12.15
2009/12/15改訂
2000/04/15初稿
古い知識を元に偏見や錯覚を持ってはならない
古い、古過ぎる(笑)
マンガとか書籍で時折、催眠について書かれているものを読みます。そこに書かれている記述を読むと「催眠には馬鹿な人や素直な人、単純な人がかかり易い」って書いてある物が結構ありました。
最近は多少は催眠に関する知識、常識が広がったのか、流石にそういったあからさまに誤った記述は減ってきましたが・・・。
以前はその記述を読んで、よく笑ったものです。現実とはあまりにかけ離れているので。
催眠誘導には大きく分けて数種類ありますが、私の考える「催眠」とは、こういった漫画や書籍に書かれている内容とはかなり異なりますね。
例えばですが、コインを糸で吊るして「あなたは、だんだん~ねむ~くなる~」とやっているような形は、催眠とは言いがたいものです(笑)。
原始催眠法のイメージというか、よほど古い感覚、スキルの無い人間が振り回すもので、あんな手法では子供だってかかりませんよ。
ただの遊びです。
観念動作と呼ばれるものですが、被験者が自律神経系のトレーニングを行う場合やラマーズ法を学ぶ際には私も利用することがあります。眼球運動を強化して意識を喪失させるなどは古い形式で、ゲームなどに慣れた若い世代にそういった手法は通じませんよ。
笑われるだけです。
言葉、語意、ボキャブラリ
それと「馬鹿であったり、単純である人」は、催眠を「言葉でかける」のに苦労します。
従来からの手法の一つであり今も主流と言っていい「言葉、言語による話しかけ」には利点も多く、暗示の殆どは言葉によって行われてきたのです。ですから催眠を学ぶもの、施術を行うものが避けては通れない道です。
語意(言葉の意味)を理解し、ボキャブラリを豊かにし、表現力を磨いて被験者の心の中に入り込む努力をしなければなりません。
ところが、ここで問題が生じます。
語意、ボキャブラリは「施術者側」にだけあるのではなく、被験者側(催眠にかかる側)にもあるんですよ(笑)。
意味がわかりますか?
これは初級テキストにも書いたことです。とても重要なことなのですが簡単に読み流す方もいます。テキストを持っている方は心して確認してください。
施術を行う、つまり催眠誘導を行っているのは被験者を「連れてゆく」のは施術者側ですが、実際に「連れて行かれる」被験者は、その言葉に「反応しなくてはならない」という弱点があります。
例えばですが、「車を知らない人」にバスが説明できますか? タイヤを知らない人に、乗用車や自転車が理解できますか?(テキストを参照)
要するにテレビを見た経験のない人に、「テレビの中に実際に人は入っていない」ことを説得するのは厄介です。基礎となる概念とか知識、理解がないのですから・・・。人間の持つ語意とかボキャブラリは人それぞれで別々ですから、それをある程度、把握して始めないと受け付けないのです。
何度も何度もホームページ上でもテキストでも説明しているのに、その程度のことも忘れてしまう人が大勢いるようですね(笑)。
催眠に「なぜかからないんだ?」「テキストに書かれている通りの手順でやってるのに」とメールで送り付けてくる人も大勢いました。
本人の意思の強さとも頭の悪さとも違う
実際にね、あちこちで誘導を行っていると、本人の意思(意思の強さ、催眠を信じているかどうか?)などはまったく催眠に対するかかり易さ(被験性)とは関係ないことがわかります。
直前まで「私は信じない!」とか、「絶対にかからない!」といい張っている人も大勢いますよ。
面白いというか興味深いのは、自分では一度も催眠にかかったことがない、催眠とは何かを知らない、テレビで何度かみた、漫画でそういったものを読んだ程度で理解したつもりになっている例が多いのです。
根拠はないけれど、なぜか「自分は大丈夫!」と思い込んでいる人が多い、ということですね。
ボクシングの試合を幾つか見たり、ネットで聞きかじっただけで凄いパンチが打てるように錯覚するようなものですね。走り込みも基礎練習もやっていない。足腰も弱いのに「プロボクサーと戦ったって俺は勝てる!」と言い張るようなものです。
私は「○○には大丈夫!」と経験もないのに思い込むのは危険ですよ(笑)。事故や事件、詐偽や恋愛、仕事や精神的なトラブルにおいても同様です。自分の近親者や友人に経験者がいたり、詳しい内容を語ってくれる専門家が側にいるわけでもないのに、自分勝手に判断するのは過信でしょう。
私の経験上で言えば、頭の回転が早く、語意が豊かで「言葉に」感情が反応する人は比較的誘導が容易です(笑)。要するに世間一般で言われている催眠に関するイメージとは正反対なのです。
むしろ一番、厄介なのは「言葉による働きかけ=施術者の暗示や誘導」にまったく反応しない、理解できない被験者なのですよ。
赤ん坊や乳幼児、言語圏の違う外国人に催眠をかけるのは至難の技でしょう? 普通に考えるなら「語意」(ボキャブラリ)が少なく、純粋で単純なのは子供ですよ。
催眠を学んだ人ならわかるでしょうが「言葉による誘導」で怒るとか泣く、不思議に思う、驚く、という感情を施術者が「ひき出せるかどうか?」が肝心なのです。
一種の頑固さ、とか本人の持つ「複雑さ」が逆に誘導を行う側にはかえって付け入る隙になります。気をつけてください。
これは詐偽などでも同じですが、「私は大丈夫!」と理由もなく思い込んでいる人が、実際には危ないのです。突発的な出来事を演出されると弱いんです。
例えば電話口で家族(息子や娘を演じる詐偽者)に「事故を起こした! すぐに金が要るんだ!」と迫真の演技で泣かれるとうろたえることになります。
下調べが十分にしてあったら? 息子や娘さん、お孫さんの年齢や名前を詐欺者が知っていて同年代を用意して、実在の同級生の名前を騙って病院から電話があったらどうでしょう?
虚を突かれるとそういった人ほど脆い(もろい)。知識が多少あっても詐欺で鍛えた連中は手ごわかったりもします。
一旦、感情をひき出して捕まえてしまえば、ズルズルとそちらに傾いてしまいます。本人の意思は関係なく、結局は様々な手順を用いて「相手の感情」のひき出し方や我を見失わせるパターンを「幾つ知っているか?」にかかってきます。
これを催眠の施術者側に言い代えれば同じことです。様々なアプローチや手段を「どれくらいたくさん持っているか?」過去の経験や誘導数において「どれくらいスキルを高めているか?」が需要になるのです。
騙されない人は「確認する」人です
例えとしては悪いですが、巨額な被害をもたらしている振り込め詐欺も、そもそもは心理学の知識の応用ですよ。老齢者が身内や親族のトラブルに弱い、「俺、俺」と言い張る電話の相手を疑わない習性とか、突発的な事故やトラブルにうろたえることを悪用したものです。
頭の良さ悪さは関係ありません。疑り深い人が騙されないのではなく、必ず事実を確認する作業を怠らない人が騙されないのです。
私は番組の収録とか雑誌の取材等でも相当な数の人達に催眠をかけました。これがまあ、よくかかった。
タレントさんやディレクター、プロデューサーに「素直で単純で馬鹿な人」が大勢いますか? いないと思いますよ(笑)。拗ねてる人というか、社会的にもちょっとスレてる人のほうが圧倒的に多いでしょう。
私はそんな単純な連中がマスコミ関係者やタレントさんに大勢いるならば、ぜひ会ってみたいモンだと思います。
確かに表面上、そういった演技を行う人はいますよ。「馬鹿のふり」という奴ですね(笑)。タレントさんにとってそれは「お仕事」ですから・・・。
バラエティ番組などの収録に参加すればわかりますが、お笑いタレントさんなども、売れている人ほど頭の回転が早く集中力の高い人が多いです。普段は役柄として馬鹿を演じているだけです。
雑誌に招かれて催眠をかけに行った時にも、著名な漫画家がいました(笑)。お忍びって奴らしいですが・・・。今も番組等でコメンテーターやっています。
この方も「催眠などは信じない!」インチキだと思っていて、それを確認するために取材への同行を雑誌社に頼んだのでしょう。参加スタッフや他の作家が催眠にかかるのをみて、非常に驚いていました。
知らない、見ていない、現実を知らないのに決めつけてはならない。それは危ういですし甘い感覚です。
そういった人に限って、家族や仲間、お子さんや友人が詐欺にあったりカルトに取り込まれた時にも気付かないでしょうから・・・。
無闇に否定するのではなく、現実を確認して知識として蓄えておくべきなのです。
収録や取材などに参加すると面白い
その人(有名な漫画家というかコメンテーター)も、あちこちでよく断定的な言い方をしています(笑)。個人的には苦手なタイプ。「催眠術なんて信じない」「私がインチキを解き明かしてやろう!」程度のつもりで見に来て、知りあいや仲間がガッチリかかるのを見て驚いたんだと思います。
何度繰り返しますが、実際にはそういう人のほうが本当は危ないんですよ。思い込みだけで動いていますから・・・。
その人のこと(参加の意図)は気がつかないフリをしてきましたが、そろそろいいでしょう。ここで種明かししておきます。
私の番組の収録や取材への参加、講演(公演な)どには二つの側面があります。
お金儲けとか知名度、商売として何かを得る目的も確かにあるのですが、私の場合もう一つの側面のほうが大切でした。
そういったものに参加すれば、多くの人達と触れて多くの情報を得る、つまり被験者を一気に得る事が出来てデーター収集が容易です。
大勢に触れ合える分だけ、反応を読むこともできるのです。
内容によりけりですが、ランダムに人集めができます。コギャル(?)風の若い人からヤンキー風の若いお兄ちゃん、年配の男性やショービジネスやテレビ番組の世界で成功している人まで、様々な人達に触れ合う機会が得られるんですよ。
これはなかなかの魅力です。催眠術師?としては抗いがたい誘惑がある(笑)。
散々に苦労し、嫌な思いも重ねながらそういったものに参加したのは、自らのスキルを高め、情報を大量に得る意味合いが強かったと思います。
有名なタレントさんに直接手で触れていいとか、1回の収録や公演で数百人のデーターが取れるなんてのは、やはり理想に近い。
科学とか臨床をやっている方なら私の気持ちは理解できると思います。
心理学、催眠を学ぶなら
馬鹿なフリを上手に演じる人が、本当に馬鹿な訳ないでしょう(笑)。面白さを求め、仕事としてそう演じているだけです。相手を見た目や番組キャラクターなどの印象だけでそう捉え、思い込んでしまうのは愚かな人のやることです。
少なくとも、催眠をこれから学ぼうとか心理学の研究者を名乗ろう、商売にそういった知識(心理学やマーケティング)を取り入れてこれから頑張ろうと思っている人にそういった感覚は必要ありません。むしろやってはダメなんです。
芸能関係者のみならず、テレビ関係者や弁護士、医師や検察官(!)でも催眠にはかかりますよ。というか、私には実際にかけた経験があります。官僚とか、自衛官もあります。
驚くほど高学歴で知識レベルや地位の高い人でも誘導は可能です。
もっともかける側、すなわち施術者側が「ビビらなければ」という前提付きですが(笑)。飲まれれば失敗します。
いわゆる「危ない職業の人」にでも誘導はできますよ。私はヤクザの地位の高い方にもかけたことがある。私はあらゆる職種、あらゆる立場にある人に、何度も催眠誘導を成功させています。
私が実際に、「素直でも馬鹿でも単純でもない人の誘導に成功してきた事実」は、一部の漫画や書籍で書かれるイメージ、催眠には馬鹿で単純な者がかかるなどの知識が間違っていることを指し示します。
催眠に関しての正しい知識が浸透するようになれば、そういった間違いや錯覚、勘違いに気が付くようになるでしょう。漫画や書籍で描かれる姿も変わることでしょう。
偏見を持ってはならない
普段の生活において緊張を伴い、高度な駆け引きを必要とするような仕事に従事する人や、地位が高かったり多くの責任を背負ってストレスの多い仕事、常に集中力を高める必要のある人は、息抜きのためにちょっと変わった趣味や息抜きを持つ人も多いですね。
SM趣味の方や幼児プレイをやってます、から始まってクルーザーや飛行機、自動車を高速で走らせる、博打にのめり込む、女装癖がある、裸で散歩するなど様々です。
そういった習慣とか性癖や慣習を「見た目とか雰囲気だけ」でわかる訳がない。こういった仕事をやってると驚くことなんて無数にありますよ。
はっきり言いますが人間なんて、そんなモンですよ(笑)。真面目なだけで精神のバランスがとれる筈もない。優秀な人ほど変な歪みも持っています。
綺麗で大人しそうな女性が変わった習慣や性癖を持っていたり、たくましく頼りがいがあって、仕事のできる男性が、普段は女っぽかったり・・・。多少の歪みやおかしな部分を持ってるのが「普通」です。私はそう考えています。
決められた方向にだけ正確に動いて、一切の過ちや歪みのない人間なんてロボットと同じですよ。気持ち悪いだけです。人間としての魅力も少ないように思います。
真面目なだけで何の趣味もないとか、決められた行動パターンだけしかとれない人は、きっと一緒に居て楽しくもないでしょうし、面白くもないでしょう。歪みも過ちもおかしな部分も全て含めてその人の個性、パーソナリティであり、個人なんですよ。
それを「いけないことだ」で括ってしまえば、心理学など成り立たない。強引に「正しい方向に向けよう!」「画一化しよう!」が心理学でも催眠でもないでしょう。
その人の中の苦しみや哀しみを理解したり、ストレスを解消したり心の闇の部分を開放しよう、お互いがお互いの個性を理解、尊重した上で「それぞれの生活や環境を守ろう」「トラブルを防止して安心して生活できるようにしよう」が基本だと思います。
時代と共に常識なんて幾らでも変化します。たった数年で人々の常識や価値観がガラッと変わってしまうこともよくある。何かに当てはめて簡単に括る(くくる)ことは無意味です。
漫画家になろう、っていうと鼻で笑われた時代もありました(笑)。今じゃ反対する親は減ってますよ。大金持ちになってる実例も結構ありますので。
多少話が逸れましたが、要するに相手に偏見を持てば持つほど本質からは遠ざかるんですよ。常識なんてものはそれぞれが勝手に決めてしまった物差しです。その物差しですら、時代とか年代、世代によって変化してしまう。
自分で何かを学ぼうと思うなら、相手を理解しなければなりません。相手を最初から色眼鏡で見て「この人はこんな人に違いない!」と決めつけるような人は、最初から心理学や催眠、マーケティングの基礎を学ぶのに向かない人です。
催眠をかける場合も同じです。施術を行う前に「この人は無理だ」とか「かからない」と思い込むなら成功率は大きく下がるでしょう。調べもしないのに最初から、自分がそう思い込んでいるのですから。
過去の経験からの感想
私個人としては、対人関係を円滑にすすめるために周囲への気配りを行ったり、回りの状況を鋭く読む人のほうが催眠にはかかる、と思いますね。言葉の意味とかこちらの意図、情報を正確に受け取る能力に長けているので伝達が早いのです。
誰の言葉にも左右される人(自分の意思を持たず、ある意味単純な人)はむしろ、難しいです。催眠そのものがあまり深化しません。
これは私も意外でした。ここからは私個人の推理、推論に過ぎませんが、色々な人の暗示とか言葉に片っ端ひっかかる人は「誰の言葉にでも」反応しますから、暗示が解けやすいのではないでしょうか?
そういう人は人生が半分、催眠状態みたいなものです(笑)。マスコミの言葉に躍らされ、親の言葉や友達の言葉、恋人の言葉に左右され、流されるままに一生を終えるのかもしれないですね。
「優柔不断で意思の弱い人が催眠にはかかるんだ」と思い込んでいる人は多いのですけどね。現実には違うように思います。
そういった方々の発想そのものが、過去の報道とか漫画とか小説の影響であり「暗示」にかかっているだけではないですか? 自分で確認したこともないのに「そう思い込むこと」こそが暗示であり、洗脳にかかったようなものですよ。
心理学や催眠を学ぼうとするものがそういった感覚では、先が思いやられます。
残念ながら確かに単純で馬鹿な人は暗示を「受け付ける」のは早いですが、「解ける」のも早いんですよ(笑)。集中力が続かないのであまり意味がないように思います。
はっきりいえば、「優柔不断でフラフラする人」とか「馬鹿(?)な人」「単純な人」ほど、しっかりと催眠にはかからないと私は思っています。
なぜならば、催眠は言葉で深化させます。ですから言葉に反応しない人や、言葉の意味が正確にわからない人は、催眠誘導は難しくなってしまうのです。
ボキャブラリが豊かで確かな常識を持つ人の場合、回りくどいクドクドとした説明は入りません。いきなり、「たった一言の単語」で、物事の核心をつくことができます。頭が良いというか、知識や情報が多く詰まっている人のほうが、誘導する側にとっては有利ですし都合がいいんですよ。
もちろん、施術者側もその語意に対応するだけの知識とか経験の幅は必要ですが・・・。
催眠によくかかるのは、やたらと頭の回転の良くて機転のきくタイプの人であったり、俳優さんならば強そう(男っぽい)な人(笑)であったり、業界で地位の高い人や、集中力を高め、長いセリフを一気に覚えなければならない人などが多いのです。
だからこそ催眠の映像とか実演はインパクトがあるのです。馬鹿っぽい人とか騙されやすそうな人、普段から寝ているような人がかかっても意味がありません。
それでは驚く映像にもショーにもならないと思いますよ。
パッと見だけで頭が悪い人とか、素直で単純な人が催眠にかかり易い、とするならば心理学なんて成り立ちませんよ。それは偏見と呼ばれるもので、施術者なら真っ先に排除すべきものです。
見分ける方法が・・・・実は
催眠に「かかりやすいタイプ」を見分ける方法は、実はあります(笑)。
私はタレントさんに催眠をかけに行く時、事前に幾つか質問をしてもらってそれに答える様子をVTRに撮影して送って貰っています。それが全てです。これまでに難しい誘導に成功しているのは、過去の経験から考えたそれなりのノウハウ、手法を利用しているからです。
これも試行錯誤の末でしたね(笑)。
今になって考えれば一番最初に参加した番組(TBS系)のロケがもっとも過酷でした。番組の予算がない上に無理難題が多い。他の先生方が断ったからこそ私に依頼が舞い込んだ訳で、私自身には何の実績もない。ですから普通の手法で催眠をやっても話題にもなりゃしませんし、そんなことは誰も望んでいないのです。
結論として路上でいきなり、通り掛かりの人に催眠をかけようになった訳ですが、殆ど超能力の世界(笑)。
いかがわしい宗教団体やカルト系が必死に欲しがる知識でしょう。外を通ってる人が催眠にかかるかどうか、番組ネタにできるかどうかが一瞬でわからないといけませんから。
その当時の私は、誘導の成功率をあげようと必死に様々な手法を探しました。色々な誘導や暗示を行った。実際に放送されたのはごく一部ですが、私が現場で膨大な被験者に声をかけています。
その全ての人にナンバーをふり、持ち物から話しかけた時の反応、年齢、職業、服装や色、髪形まで詳細に記録しました。それを自身の頭に叩き込みます。その後、それが習慣というか私の定型になりました。
他の番組でも講演会でも自分が受け持った相談者、友人、知人、過去のデータまでを詳細に分析し記録に残し、後から調べるようになりました。
失敗したなら失敗したでいいんです。成功例ばかり追いかけても仕方がない。すると、うっすらとでも、見えるものがあります。
本当は脳内ホルモン分泌とか脳波の検査とか催眠中の被験者の温度変化(サーモグラフ)とか、ドーパミン比率まで調べてみたい所ですね(笑)。まあ、流石にそれは贅沢な話だとは思いますが。
結局は経験です。経験から得た知識を分析、その上でそれらを詳細に調べて自らの「能力」を高める。それが誘導の成功の比率、特殊な内容を行う秘訣だと思っています。
催眠を勉強される方は、先入観を持たず正しく勉強されて下さい。
2000年04月15日 初稿
2009年12月15日 加筆、修正
谷口信行
