は好きなんだ」とはっきり褒めたほうが、より相手のプライドを刺激して満たすことになります。

そういった会話を繰り返してしているとそのうちに「私は自分のココが嫌い!」という話も出てくるでしょう。誰しも自分のコンプレックスの部分は先に晒そうとはしませんから・・・。

その場合にはすかさず、それを打ち消します。例えば「でも、こういった部分が君の良い所だろう?」「いや、僕はそんな風には思わないな。気にする必要も無いよ」と繰り返します。

自分の欠点とか気にしている部分を誰かに打ち消してもらうことで安心しますし、親近感も増します。自分の内情とか不安、他の欠点も話しやすくなるのです。

このやり方は上記した「商品の販売方法」とまったく同じですよ。

全部、誉めたり認めてはいけない

話が少々逸れましたが、つまり、商品全てを「良い」と認めさせるよりも長所も欠点も話した上でその商品全体のイメージを正したほうが、結果として信頼を生むのです。

欠点も長所も隠さずに話す。複数の選択肢を持たせて顧客に選ぶ自由を持たせる。それが結局は誠実で嘘のない人(商品)であるといった印象を生み、後々のトラブルを予防出来るのです。

「この製品は何もかもが素晴らしい」と表現する販売員や営業員は正直、かなり未熟だと思いますよ(笑)。

前出の恋愛のケースでもそうですが、人間は完璧なものがあるとは「自分でも」思っていません。自分自身の性格とか外見、姿であってもどこかに不満を持ちます。どんな美人や男前であっても「何もかもが完璧だ」と思っている人はごくごく少数なのです。

他人が作った商品とか、利益が関わる「売り物」なら尚更ですよ。

それを褒めちぎってしまうと、商品を強引に勧めているとも思われがちです。誰かに「あの人には欠点が無い」と言われた途端にあら探しを始めるのも、人間にはよくある話です。

ですので「欠点が見つからない」場合には作ってしまえばいいんです。

「この時点で発売されている商品としては一押しの商品ですが、新製品なのでお値段がねぇ・・・」

「しばらくお待ち戴けば、値引きもできるようになると思うのですが」

「綺麗なデザインなのですが、若い人向けですかね? 好みが別れると思うんですよ」

などですね。旧作、値引きが可能な商品を並べると「どっちらかが」よく売れました。そこまで話を引っ張れた時の私の成功率は約9割くらいでしたね。

新しいものが欲しい人は新製品が「どうしても欲しい」のです。機能には満足しており旧製品でも何らかの特典、値引きなどがある場合はそちらがいい人もいます。

この販売方法はスマホやパソコン、家電製品では特に有効です。私はよくそういった手法を用いました。わざと自社の商品の欠点を話し、回り道をしながら相手の嗜好を読むのです。

今掲げた例は、実際には「欠点」ではありません。高くても買いたい人もいますし、デザインが気に入って買う人もいます。いわば会話を続けるために「水」を向けている訳です。

誘い水ですね。本当に問題があってリコールになるような商品は最初から勧めませんよ。返品やクレームになって後が大変になるだけですから。

欠点を話したようで実は「どんな価格の商品が欲しいのか?」「新商品が欲しいのか、型落ちで安いのが欲しいのか?」「デザインにこだわりがあるのかどうか?」を確かめていることになります。

一見、遠回りなようにみえますが、それがもっとも近道です。

お客さんが気に入って商品を褒めていても、私は必ず1ヶ所は否定意見を入れます。理由は簡単で購買意欲を高めたり、キャンセルを予防したり、購入に対する本気度を確かめることになるからです。

「高い!」ことを否定意見として入れた場合には、後で「新製品で難しいですが頑張って、これくらいは値引きさせてもらいます」を最後の殺し文句として用いています。

余談ですが、私は「落としてから値引きをする」を心情としています。買うことがほぼ確定してから更に値引きしたりサービスを付けてきました。

落とす前に引いたら、幾らでも値引きすることになりますから(笑)。感謝もされません。後々に返品などを招きやすくもなるものです。

最近はその辺りも含めて、下手くそな店員が増えましたね? 販売員の質が低いです。

そうなると自然、顧客やエンドユーザーは通販やネット、Amazonやヨドバシで買うでしょう。実際の購入者のレビューを確認したほうがよほど参考になってしまいますからね。

本当に売りたい商品は左側に置く

私は売りたい商品は相手の左側に置きます。

科学的な実証はされていませんが、人間は左側にあるものを選ぶ習性があるようです。

子供を後ろから前触れなく脅かして追いかけると、7、8割の子供が左に逃げます。利き腕や性別には関係なく、そちらに逃げようとする習性があるそうです。

これは世界各国共通であちこちで検証実験が行われており、同様の結果があるそうです。

ですから、デパートなどの構造では上向きに登って行くエスカレーターなどから降りると、左側に販路(売り場)が作ってある場合が多いのです。

これは一説によると人間の心臓が左よりにあるからだ、などと言われていますが、実際のところよくわかっておりません。

どこで統計をとっても結果は同じですが、科学的な根拠で実証にまでは至っていない。

ですが、私が実際に販売を行っていた場合もなぜかお客さんから左側にある商品を選んで買って行くケースが数多く見られたのです。

まあ、ちょっとズルいですが、私は高額商品で自分が売りたいと考えている商品ほど、相手の左側(向かって右、私から見ると反対側になります)に置く習慣がつきました(笑)。

デパートなどでは売り上げの向上を信じてそのような構造になっている建物なども多く、販売などにも積極的に取り入れられている知識です。

自身でも使わない手はないと思いました。

私の経験でもそれが正解のように思ったので、左側に置く習慣が身に付いたのです。

予知ではなくて予想、予想というより経験

以前、ある外商の方と販売であるご家庭にお邪魔した際、事前に「この商品とこの商品を私は薦めますが、結局、お客さんが選ばれるのはこの商品ですよ」といってからお宅にお邪魔し、その通り決まってしまったことがありました。

外商の方はかなりビックリされたようです。

私にすれば過去の経験からそのような事態が想像できたので、不思議ではなかったのですが・・・。

予知ではなくて予想、予想というより経験に根差す推測です。私が車の中でそう言い張るので、その外商の方はわざわざ「売れそうにない」家庭を選んで連れて行ったようです。

付けた条件は一つだけ。

「会話が好きなご家庭で、しばらくお話(私と)をしてくれること」

それだけです。

一部解説しておきますとね、外商員にもやる気の無い方もいるんですよ(笑)。今月のノルマを果たしてしまった外商員は次の月のために上得意客や見込み客は残しておこうと思います。

そりゃノルマとか締め切りは毎月あるんですから。上層部が設ける売り上げ強化月間などに備えて上得意客や無理を聞いてくれるお客さんなら温存したい。

私でもそう考えるでしょうね。

売り込みに来るメーカー(要するに私)は何が何でも売りたい側です。出張には多額の経費もかかっているのですから・・・。デパート側(外商員の上司で上層部)やメーカー側(私)は売る気満々ですが、そんなこと外商員には関係ありません。

毎月、厳しいノルマを抱える彼らは手を抜ける所では抜きたいと思うものです。

売らなきゃ叱られますが、売ったからといって給料が劇的に増える訳ではない。そりゃ人情として手抜きもしたくなる。メーカーは訪れたその瞬間だけですが、外商員は毎月のノルマがあります。

で、その時はどうやら顧客のお宅には伺えそうもなかった、と。やる気が無いのはミエミエでした。端境期(はざかいき)で次のノルマがありますから上得意客は残しておきたい季節だったんでしょうね(笑)。

イベントや催し物会場に来店してもらって。上役の覚えがいい場所で高額な商品は売りたかったのでしょう。各家庭をまわる気配すら無かった。

ですから私は一計を講じたのです。

心理学の知識をわざとひけらかし、特殊な知識や技術を持っていると外商員を煽り、「どんな家でもいいからともかく上がってください。実証してみせますから」と移動中の車の中で繰り返した訳です(笑)。

まあ、嫌な奴ですよ? ただし嫌悪感を招かないように冗談を交えて車内を和ませます。

あんまりうるさいので「売れるモンなら売ってみろ!」と考えたと思いますよ。

私があまりにはっきり売れると言い切るので反感も買ったのでしょうね。まあこっちは計算ずくだった訳ですが・・・。知らない方も多いと思いますが外商員の食事代ってプロパー、つまり商品を持ち込むメーカー側の自腹だったりもします。

多少は面白いとか悪いとの思いもあったのでしょう。ともかくお客様の家には連れて行ってくれたのです。通常よりも「説得が難しそうな」お客様のお宅にお邪魔させてもらいました(笑)。

雑談には応じてくれるが買わないことが多いご家庭。それでも確かに商品は売れたのです。

私は当時、そういう遊びも好きでした。

販売って仕事は面白い(笑)

遊びといっても生活がかかっています。販売員は真剣そのものですよ。社内や販売員同士、仲間内でも競争はありますから。自身のプライドを賭けた勝負といってもいい。

ですが、多少の遊び心というかチャレンジ精神がないと参ってしまいます。当時は出張ばかりでしたし。

売り上げが欲しいのに外商員がその気になってくれないとか、飯だけ食って(先にも言いましたがこっちの驕りです)あっさり帰ろうとしてると察知した場合には、この種の手口を時折使いました。

当時、私を雇ってくださっていた社長が時折、怒っていました。「あいつらは飯泥棒だ!」って(笑)。自分たちの馴染みの昼食屋で飯だけ食って、まともに顧客を回ろうともせず丸一日、車の中とか喫茶店で過ごそうとするサボリ魔もいるんですよ。

デパートに求められて各地に出張して、多額の費用をかけて商品を確保し、販売員を派遣しても「一件も家にあがらない、回らない」なら売れるはずもない。魔法使いじゃないんですから・・・。

メーカー側はまず外商員をその気にさせてどこかのお宅を訪問して貰う必要があったりします。

その外商員からすれば事前に私が言った通りに商品に決まってしまったので、そうとう強いショックを受けたようで・・・。驚いていました。その驚く顔を見るのが好きでした。

よくそんな販売、悪戯をやったものです(笑)。

もしそれで売れなかった時を考えてください。私の販売員としての評価はボロボロですよ。売れる売れると「こいつが大騒ぎするから」連れて行ったのに、結局は失敗したことになるのですから・・・。

自信があったんですよ。当時は神懸かり的なパワーがありましたので。

その後の催眠現象とか講演、出演でもかなり無茶をやりましたが、おそらくはその延長線上でしょうね。自分の技術、知識、経験を頼りにしているのは間違いないでしょう。

絶対に売れるとの自負があった。今ならどうか? と言われれば少々疑問もありますが、基本的なスタンスや能力は変わらないでしょう。体調不良で悩んでいる時や精神的なテンションが完全に下がっている時でなければきっと大丈夫(笑)。自信があります。

そういった販売方法や技術も、きちんと勉強してみればそんなに不思議なことではないのですが、ちょっと見にはマジックのように見えるかもしれませんね。

販売員として初期の頃、私が「ボソボソおじさん」を見て、ショックを受けたように・・・。経験とか知識は力であり、時にとてつもない効果を発揮することもあります。

販売とか接客業って仕事は面白いですよ。

相手の顔が見えますから・・・。いい商品を仕入れて販売すれば、こちらは「商品を売って」利益を得ている側にも関わらず、お客さんに本当に喜んで貰えることだってある。入手困難な商品とか、珍しいもの、自分が自信のある商品を探し出して売って、感謝される瞬間には深い喜びがあります。

もっとも、この悪戯の場合は実力を証明しよう、ではありませんでした。

社長じゃありませんけどね。今月のノルマを達成してるから「メーカー(私)に昼飯だけたかって帰ろう」とする外商員の態度に腹が立ったので、ちょっとだけ驚かせてやりたかっただけです(笑)。

これはただの悪戯です。

私はそういう悪戯が好きでしてね。初期の頃、通り掛かりの人に催眠をかけるなどに成功したのも、結局は私の性格によるものです。でなきゃやらないでしょうね。

私は誰かの驚く顔をみるのは大好きです。

え、人が悪いって?

気のせいでしょう。多少の遊び心がないと人生、たのしくないですよ。

このコーナーの初稿は1997年に書かれています。年数が経過しましたので2017年のサーバー移転の際に、読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1997年10月20日 初稿

2017年12月08日 加筆、修正

谷口信行

応用と実践のインデックスへ

スポンサーリンク

こちらも興味があるかも?

戻ってこれる人は本当の意味での運の良い人... 某番組の放送を前に、私の経験上の意見を これまでは触れていませんでしたが、私がそこまで肩入れしたというか洗脳に関する記述がこのホームページ上で増えた理由を書いておきます。 当時、洗脳に関する記述を載せるのには勇気が必要だった 私が洗脳に関する記述を最初に載せたのは1998年になります。謎の整...
2018年 あけましておめでとうございます... 新年のご挨拶と今後の予定について 今後はGoogle AdSense(グーグル・アドセンス)やAmazon(Kindle)電子書籍、買った商品のレビューや改造を中心に活動しようと思います。 正直、二度とやりたくないリニューアルと改訂作業 新しいテキストや小説を電子書籍で出そう、と考えて準備に...
WEBマスターツールはGoogle Search Consoleに... セキュリティも進化しちゃって、ついてくのは大変 以前とは異なって今は数字画像を使ったチャプタータイプは使われてません。チャプターを設定する代わりにGoogle Search Consoleを使います。 結局、時代はGoogleなんですな 以前なら数字をフォームに打ち込んで認証してました。その...
GoogleAdSense 審査がわずか7時間で通ったらしい... 何事なんでしょうか? ネット検索と結果が違う 「嘘でしょ?」って思いました(笑)。 何しろGoogle AdSenseのアカウント獲ってたことも忘れていたり。Googleが買収する形でYouTubeとアカウントを共有、兼用になっていることも知らなかったくらいで。 「Gmailっ...