できるようになる人と諦めてしまう人

2017/12/07改訂
1997/10/01初稿

自分の中に信念を持ってください

催眠を「覚える」ために重要なポイントとか注意点を幾つか述べておきます。確かに催眠という技術は誰でも簡単にできるようにはならないと思います。私は長年、指導と誘導の両方を行ってきていますが、催眠誘導そのものの経験は30年近くになるでしょうか?

催眠や相談に関するホームページを開設して約20年。専業として事務所を開設してからでも十数年間が経過しています。

催眠「術」催眠誘導を一から覚えようと考えた場合、確かに難しい部分を含むのですが、指導を受けた人の多くが実際にできるようにはなっています。

残念なことに、催眠誘導を教わりたいと熱心に申し込んでくださっても覚えが遅いとかいわゆる「勘の鈍い」人も中にはいらっしゃいます。

指導する側としては理論や手順を理解させるのに苦しんだ例もあります。

反対にこちらが舌を巻くというか一種の天才もいますね。若い世代でショービジネスに身を置く人とかダンスの練習をずっと行って来た人の中には難しい手順とか手続きを「理屈じゃなくて感覚で」一瞬で理解したり飲み込む人もいます。

まあ勘や才能? だけで成功した人ははしばらくするとあっさり忘れてしまう例が多いですが(笑)。

これが難しいところです。私が催眠と同じく長く練習したものに武道や格闘技がありますが、変に勘が良い人間は少し習っただけでも多彩な技を使いこなせるようになる者も出ます。

出ますが、じゃあそれで本当に強くなったり巧くなれるかというとそれは別のお話です。

すぐ自惚れてしまったり喧嘩を繰り返すようになったり、いわゆる「覚え」とか「勘」が良かったために努力を怠るようになったり、中途半端なままで放り出してしまう例はかなりありますよ。

スポーツの指導者ならおわかりでしょう。

やはり努力を重ねることのできる精神力と地道な反復練習、それも必要です。自惚れが強い人達はすぐにサボるようになりますから。

と同時に「勘」とかひらめきもできればあったほうがいいのでしょう。理論と実践、それは頭と身体の両方で体得してゆくもので、どちらが欠けても不ぞろいになってしまいます。

長年、指導を行ってきた私個人の意見としては、当初は少々、覚えが悪いとか失敗するくらいのほうが後々のためには良いと思っています。

過去に指導した例を考え合わせてみれば、催眠を「簡単だ」と思い込むことも「選ばれた人間にしかできない特殊な才能だ」と言い張ることも、どちらにも語弊(ごへい、あやまりがある、という意味)があります。

はっきりいえば基礎の知識や初歩の誘導技術はそれほど難しくありません。技術そのものは何十年も前から存在しています。ですから簡単な誘導までは比較的、容易い(たやすい)部分があります。

むしろ難しいのは「応用方法」です。

カウンセリングや行動抑制への繋げ方、依存を残さない利用方法や管理が難しいのです。

またショー催眠などのエンターティメントに傾く場合にも特殊な現象を起こそうと思ったり、街中やスタジオの衆人環視の状況下ではやはり、実演が難しい部分を含みます。

カウンセリングや相談において静かな環境でマンツーマンで誘導を行うのと、騒音やライトがあって緊張を伴う場所での誘導は踏むべき手順は異なるでしょう。

ご本人の意欲と資質

私はカウンセリングや精神的なトラブルの解消を掲げて依頼を受けてきましたが、ご縁があってテレビ番組の収録やイベントにも参加することになりました。

ですので結局はショー催眠とか衆人環視の中での特殊な催眠にも詳しくなってしまいましたが、そちらは誰にでもできるというものではないように感じています。

難しいんですよね。技術的にもありますが、騒音の中や大勢が見守る中でのタイミングのとり方や反応の見極め方が。私の出ていたコーナーは高視聴率だったようですが、その後、同じタイプの番組が出現しないのがその証明です。

TPOというか、目指す方向性、状況や立場においても学ぶべき内容は大きく異なってきます。

これはどんな習い事でも同じでしょうが、結局はご本人のやる気と努力の問題ですね。

催眠誘導を習得できる人と途中で諦めてしまう人との間には大きな隔たりがあります。特徴的なのは流行に左右されたり他人の意見にすぐに流される人は、こちらがいくら熱心に指導してもまず身に付きません。

これは才能の問題ではなく、ご本人の資質とか性格の問題です。

ギターが流行っていると聞けばギターを、英会話が流行っていると聞けば英会話に手を出すような人ですね。格好いいからとかモテたいからと勢い込んで来るのは最初だけですぐに飽きます。

安易な感覚から流行り物の手を出す人は、次々に興味が移りますから何事も長続きしません。

そういった人はほんの少し自分が気に入らないことがあったり、どこかで躓くと不満そうな顔をします。悪い部分を叱ると意味を取り違えますし、少し覚えた部分だけをひけらかしてあちこちで先生ぶろうとします。

困ったことにね。これが結構な比率で存在します。

催眠「術」というのはなぜか、他人を見下ろしたり自分が特殊な才能に芽生えたかのような錯覚、増長を引き起こしやすいのです。

命令して相手を強引に従わせればいいと考える高圧的なタイプにはお勧めしておりません。どちらかというとセクハラ・パワハラタイプの方には向いていないと考えます。相手の心に踏み入る技術ですので、見た目があまりにも気持ち悪いとか高圧的な人よりも話を聞いてあげる姿勢、相手に柔らかく接することの出来る人のほうが望ましいでしょう。

おそらくですが、催眠に免許皆伝はありませんよ。

学んだ人が「催眠ができる」と誇ること自体が誤りです。私自身も「催眠が出来る」わけですが、30数年間も経っていながらまだまだ勉強中で、学ぶべきことや練習すべきことはたくさんあります。

映像や音響を利用したシステム、誘導を迅速に行うための方法、カウンセリングやトラウマの解消のために利用する方法とショー催眠で使い分けるべき技法については難しい部分や迷うこともあります。

現在も推論と検証、練習と勉強を重ねています。

催眠術が出来ると自慢し始めたり、「一人前になったと認めてくれ!」と求めてくる人は、空手とか格闘技で言えば黒帯だけ欲しがる人です。そのうちどこかでトラブルを起こすでしょう。

このような感覚の人は被験者(催眠誘導を受ける人)に警戒されますし、周囲は良い印象には受けとりません。結果として練習相手を探すことすら難しくなってしまいます。

イメージのみが先行する人

中にはよっぽど、「やる気が持続する!」という暗示をかけてやあげたくなる人もいますが・・・。中途半端に手を出し、途中で諦めるくらいなら始めからやらない方がいいでしょう。

催眠を用いれば「なんでもできる!」と思って習いに来て、そうでないとわかるとガッカリして去ってしまう人がいます。

そりゃ、どんな技術も不可能はありますって(笑)。神様になれる筈もありません。心理学や催眠を学んだだけで社会に溢れる全ての悩み事が解消する訳でもありません。

ただし、心理学とか催眠とかは深く追及すればこんなに奥の深い世界はありませんよ? 下手をすれば戻ってこれない? というか傾倒してしまえば一生では学び切れないぐらいに奥は深いです。

技術や知識、能力は日々進化します。私としても常に人の心の反応や技術、応用を探し勉強しているのですから・・・。

開業当時の私と現在の私、現在から「数年後の私」では中身は違いますし、技術は進化していなければなりません。

基本の理念や概念、基礎は同じであってもその時々や時節、時代背景や個性、症例にあったケースなどに応用力などは不可欠でしょう。

時代遅れの定型マニュアルを一方的に押し付けるだけでは対応は難しくなります。

私自身が煩悩を抱える普通の人間に過ぎません。確かに一般の方よりは人間の心の動きや反応に詳しい面もありますが、本来は悩み、苦しむ一人の男に過ぎないのです。

反対に言えば「ただの人間だから」こそ見つけられる道筋もありますよ。

私が超人かスーパーマンのようであれば、一般人の悩み事とか痛みとか苦しみとか理解できるわけがありませんよ(笑)。自身は傷つかない、歳をとらない、悩まないし死なない存在なら、「その他の人類」一般人の立場とか気持ちとかわかりませんから。

催眠を多少学んだ程度で教祖のようになりたがったり、催眠そのものを「何でもできる!」と安易なイメージで思い描くことは危険ですし、私は賛同できません。

求めていることや憧れていることはわからないでもないですが、それだけ(催眠のみ)では現実と向かい合えないと思います。イメージだけ先行させて妄想で膨らまないように。

どんなに解決を願っても依頼者や希望者の全ての期待にお答えすることはできない場合もあります。無理なものは無理だとはっきり断ってあげることも、自身に手に余るものは関与しないことも、カウンセラーや指導者としての勇気であり責任です。

その点も理解しながら知識や技術は勉強する必要があります。

手抜きをする人、責任を押し付けてしまう人は問題

覚えが多少悪いくらいは努力すればなんとかなります。

ですが、そういった人は他の人よりも時間がかかることを自覚し、手順などの確認や反復練習、イメージトレーニングは欠かすことが出来ません。「覚えが悪い」ことが問題なのではなく、それを克服する努力と時間を惜しまないことが大切なのです。

記憶力や判断力にはそれぞれ違いがありますからすぐに手順を覚え、簡単な催眠までならかけられる人もいますし、逆に異様に時間がかかる人もいます。

先にも伸べましたが、覚えが悪いとか勘が鈍い人でも地道な努力の末に上手になってゆく人はいます。むしろ、最初でうまくいってしまったがために調子にのってしまって転ぶ例のほうが多いくらいです。

ですから悲観的にならず諦めないことが肝心です。

私は催眠を覚える場合には技術的なことを早く覚えるとか手順を身に付けるよりも、相手(被験者)の気持ちを「理解する」感覚を身に付けることが大切だと思います。

空手やボクシング、英会話や生け花でも何でもそうですが、簡単に辞めてしまう人もいます。

基礎体力もなく、基本的な理論を覚えてもいないのに不向きを判断するのは間違いですよ(笑)。

何を判断するにしても、そこの部分が終わってから。

車の運転を覚えるなら日本の交通法規とか標識くらいは覚えておいたほうがいいでしょう? 英会話を覚えたいなら日本語の「語意」(ごい、言葉の意味)の理解が多少は必要です。

それを教えている最中に「何で英語で教えてくれないんだ」「もっと難しいテクニックを知りたいんだ」と言われても講師や教習所は困るでしょう(笑)。初期の段階で基礎を教えないほうが手抜きなんですから・・・。

初心者をいきなりF1カーに乗せる教官は頭がおかしいですよ?

事故起こして死んじゃいますよ。

格闘技や音楽教室でも次々に先生や練習場所を変える人がいますが、では、その場所(施設や先生)できちんと身に付いた人は一人もいないのでしょうか?

確かに先生や指導者を選ぶことも勉強においては重要なファクター(要因)になります。残念ながら催眠を指導している施設や先生の中には技術が稚拙(ちせつ)であったり、お金の話や宗教のような話しかしない連中もいますから・・・。

そういった所に当たった場合は時間の無駄というか命や家族にまで危険が及びかねませんから。とっとと逃げ出したほうがいいです。カルト宗教とか他人を操ることに快感を覚える異常者が催眠の看板を掲げているケースも過去には何度もありました。

おそらくですが、どんな指導も基本の部分は同じですよ(笑)。

きちんとしている指導者ほど基本を大切にしますし、危険を防止します。

反面教師とも言いますが教え方が下手だったり理解しにくい場合には、それも経験として今後の練習や自分が指導する側になった時の参考にして下さい。

どこに通っても身に付かない、うまくいかない人の場合、相手(教える側)だけではなく、覚える側の姿勢や取り組みにも問題があるのかもしれません。

もちろん、指導が巧い所に習いにいった方がいいのは当たり前の話ですが、ご本人の熱意や取り組む姿勢も重要ですよ。

神様にすぐになろうとする人がいます

笑えない話なんですけどね。これが結構いるんですよ。注意して下さい。

実際、催眠を教えている人の中には「私は催眠の大先生だ!」とか「私は世界で何番目に有名な催眠術師だ!」なんて吹聴する例もあります。

初期の頃はこのホームページで「どこでそんなコンテストがあったんだ?」「誰が世界一だと決めたんだ?」と散々叩いたものですが。さすがにネット検索が発達した今では騙される人は減ったかな? と期待します。

番組などに何度も出ていた私が言うのも何ですが・・・。テレビに何回出ているかなどは、催眠の指導とはまったく関係がありません。

聞いたこともないし見たこともない人が「私はテレビ番組に何度も出演した本物の催眠術師でカリスマだ!」とネットや講演会、主催している団体とかイベントで言い張ります。

今は昔と違ってネットも録画機器もあります。本当に有名な番組に出演していたり、しっかりとした実績があったらどこかに動画なり記録が残されていると思いますよ?

少なくとも自分を神様だと言い張ったり、気功だか前世だかと混ぜてカリスマぶるような人物をわざわざ番組出演させるディレクターはいません。

洗脳騒動やカルト宗教の問題もあって。番組もコンプライアンスが問われます。マルチ商法や強引な勧誘を繰り返してる人を出演させたら放送法、法令違反になってしまうでしょう。

その人(指導者)達の吹聴する技術力とか知名度とか組織の大きさなどではなく。相手の姿勢や人柄、取り組んでいる内容で評価して下さい。

催眠の指導を行っているとほんの少し催眠の初歩を覚えただけで天狗になり、自分の実力を異様に高く評価したり勘違いする人がいます。

このような感覚の人は基本を教えている最中にこちらの言うことを聞かなくなり、勝手に施術を始めたり、大先生ぶっておかしな団体の主催者を自称、開業してしまうようになります。

上記の「世界で何番目に有名な催眠術師」と同じように宣伝して自分が上位者だとネットで書き込んだりホームページを開設したら。一般人なんて簡単に騙せると思い込んでしまうようですね。

ラポール(催眠に必要な信頼感)の意味を取り違え、偉そうに振る舞ったり、凄い先生だと言い張れば誰でも催眠にかかる人が増えると思い込んでいるのは嘆かわしいばかりです。

マルチ商法まがいのやり方で「会員を集めてこい」だとか著書やグッズを買えと強引に迫る所もあります。底の浅い感覚の連中の考え方は双子のように似ており、すぐに独立だ開業だと煽り始め「そのために必要な資格をうちの団体が与えてやる」と言い出します。

要するに彼らは催眠に用があるのではありません。金儲けのため、マルチ商法や詐欺、誰かを騙したり利用するための道具や肩書きが必要なんです。

自惚れが強く、すぐに「教祖」になったかのような振る舞いに及び、ついには多くの友達や恋人を失ってしまったり、周囲にトラブルをまき散らす例もあります。

それでは悲しいですし情けないですね。心理学とか催眠はそのような浅はかな感覚のために存在するのではありません。知識を学び深く理解すれば必ずわかる筈です。

必要とされるのは、優しさや相手に対する理解

催眠の診療所ってね、あちこちにできた、と思ったらよく潰れています(笑)。

技法自体は数十年も前から存在しているのですから・・・。見え透いた煽りとか宣伝が診療所や相談所を流行らせるのではなくて、きちんとした取り組み、諦めない粘り強い姿勢が評判を生んで職業として成立させると思いますよ?

インターネットで催眠に関する知識を得たとしても、宣伝や依頼者の確保はどうしますか? 先に上げたようなマルチ商法まがいや資格商法をやってる連中から「何かを買った」としても。結局はそれだけで収入が約束されるわけではないのです。

知識の吸収や技術の裏打ちと共に、その人の経験や個性、持ち味や人柄が重要になると思いますよ? ただ単に催眠誘導ができる程度で周囲が尊敬してくれる筈がありません。

ですから街の診療所とか催眠のクリニックとやらが潰れます。良い鴨ですよ? 資格商法をやってる連中はそれをわかった上で高額な費用を請求していますから。

私に言わせれば催眠に関しては練習すりゃ誰でもできる。初心者の頃に難しいのは被験者の確保とか練習できる場所とか相手です。思い上がって本人が偉そうになればなる程、周囲からは人がいなくなりますから誘導も下手になるでしょう。

催眠って、他人が自分の思う通りに動いているような錯覚がありますから誘導をやってるご本人が自惚れてしまい易いんですよ。どちらかというと経験が長くなったり技術があがった分だけ謙虚にならないと、周囲から怖がられやがて誰にも相手にされなくなるでしょう。

傲慢さはある意味、度胸の良さや思いきりの良さにも繋がります。

ですので私は「適度な傲慢さ」程度は備わっていてもかまわないのではないか? と思います。私もどちらかというと若い頃は鼻っ柱が強かったですしね(笑)。

ただし、やはり傲慢さだけが先に立ち、練習や努力を怠ったり周囲に高圧的になる人はすぐに躓いてしまいます。催眠術が出来るから俺は凄いんだぞではなくて。そこは単なるスタート地点です。

社会には物覚えが悪くなかなかコツの飲み込めない人もいます。ですがコツコツと地道に努力を積み重ねた人の方が結果的に優秀になってしまうことはどんな世界でもよくあることです。

技術的に拙い(つたない、劣っている)場合でも相談者の悩み事をよく聞き、懸命になってトラブルからの脱出や力になろうと勤めた場合、優秀な「技術者」よりも感謝されることはあります。

野球の世界では「名選手、名監督にあらず」という言葉もあります。もたついたり失敗が多い人は、自分が覚えるのに時間がかかった分だけ謙虚さを忘れません。良い指導者になったりもします。

勘が鋭く、何でも簡単に身に付く名選手は「普通の選手」の悩み事はわからないでしょう(笑)。現役を引退していざ指導する側になったら何を指摘したらいいかがわからなくなります。

私自身は勘が鋭かったタイプなんですけどね。それでも指導をするようになってからは考え方が変わりました。覚えが多少遅い人でも諦めずに努力している合間に地力がつくので、技術的にも問題がなくなると私は考えています。

心を扱う技術であるだけにむしろ、小器用ですぐに手順を覚えたと錯覚したり、態度が豹変する人のほうがトラブルを起こしやすいですよ。

不器用であろうとも思い遣りや優しさを感じる方が、傲慢さを滲ませる相手よりも信頼され、結果としてより多くの依頼を受けるようになります。

利用方法の決まっている人

奥さんや恋人、自分の子供が苦しんでいる場合(精神的な悩みやアトピー性の皮膚炎など)それを「何とかしてあげたい」という強い愛情を持っていると、少々のことでは諦めません。

他人任せにするのではな、「私がこの子を直すのだ!」「助けてやりたいんだ!」という並々ならない決意や信念に、かなうものなどないのです。

そういった人の場合、どんな専門家よりも熱心でどん欲な場合があります。どんな優秀で親切な医者でも「熱心な親族」には適いませんよ。

患者は徐々に入れ替わるものですが大切に思う家族、恋人や友人はたった一人しかいません。救いたいとの願いが学習意欲を高め練習を手助けします。

誰かを助けるために関わった人間は途中で諦めたりはしないですからね。それがご家族や恋人なら尚更でしょう。利用方法が最初から決っているのです。

私が催眠に深入りするきっかけになったのも結局は同じ思いからです。

催眠で「誰かを操りたい」とか「先生ぶって崇められたい」ではなくて、元々は苦肉の策というか、自分が当時お付き合いのあった女性を救いたいがために勉強した部分があります。

その当時、私は地方都市に住んでいました。

大都市周辺には精神療法を取り入れる施設や病院もあります。最近はカウンセリングを行っている施設や病院も増えてきました。ところがそのトラブルに見舞われた当時は、そういったものが周辺には皆無でした。どこかに連れてゆこうにもその場所がわからない。

ブロードバンドが当たり前になってスマホや携帯でも定額料金になって。いつでも気軽にネットで情報が検索できる現代とは状況が異なります。

また、その場所が見つかった所で被験者(相談者や精神的なトラウマに悩む人)がその施設まで出向いてくれるとは限らない。対人恐怖症に陥っている例も多いのです。

病院に行くというだけでパニックを起こす例もあるんですよ。過呼吸になったり家から飛び出したり。「私を異常者扱いするのか!」と・・・。私の付き合っていた女性がそういうタイプでした。

そういったケースの場合は、誰かに会うとか病院に行くようにセッティングするだけでも一苦労です。外に連れ出すことも難しくなります。

私の巡り合ったケースのように、被験者に呼吸停止まで起こっている状態では不可能に近かったでしょう。それで私は自ら勉強することになりました。

私の元に習いにみえた医療関係者も「患者のために」というよりは、自身の身内とか家族の悩み事や精神的なトラブルを解消したいと望んで関わった方が複数いらっしゃいます。

学校の関係者、医療の関係者

学びに見えた方には医療や学校教育に携わっている方がいて。飛び抜けた集中力と強い意思を持つ方が時折、いらっしゃいます。

これは開業当初の予想に反していて私としても意外だったのですが・・・。私の作ったテキストをあちこちの医療関係者(医師、歯科医)が購入してくださっています。

私は実地で身に付けた側です。誰かに習ったものではない。だからこそ特殊な部分が強化された所もありますね。催眠誘導自体は当初(どちらかと言うと幼い頃)から成功していました。

ただし、それを医療とかカウンセリングに昇華させたり応用するには技術的、知識的な背景がとぼしく、それを強化するためにあちこちの方からお話を伺い書籍や情報を漁る必要が生じました。

図書館や書店だけでは足りなかったんですよ。医療の現場で実際にあった話などを伺いに連絡をとり、直接出向いたことも何度もありました。

本来、私はそういった方々に「指導を煽ぐ」立場だったのです。

一般人に広く催眠の知識を持ってもらいたいと願って始めたのがこのホームページで、医療関係者が私の指導の対象者やテキスト購入者になるとはまったく思っていませんでした。

私の開業前の予想だと、医療関係者などからは徹底して否定されることが多いのかと思っていました。

実際にはそうではなかったですね。医療関係者から温かな励ましの言葉も沢山戴きましたし、テキストを購入して戴いたり、練習会に参加してくださったりもありました。

やはり、自分の仕事に生かすことを考える方は覚えも良く理解も早いように感じられます。

お名前こそ出しませんが、大阪のある有名な私学の学校の理事長は「面白い授業や、生徒の興味を持つカリキュラムの一つとして催眠や心理学を考えたい」といって下さりました。

やはり嬉しかったですね。「生徒に催眠を行って成績をあげたい」という即物的な願いではなく、面白い授業、不思議な現象を直接みせることで、「勉強したい」「学校に来たい」「社会には不思議なもの、まだ知らないものがたくさんあるんだ」と言うことを教えたいと考えておられました。

生徒の知識欲を高めたい「生徒達の好奇心を刺激したい」と言ってくださったので。私はその指導方針を聞いて、素晴らしい先生で経営者であると思いました。

今では甲子園の常連校で高校野球の強豪校になっています(笑)。スポーツ医学や医学療法士の育成にも熱心で。その当時からの理事長先生の取り組みが活かされていることに喜びを感じます。

ある塾の先生は「塾生の中には強いストレスを感じている子供もいる。その子供のストレスを軽減する方法として催眠の技術を応用できないか?」と言って下さいました。

嬉しい事に催眠に興味があって私に「習いたい」と言ってくださった方は、催眠で学成績をあげようだとか、無理にでも勉強をさせるようにしようなどという浅い感覚の方は殆どいませんでした。

時折、「私は催眠の大先生だ!」などと自称、宣伝する人の中には、そのような主張(子供を強引にでも勉強させられる、親に言いなりにさせられる、など)をする人もいるようですが・・・。

私は子供の頃からどうも反逆児で「学校の先生」に考えを押し付けられるのは苦手でしたから(笑)。当然ですが、催眠を用いてそういった行為を行ったり、子供を操ろうとする連中が大嫌いです。

勘違いはしないで下さい

開業当初、まだ30代前半だった私から催眠などの技術の勉強に熱心に取り組んでいる姿は「今だにこのような先生もいるんだな」と感じ、とても頭の下がる思いがしました。

番組等に出始めるずっと前の話ですからね。何の知名度も実績もない頃にこのホームページに書かれている内容だけを見て信じて会いに来てくださったり依頼してくださった方々がいたのです。

今も深く感謝しております。

反対にメールで「私も催眠ができます」みたいな、恥ずかしい自慢話を延々とメールで送ってこられた学校の先生もいらっしゃいましたが・・・。そういった人のメールも全て保存してあります。

確か催眠が出来ます、などと私にメールで自慢する暇があるなら「生徒のために何が出来るか真剣に考えなさい」と叱った覚えがあります。

当時、30代前半に過ぎない若造である私に、そんな叱責を受けなければならないその「先生」もそうとうに恥ずかしいですが・・・。何が言いたかったんですかね?

「私もできるんだ!」というような自慢をする暇があるのなら、先に連絡をくださった先生方のように教育の現場、生徒の指導やストレスの解消に「その技術をどう生かしてゆくのか?」を考え、真剣に取り組むべきだと思うのです。

常に私が周囲に話す言葉ですが、催眠や施術は「できる」のではなく「行う」べきものです。

相手の立場や気持ちを理解し、何を「行うか?」が重要なポイントになります。

催眠をできるようになったと周囲に自慢したり誇ったりする人に、生徒の悩みや苦しみを解くことができるとは到底思えません。本当の意味での催眠や施術の「上手な」人も存在しないでしょう。

他人の「苦しみ」を理解しようという人間が、その技術のみを誇るとは思えないからです。

逆にいえば、どんなに拙い(つたない)技術や知識でも、生徒や自分の子供のことを真剣に思い、懸命に努力を重ねるとすればそれが悪い結果ばかりを招くとは思えません。

催眠や心理学、カウンセリングとは「相手の心を理解する」技術に他ならないのですから・・・。

安易に「子供に強引に勉強だけさせればいい」と考え、「テキストセットを購入すればすぐに子供を親の自由に操れる」と考えるような底の浅い、お母さんやお父さんもいるようです。

そういった感覚でメールを送ってくる人には私は必ず、こう申し上げます。

「子供は親の所有物ではありません」

子供は子供の生き方があり都合がある。いくら親だからと勝手に操ったり好きに扱っていいってことにはなりませんよ。時代背景や常識は猛スピードで移り変わっています。強引に「親に従え!」と押し付けることで子供達が幸せになると私は思っていません。

※これについては催眠に対する考え方「催眠と教育、社会問題について」などを参照

これは初期の頃から何度もホームページ上で申しあげていますが、あなた(達)を育てられたご両親が、あなた達にそのようなことを行おうとしたとしたら嬉しいでしょうか? 子供は親に全て黙って従って一切逆らってはならず、ロボットのようにプログラムをインプットされるのですか?

それじゃ都合のいいペットのようです。粗相をしたり出来が悪いとあっさり捨てられそうですね。

私はそのような行為には賛成しませんし、当然、指導も応援もしません。

テキストセットは、そのようなことに用いるために制作したものではないのです。

マルチ商法まがい、公共団体を名乗る連中に引っかからないように

努力もせずに簡単に手に入る資格、技能、能力であれば、誰も必要としませんよ。そんなものは誰でも簡単に「買うことができる」からです。

資格や技術は本来、「勉強する」「習得する」ものであって、「お金を出せば簡単に買える」ものではないことを理解されてください。

基本的な概念が違います。お金を使って「習う」ことはできますが、「買う」ことはできないのです。

どんなに素晴らしい実績を持つ指導員や教官がいたとしても習うのは本人です。塾や予備校の講師が代わりに試験を受けられる訳ではない。

指導を行ってベストを尽くすのはプロとして当然ですが、試験に通るとか技術が身に付くかどうかはご本人次第なのです。

お金をかけることだけではなく、やはり、自分で諦めず取り組む姿勢が大切です。学ぶ側にその姿勢がないと指導する側がどんなに熱心になっても長続きしません。

金さえ出せば「買える」程度の技術はあなたの生活の役に立ちませんよ。お金を集めるために売れらている資格や技術は「売っている人達」が生活したり儲けるためにあるのであって、買う側の生活に役に立つかどうかは別問題です。

高いものならば価値があるかというと、それは違うでしょう。

おそらくは「高いお金を出してやっと資格を買った」時には遅過ぎると思います。その頃には、そんな資格は巷に溢れていますから・・・。

催眠の大手団体だとか協会や公益団体を名乗って高額なテキストを売ったり練習会を謡い、資格審査を行っている連中が存在します。これは私がホームページを公開した1997年頃から続いています。

資格商法とか侍(さむらい)商法といって、大昔からある詐欺の典型例なのですが・・・。

気をつけていただきたいのは「高い金額を支払うこと」が技術の価値を高めるのではないことです。高い料金を設定している所が正しい指導を行っているとか、高いスキルを持っているとも限りません。

被害者からの報告として聞いているのは、指導と称して大広間のような所に大勢で押し込められて念仏のようなものを唱えさせられたり「次までに何人の紹介者、子会員を勧誘して連れてくるように」と命令されるそうです。

高いお金を出したからとそこで執着せず、危ういと思ったら逃げてください。その手法は洗脳と呼ばれるものでありオウム事件などで行われたものの焼き直しです。そういった連中の残党とか団体が名称を変えネットで活動しているとの報告もあります。

私は「催眠術師の資格」を売ってはいませんが、やる気のある人に指導は行っています。

自分で肩書きや背景、どこかとの繋がりを誇ったり、ヘンテコなグループを組織したり催眠団体? の幹部になったりはしませんが、自分の学んできた技術や経験は教えることができると考えています。

指導料は他の「催眠の大先生」に比べれば安いかもしれません。グループ指導では頭割りで交通費等が安く抑えられるように努力しますし、最近はネットでの通信教育も行っています。

サイトを運営開始して20数年ですからね(笑)。途中で嫌がらせや成り代わり、荒らしとか匿名での誹謗中傷にも苦しんだので、私のネットやパソコンに関するスキルは相当に高くなっています。

自作自演や強引やマルチ商法まがい、そのやり方でヒット数を集め、信憑性を増そうとしている連中がいることは忘れないでください。それに乗せられて引っかかるマスコミ関係者や一般人が多いことは重々承知していますが、私自身はそのようなやり方を行いません。

私には私の信念があってここまでの20数年間を歩いてきましたので、今後もそれに従います。

経験と知識、勉強や努力は裏切らない

催眠に限らず何かを覚え、何かをこれから始めるには信念を持ってください。

若い世代ならまず「自分を信じること」です。

自分を信じることができない人が他人に信頼を寄せられ、深刻な相談や心の悩みを打ち明けられることなどありません。自分を信じてまっすぐに努力すること。技術の習得や練習はそれに尽きます。

ただし、自分を信じることと「自惚(うぬぼ)れる」こととはまったく違います。

努力を重ね、何があっても決して諦めないことが信念で「何の努力も勉強もしないのに」自分には実力があると思い込むことが「ただの自惚れ」です。

その辺りは誤解なさらないように。

私の座右の銘でもあり、昔から信じていることはたった一つだけです。

努力は人を裏切りません。経験や知識こそがその人の財産です。

技術は経験です。経験であると同時にこれまでの道筋です。自分で苦労して学び、努力して身に付けた技術、知識、経験はその人を絶対に裏切らない。それが私の信じることです。

人は「嘘」をつきます。誰かを騙す者も裏切る者も盗む者もいる。悪意が無くても誰かの思惑に躍らされて悪口を言い出す者もいますし、勘違いや錯覚も付きものです。

私自身もこれまでに何度も経験していることです。

悪意がなくても立場や環境が異なれば感覚も違う。それまでは仲良しだった人が手の平を返したり、中傷を始める例もある。

これはまあ催眠とか心理学の範疇には収まらない話ですけどね。

販売の実績とか技法でも同じです。心理学やマーケティングはその「経験を」わかりやすく整えただけでしょう。いわば後付けで理論がくっついただけです。

誰かが苦労して身に付けたことが、結局はその人の糧になり身を助けるのです。

事情によって人の対応は異なります。結果として道筋が違ったり、誰かと一緒にやっていけなくなることもありますが、自分で学んだ経験とか技術や知識は絶対に裏切りません。

それは誰も奪う事が出来ないのです。

私もこれまでに散々嫌な思いはしています。信頼していた人に現金を持ち逃げされたとか、付き合っていた女性が二股や三股をかけていたとか、多額の費用を注ぎ込んでやっていた事業を横取りされそうになった、部下や仲間に裏切られたなどは枚挙に暇がありません。

長い人生です。そういった経験も一度や二度じゃないんですよ。

ただし、私の技術とか経験は奪えない。誰かの受け売りとか盗用ではないですからね。だから生き残れるわけです。その知識や経験を文章とか技術に変えて今も生活していることになります。

自分の努力や勉強、練習を信じること

他人をあてにして見え透いた物まねや模倣に走らないこと。それが結局は自らを励ます指針となり、これからの道筋を示す杖(つえ)となるでしょう。

アンチョコ本(安直、という言葉から来たそうで解答が簡単に手に入る参考書)とか模範解答例だけを漁っても身になりませんよ?

それは誰かの作った道筋でその時の解答であって。今後は違うのかもしれないです。催眠を深化させる手順にしても100年も前からある手法を延々、使い続けるというのもおかしな話だと思っています。

これは施術やカウンセリング、催眠誘導だけに留まりませんが多少の紆余曲折、回り道があっても信じて努力すれば目的地にたどり着けます。

気がつけば私ももう50代になりました。

年齢が上昇した分だけ保守的にもなりがちですし、勉強や練習は苦痛になります。それでも学ぶ意思のない者には何も与えられないのです。その人の「強い意思」こそが道を切り開きます。

上記しましたが、私が30代の頃、見ず知らずの私に頭を下げ勉強したいと申し出てくださった医師や医療関係者、学校の先生や塾の経営者がいます。

私は当時、凄く感動しました。

私個人の経歴や実績を知らず、私がどんな人かもわからないままホームページに書かれた私の文章やテキストを信じ、お金を払って学びに来てくださった方々がいます。

私はできれば、幾つになってもその方たちと同じように謙虚でいたいと望みます。

年齢が上昇したこととか、キャリアが増えたことを理由に高慢になるのは最も愚かしいと私は考えます。

この歳になってWordPressを一から学んだり。電子書籍の出し方とか書き方、アメリカへの許可申請とか出版用のISBNコードを取得するとか。そりゃ難しいですよ。全てを一人でやっていますので、正直誰かに丸投げしたいとか文章を書くことだけに集中したいとも思う瞬間はあります。

やるべきことは無数にあってね。大変だとは思いますが今も研鑽は続けています。

学ぶ事や挑戦することを辞めるのではなく、年齢の上昇を憂い若者を嘆く歳寄りになるのではなく、自分の経験や知識が増えたことを喜び、年齢、性別、職種や相手の背景には関係なく色々な立場の方から学びとれる柔軟さを持っていたいと思います。

それが私にとっては「信念」と呼ばれるものであり「挑戦」です。

その意思こそが「自分を信じること」につながって道を切り開くと思っています。

これは著書の巻末にも書いた言葉ですが、私は両親から「自分の信じた道を行くように」と言われ、今の名前(信行と言います)を授かりました。

これからもその名前を信じ「自分にしかできないこと」を探そうと思っています。

道はまだ遠く行く先の果ては見えていませんが、苦しみながらでも探し続ければきっと何か探し出せたり、誰かと歩んだり何かがみつかることもきっとあるでしょう。

結論を言うと「催眠が出来るようになる人」とは催眠をかける才能がある人ではありません。

結局は誰かを助けたいとか力になりたい、と考えはっきりとした目的意識や目標があって粘り強く勉強と練習を重ねる人ですよ。

私にとって催眠や心理学、インターネットというシステム、何より「このホームページ」は、自らの道筋を探す途中で出会った、自分自身や相手の心を知るための道具なのです。

同じような「志」(こころざし)を持つ人が一人でも多く、このサイトを訪れて下さることを望んでいます。

このコーナーの初稿は1997年に書かれています。年数が経過しましたので2017年のサーバー移転の際に、読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

► 催眠と教育、社会問題について(関連事項)

催眠と教育、社会問題について

1997年10月 初稿

2017年12月07日 加筆、修正

谷口信行

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