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ラマーズ法は催眠の応用

2009/12/15改訂
2000/04/15初稿

催眠の知識の応用は様々にあります

私は催眠にかからない?

以前に面白い体験をしました。ある主婦の方にお会いした折に「私は催眠なんて信じないし、催眠になんてかからない!」と猛烈に言われたのです。驚きました。

ご自分で私のホームページをみて面談を申し込んできたのに、直接、お会いすれば催眠そのものを否定する。そういった人も結構います。

不思議な話だと思いませんか?

まあ、私にすれば「またか」と言う感じなんですけどね。ご本人に心理的な抵抗感があるのでしょう。悩みや苦しみを打ち明けたいと望み、自分を救ってくれる人や施設、病院を探しながらそれが見つかりそうだと思うととても怖くなる。

そういった回りくどい表現や反発も、心因反応ですしそれに答えるのはカウンセリングの一部です。その方はこれまでもそういったことの繰り返しなのでしょう。あちこちに相談に行っていると思われます。

催眠の場合、直前になって逃げ出してしまう人も時折、いらっしゃいます。

無理もない話で自分の過去の経験、恥ずかしい部分や悩みを赤の他人(第三者である私)に相談するのはとても勇気の要ることなんですよ。

自分の全てを知られるのではないか?との錯覚も生まれがちです。私が何かをしゃべるのではないか?とか家族に知られるのではないか?と思う人もいます。

直前になってそういった恐怖が生まれれば否定してもおかしくはないでしょう。私としては無理に催眠を勧めることはまったくないのですが(笑)。

向き不向きもありますし、かかる人もかからない人もいらっしゃいます。むしろカウンセリングや面談のみで解消を計ることもあり、環境整備も含めた総合的なバランスで捉えています。

私の場合、催眠を用いるかどうかは、事前によくお話を聞いてから決めています。なので殆どの心配は杞憂(きゆう)なのですが、いきなり催眠をかけられて洗いざらいしゃべって知られた上に何かをされて操られる、と思い込んでしまう人もいます。

本人が気がついていないだけ(笑)

どういった相談を受けていたかどうかは割愛します。このコーナーでは催眠の応用方法、一般に浸透している技術について記述します。

打ち合わせのためにお話をする(当時は事務所ではなく、依頼者指定の喫茶店でした)うちに、面白い部分に気が付いたのです。

その方は以前に出産されていました。その出産された病院が、私のよく知っている病院だったんですよね。関西にある病院です。そこの病院は無痛分娩、俗に言われる「ラマーズ法」を実践されており、当然、その主婦の方も、呼吸法や方法を習い、練習会に参加されていたのです。

「実際の出産の際に、痛みはありましたか?」と聞くと「まったく痛くなかった」のだそうです。

これには思わず、笑ってしまいました。

その病院にラマーズ法の指導、つまり呼吸法や観念動作、催眠の応用の技術を用い、従来のやり方にアレンジを加えたのが他ならぬ私だったからです。

院長と知り合いですよ、とか昔から懇意にしていますよ、とは一言も言いませんでしたが・・・。

それ(催眠)を信用させるために、私が適当なことを言っているとか思われたくなかったので・・・。

昔は否定されていました

今でこそ、ある種、ポピュラーになりましたが、ラマーズ法って初期の頃は徹底的に否定されたんですよね(笑)。取り入れていた病院や施設は皆無に等しかったと思います。

特に日本では用いる所がありませんでした。

理由は「なぜ、効くのかよくわからないから」です。

「旦那が側にいて、奥さんの手を握り、『ハッハ、ヒッヒ、フウフウ』と呼吸を繰返すと出産の痛みが消えるなんて、馬鹿みたい」と、言われた物ですね。

確かに横で見てると、「ほんとかなー?」と思いますよね。呼吸法や手を握る程度で痛みが消えるなら麻酔はいらない。殆どの痛みとか苦しみが、その方法で消えることになりますから。

ただ、安易に麻酔を用いると体内の赤ん坊や母体に負荷をかけることになります。万が一ということもありますし、できる限りは自然に分娩を終えたいでしょう。

それでラマーズ法などが用いられるようになりました。

海外の映画やドラマにも、ラマーズ法のシーンが何度も登場します。よくあるのは手術着や入院着、妊産服に着替えた奥さんの横で、ご主人が必死に手を握っているシーンや、医療もののドラマで妊産婦が複数集められて医者(またはカウンセラー)が指導を行っており、ご主人がそれに付き添うシーンです。

古い話ですが、私が中学生の頃に観た映画(主演スティーブ・マックイーン、遺作となったハンターという映画です)でも、主人公が奥さんの手を握り、必死で呼吸法を一緒にやってました。

当時の私はちょっと感動すると共に、「あれで本当に効果があるんだろうか?」と不思議に思ったものです。男なら尚更でしょう。夫が側にいて手を握って呼吸を合わせることに何の意味があるんだろう?と思いました。

それはちょうど、私が催眠に興味を持った頃とも重なりますね。初代の引田天功さんがお亡くなりになった頃でしょうか?

本当に「効く」かどうか?

私はいわゆる実践主義です(笑)。誰が否定しているからなんて関係ないんです。

常識と異なる、今の手法と違うも関係ない。周囲がどう思っているか、それが世間に浸透しているかどうか? もあまり関係ないんです。

私にとってはその方法で「実際に痛みが消えた」と言う報告があるかどうか? という事実が重要なんですよ。

もっとはっきり言えばその情報が嘘でもインチキでも偶然でもいいんです。偶然であるかどうかは、自身でじっくり分析して多くの情報を集めてみればおのずとわかってくるでしょう。ヒントとしてそういった現象や情報、噂があることが大切なのです。

実際の報告例が何件かあって、それが増加する傾向があるならば、当然そこには何かの必然性、つまり理由や原因が存在すると考えます。

催眠やプラセボ(プラシーボとも言います。にせ薬)効果なんてのもそうです。初期の頃は誰も信用しませんでしたが、後に同様の報告が相次いで徐々に常識として社会に浸透したものがある。

効果があるなら、技術として確立すべきで詳しく調べるのが当然でしょう。

まして暗示の場合には身体的には悪い影響が少ない。投薬とか麻酔とは違い副作用もあまりないでしょう。ラマーズ法が「手を握るだけ」でも実際に効けばいいんです。

以前に映画から衝撃を受け、知り合いの医者からそのような話(ラマーズ法が効く)をされた私は、ラマーズ法についても興味を持ち、文献を漁ってみることにしました。

観念動作「振り子の運動」

病院でラマーズ法を取り入れている所ではですね、昔のように呼吸法を中心に教えるより先に観念動作、ペンジュラム(振り子)を持たせて、先を見つめさせる部分から始める所が増えています。

振り子を持たせてじっと見つめさせ、意識を集中して回転するように「願う」という手法は、ダウジング(興味のある人は検索してください)や自己暗示の方法として心理学で習うものです。

要するに、振り子を意識させることで無意識の行動、筋反射を微妙に起こさせるようにして振り子を自在に操る練習をするのです。その筋反射、無意識の領域まで踏み込んで筋肉を緩めたり動かす反応を強化して、結局は子宮の痛みなどにも応用しようということです。

難しかったですか? 簡単にするとヨガの導師は長年修業すると心拍数まで自在に操れると言います。自分で意識して不随意筋、すなわち手足のように意図的に動かせないはずのものまで自在に制御します。

腸の蠕動(ぜんどう)とか・・・。腸を自分の意思で動かして、便秘を解消したり腹痛を治せるとも言われています。ヨガの概念においては「動かせない筋肉や部位はない」ことになっています。

彼らは強烈な痛みまで制御します。痛くないと思い込むことで実際に脳内ホルモン、脳内麻薬を分泌して物理的に痛みすら消せるのです。

これが催眠でなくて何なのでしょう(笑)。イメージトレーニングにおいても脳内ホルモンの分泌をみますが、催眠や自律神経調整法、ラマーズ法においても「ヨガの導師」と同じような効果が得られることがあるのです。

催眠を勉強する時に基礎に行う「観念動作」と一部はまったく同じ物なのですよ。自律神経の訓練法でもよくペンジュラムは用います。

まあ催眠の場合、あまりに観念動作にこだわり過ぎると、かえって本質の理解から遠のく事があります。ですので私は行っていません。

自動習字法がどうこう、なんてことをメールで質問してくる人が時折いますが典型例です。

それは江戸末期から明治時代初頭に流行った観念運動の一種です。そんな古くさい手法を、どこのお馬鹿さんが今さら引っ張り出して指導などと振る舞っているんだろう? と不思議に思います。

意識を集中させるために、ペンジュラムや光をじっと見つめさせるのは用よくある方法ですね。対象者にペンジュラムを片手に持たせて、じっとその先を見させます。

「私が右に回る、と思うと自然に振り子が右に回りはじめる」と意識させるのです。すると、あーら不思議、自分では力を加えているつもりもないのに、だんだん、振り子は右に回り始めるのです。

いわゆる無意識の領域に自分の意識を向け、集中させるために一般人にもわかりやすい振り子などの小道具を用いる訳ですね。

ラマーズ法の簡単な解説

ラマーズ法についての詳しい解説はここでは避けます。諸説ありますし、また簡単な解説だけもかなり長くなってしまいますから・・・。

ここで「それが本当かどうか?」を論議する必要はありません。大切なのは、その技法や手法を用い妊産婦の方の痛みを軽減させるために、積極的に導入、指導している病院が現実にあることなんです。

ラマーズ法の基礎的な概念としては、観念動作や呼吸法を用い、「自分の内側(もしくはパートナーの男性)に意識を集中させる」ようにして、痛みとは違う部分に意識を集中、それを徐々に変革して方向性を持たせ、最終的には痛みを「自分の意志で」コントロールするようにしてしまおうと考えられた内容です。

こう書くと難しいですね(笑)。漫才のような話で例えると「足が痛いから頭をもっと強く叩こう。するとそっちの痛みで足の痛みを忘れる」ってなモンでしょうか?

ちょっと似ています。

これは流石に例えが悪いですね。もっとわかり易く言うと歯の痛みがあります。

神経がむき出しになって痛みがあるならば、それが和らいだり、強くなったりするのはおかしいですよね? 「痛いものは痛い!」んですから。

それは傷口と同じです。開いている傷口、特に歯はある程度症状が進行したら自然治癒はないんですよ。悪くなる一方で閉じることはない。

ところが、我慢しているとスーッと痛みが引く瞬間があります。「気が付くと」痛みが消えている場合があります。

それを不思議には思いませんか?

これを医学的に解説するならば、脳内から痛みを中和するホルモンが分泌されていることになります。

要するに「自己麻酔」ですね(笑)。痛みや苦しみを軽減するために、外から薬物を投与するのではなく、自力で軽減させたり忘れさせる方法というかシステムを「人間は最初から」持っていることになります。

ただ、ちょっと難しいのはどんな時にでもそのホルモンが分泌されるわけではなく個人差もあります。望んだ時には出ないで痛みにのたうち回ることもあります。

ですから体験者が「ホルモンの出し方」や「イメージトレーニング方法を」指導することで積極的に分泌を促そう(うながそう)ということになります。

意識による結果の違い

歯に意識を集中している最中はなかなか、痛みが消えないんですよ(笑)。意識が集中しますから・・・。

「痛いよー」って集中してると痛みはなかなか引きません。これも面白いですね。

怪我をした時にその傷をずっと見る人はなかなかいませんよね? どっちかって言うと目を逸らす場合が多いです。見ていると意識がそこに集中しますし、痛みは増すようにさえ感じますから。

男性に至っては、出血性ショックで簡単に亡くなる例もあります。人が体内から失うと危ない血液量は約2000ccですが、男性は更に少ないのです。失血致死量に達してもいないのに、自分が「死ぬのではないか?」「こんなに血が出ている!」と思って心理的に動揺したりショックを受けてしまうと死期が早まります。

これも興味深いのですが、死を強く意識してしまったり自分が死ぬのではないか? と思い込んでしまうと脈拍が弱まったり呼吸が止まってしまうことがあるんですよ。

女性は生理などで自分が出血することに慣れているせいか、出血性のショック、致死量に達する前に亡くなる例は、男性よりもかなり少なくなります。

男性であれば出血時には女性より死の危険が高まります。これは医者であっても同じでしょう。手術中でも見ているのは「他人」の血であり実体験ではありませんから・・・。

軍人で実戦経験があり、過去に出血を体験して助かった人なら一般人より遥かに強い耐久性を示すでしょう。

知識の問題ではなく慣れとか経験、結局はご本人の意識の問題なのです。意識してホルモンの分泌を行うことは可能なのですが、やはり練習や体験無しに簡単に行うことはできません。

それだけ人間の意識は大切なんですよ。生き残る気力にもなりますし、痛みを消すこともできる。ただし、その痛みを消す「ホルモン」は選択的に働きますし、いつでも常に出続けている訳ではないのです。

代表的な脳内ホルモンとしてβエンドルフィンやドパーミンがありますが、そういった脳内物質でも出っ放しだと困るのです。いつも脳内がフニャフニャしていてぼんやりしていたら仕事にも運転にもなりませんし、反対に活発化、常時高回転していたら寝る事すらできませんよ(笑)その時々にあわせて使用する必要があるのです。

難しいのは「意図的に制御すること」です。本来は痛みとは危険への警鐘であり通達です。命の危険を避けるために痛みは信号として伝わるもので、その情報を受け取ることができるから、人間は危険を察知できますし、悪い部位を知るのです。

それを出産時だけ、意図的に制御して薬を使わずに痛みを制御しよう、と考えた人達がいる訳ですね(笑)。今から数十年も前に。

ラマーズメソッドも変化してきている

この方法の初期の方法、つまり「パートナーに手を握って貰う」ようにする、とか「呼吸を一緒にする」ことで、痛みをパートナー(男性)と「分かち合う」などを考え付いた人は、天才ですね。

一説にはアメリカのインディオから教わった人が始めたと言われています。最近になって解説や理解が進み、催眠と重なる部分がわかってきたんですよ。

初期のラマーズ法ではパートナーの男性に手を握ってもらうことが絶対条件でしたが、現在は違ってきています。シングルマザーなども増えましたし、女性の社会進出も著しい物があります。今は必ずしも男性の手(手伝い)を必要としない方法も模索されるようになりました。

意識の変革に他人の手の「温もり」を用いるのは、催眠においても有効な手法です。専門用語で言えばパス(接触法)と言われるもので私はよく用います。(初級のテキスト参照)

ですが、それが必ず夫でなければならないとは限りません。もちろん、信頼する家族や夫であればそれはそれに越したことはないでしょうが、看護婦さんや医者、友人や兄弟であっても基本的には構わない筈なのです。

もっと突き詰めれば、自分自身でも練習次第では行える筈なんですね。

指導する私からすれば、少々やっかいなのが「私は男」なんですよ。

残念ながら「ちょっと(楽な出産方法を)調べてみたいから妊娠する」訳にはいきません(笑)。実践主義の私は、色々なものを自分の身体で試すことが多いのですが、第三者とか妊婦を使って実践する訳にもいかないですね。

もっとも自己催眠で痛みが消えるのかどうかを確かめてみたくて、親指の爪を自分でめくった、腕に針を刺してみたくらいのことはありますよ(笑)。

人間の極限、精神の限界を知ってみたくてスクワットを2時間(3千回ほど)続けてやって倒れたこともありました。初期の頃でしたので知識と経験が足りませんでした。脱水症状を起こしてしまいまして・・・。

まあ、これは笑い話ですが。

おそらく、出産の「痛みとか苦しみ」はそんなものとは比較にならないでしょう。

指導する側の私としては、どんなに努力したとしても出産の痛みや苦しみを知りません。そこがウィークポイントでした。

自己改革の難しさ

ラマーズ法の中に「催眠の技法、応用があること」は間違いないと思います。

ラマーズ法はですね、自己催眠と他者催眠のちょうど、中間くらいにある、と考えれば理解し易いでしょう。

自己催眠からは微妙にズレます。そこに他人が介在するのですから・・・。自己催眠として取り組むのであれば、他人の手を握るとか呼吸を合わせるは必要なくなります。ヨーガの導師と同じような方法で自分一人で腸を蠕動(ぜんどう)させたり、痛みを消すトレーニングに推移していると思います。

厳しい戒律の中で長年に修業を積んだお坊さんでさえも、護摩焚きの炎で火傷をする方がいます。反対にどう考えても火傷しそうな位置で平気で修業や勤行を行って長時間、念仏を唱える方もいます。それで怪我も火傷もしない方もいるのです。

意識改革とかホルモンの分泌、自己催眠は個人差があってそれなりに難しいのです。

だから「他人の手」や「ぬくもりを借りる」のです。呼吸を整え「一緒に苦しんでもらう」のです。その意識を両者が共有することで夫婦の絆を強め、子供の誕生の喜びを分かち合うのでしょう。

この方法を考えた人は天才だ、と私が思うのは「痛みが消える」ことにではなく、これを夫婦(パートナー)との関係に置き、痛みを相互に分かち合う手法にしたことですね。

特殊な人間のみ、例えばお坊さんやヨガの導師のような長期間、修業を積んだ人間ばかりではなく、一般の主婦や普通の妊婦にできる方法に拡大したことが素晴らしいことだと思っています。

繰り返しますが、自己改革において「自己催眠」や自己暗示「だけ」の利用はかなり難しいのです。

私は爪を剥がそうと平気ですし、指詰めるくらいはできるかもしれません(笑)。奥歯をペンチで抜く、足の骨折くらいでは痛いと言わないかもしれません。

要するにその程度というかそれに近いことはやったことがあります。自己暗示を強烈にやったので、痛みや苦しみを我慢できる傾向が強く、腕立て伏せを数百回連続でやったり、長時間、片足で立ち続ける、断食を数日行う程度はできます。

足の指が折れて膨れ上がっている時も仕事には行きましたし・・・。それくらいなら「我慢」できますし、打ち消すことも可能です。

が、麻酔も効かないほどの痛み、例えば尿路結石で救急車で運ばれるような事例もありましたから、自己催眠だけで全てを片づけるのは不可能でしょうね。

練習は誰かと一緒に

自己催眠は自分自身で自己の改革を目指す物です。よく勘違いしている人がいますが、だからと言って自己催眠は「全部、一人で」行えばいい、と言う物ではありません。

導入部分は、誰かと一緒に練習しても構わないんですよ。

ラマーズ法の優れている部分は、出産を控えて不安な気持ちも抱えている妊産婦に、同じような環境にある女性の姿を見せ、また、一緒の呼吸法や観念動作を練習するようにして不安感や痛みを「同じ環境にある人と共有する」部分にあります。

特に初産(ういざん)を迎えるお母さんにはかなり良い方法だと思います。皆、始めての体験は不安になります。まして、出産は人生においても一大イベントです。

昔は出産時の死亡例は極めて高かったんですよ。今も発展途上国では亡くなる方がたくさんいらっしゃいます。医療制度やシステムが発達した日本では忘れられがちになっていますが、そんなに簡単でも安全でもありません。危険も伴います。

最初の現象ありき、です。理屈や解説は現象の後にくっつくんですよ。痛みが軽減し、少しでも楽になる人が増えるならばそれでいい、と私は思っています。

誰かの手助けを得てそこから痛みを軽減し、自分の生活や出産に活かせるならばこんなに素晴らしい話はないと思います。ラマーズ法においては副作用などの報告はありません。

ラマーズ法を用いても痛みが軽減しない、出産になった場合に難産である、逆子や痛みがあまりにも激しい場合には帝王出産に切り替えてくれる病院もありますよ。

ラマーズ法について練習会を行っている施設や病院は各地にあります。興味がある方や出産を控えている方はぜひ、問い合わせて下さい。

このコーナーを読んでいる世のお父さんも、嫌がったり面倒くさがったりせず、一緒に練習に励んでください。

何も私のように自己催眠を極めて爪を剥がせとか、腕に針を刺せとか倒れるまで3千回ほどスクワットをしろとは言いません(笑)。

自分の奥さんと子供を愛おしいと思い、一緒に痛みを分かち合おうと思い、わからないままでもいいですから時間を割いて一緒にいることこそが奥さんを励まし、家族を支える力、子供さんが無事に生まれてくる励ましになると思います。

狭い範囲で考えないで

先に書いたラマーズ法で痛みが消えた主婦の方は、その後、私の催眠誘導に気持ち良くかかりましたよ。「おかしいなー?」と頻りに頭を捻っていたのが、印象的でした(笑)。

私にすれば催眠にかかるための基礎トレーニングが終わっているのですから、催眠にかかった経験のない人を誘導するよりは遥かに簡単だったのですが、やはり不思議だったのでしょうね。

その方にも、後でそういった事情を説明すると、彼女にも朧げながら理解できたようです。後で説明する、というのが重要なポイント。

先に詳しく説明してしまうと身構えてしまったり偏見が拡大する例もあります。

「催眠だ!」と変に身構えてその部分にだけ変に執着したり反応するから勘違いするのです。当然ですが拒否反応も起こる。

触れ合ったことのない技術や知識に偏見があったり、拒絶反応が起こるのは当たり前ですよ。それをうまく乗り越え、相手に上手に理解してもらうことも「催眠や心理学に関わる者」にとっては仕事の一部でしょう。私はそう捉えています。

これは催眠術で「女性を脱がせる」「感じさせる」などといった番組が頻発した時代や、おかしな漫画、事実関係を調べもしないで書いてある小説、ずさんな取材内容のまま報道してしまった番組の影響なども根強いのかもしれませんね。

催眠とは本来、そういったものではありません。社会に心理学や催眠の応用の技術はたくさんありますよ。一般の方が「催眠や心理学の応用だ」と知らないだけです。

これはほんの一例に過ぎません。

催眠を学ぼう、心理学を齧ろうという方は、狭い範囲で考えず広く物事を見ればわかりますよ。自分の視野や広く広く持ちましょう。知識の幅を狭めるのは偏見です。心理学を学ぶものが最初から色眼鏡で見ていたのでは面白くないですよ。

広い範囲で物事はみましょう。

知識を広げるのは好奇心です。好奇心は「不思議だな」「面白いな」と思う心が育てるのです。自らの好奇心を満たすため、偏見を持たずできる限り幅広いものに目を通し興味を持ちましょう。

その興味、好奇心こそが、技術や意識を高めると思います。

2000年04月15日 初稿

2009年12月15日 加筆、修正

谷口信行

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